ゆっくりと「時」を刻める老人ホーム。「時の音」を開業したい！

 

 

ページをご覧いただきありがとうございます。松村 卓拓です。私は住宅型有料老人ホームで13年間、施設長として介護業界に身をおいております。

 

 

利用者さま一人ひとりの掛け替えのない時間を共に過ごしていく中で、大規模介護事業所の限界に気がつきました。

 

「ちょっと待って下さいね」

「散歩はみんなで一緒にいきましょう…」

 

職員はしっかり誠意をもって対応しておりますが、個別的ケアができないのが現状。働く人が足りないのです。勿論求人も出していますが、なかなか職員が集まらないのが現状です。

 

その結果、「施設に入所したから、自由がきかなくなった」

 

という印象を利用者様に与えてしまっていることもしばしばです。

 

 

私は、このような施設に入ることで、「なにかを諦めなければいけない」という状況は、本末転倒であると思います。

 

そのため、この状況を打破すべく、真の個別的ケアを提供するべく小規模の事業所「時の音」を立ち上げます。利用者さまの生活の質の向上に努めてまいりたいと考えております。

 

今回のクラウドファンディングでは、皆さまからご支援いただき介護浴用リフトを購入させて頂きます。風呂は利用者さまを知り、信頼関係を築く絶好の場所です。

 

心温かいご支援を、よろしくお願いいたします。

 

 

 

祖母が倒れた...
それから、介護の道を志しました。

 

私が介護の仕事に就いた理由…。それは、50代で脳梗塞により半身まひになった祖母にあります。祖母は私の目の前で崩れるように倒れました。

 

祖父があたふたと祖母に駆け寄り、小学1年生の私は、ただ見ている事しかできませんでした。祖母は救急車で運ばれ、私が病院で見た祖母は顔がパンパンにはれ、意識がありませんでした。

 

 

祖母は意識が戻らぬまま数か月がたち、何度か急変し山場を迎えるも何とか持ちこたえておりました。

ある日、祖父が面会に行くと目を開け、意識が戻りました。

 

しかし、言語障害、認知症状により、以前の祖母ではありませんでした。徐々に回復し、病院を退院し在宅介護が始まりました。

 

介護なんて誰ひとりできず、何をしたらよいのか…。そのころから介護について勉強し家族を助けたいと思うようになり、現在に至っております。

 

 

介護の職についてからは、ただ、利用者様お一人お一人に寄り添い、また家族様とのかかわりも大切にし、安心して過ごしていただけるよう努めてまいりました。

 

しかし、お一人お一人に時間をかける事が難しいこともまた事実。職員不足や利用者様の介護度の重度化等により、日々の業務に覆われる毎日に歯がゆさと申し訳なさを感じておりました。

 

私は「施設に入ることが余生をあきらめることになってほしくない。」と思っております。出来る限り利用者様の行きたい場所、おこないたいことを実現してまいりました。

 

 

家族様もご一緒に利用者様の生まれ故郷まで行き懐かしんだり、釣りがしたいという女性の利用者様を海にお連れし釣りをしたり。

 

利用者様が笑顔で毎日過ごしていただけるよう、お看取りの際も当施設に入所して良かったと思っていただけるよう努めてまいりました。

 

亡くなった息子さんと訪れた海。
もう一度、釣りをしたいという想いを叶えられた。

 

13年の介護職生活の中で忘れられない体験があります。96歳女性の利用者様が、「亡くなった息子と海へ釣りに行ったことがある。死ぬ前に釣りに行きたいな…。」と仰りました。

 

私は「行きましょう。」とお応えし、１人では申し訳ないという事だったので他に2名の利用者様、職員1名を連れて海に行きました。

 

 

片道2時間半。長時間の移動に耐えられるか等若干の心配はありましたが、利用者様の記憶をたどりに無事にとある漁港につきました。天気は土砂降り…。

 

波は穏やかでしたが釣りが出来る天気ではありませんでした。「天気予報は曇りだったのに…」天気を理由にそのまま帰ってくることもできましたが、「亡くなった息子さんと来た海…」帰るわけにはいきませんでした。

 

ビニール傘と持ってきていたカッパを利用者様に来ていただき、車の中に入れていたビニール袋をつなぎ合わせ雨風を何とかしのぎながら釣りをしました。もちろん職員はびしょ濡れです。

 

結果「リュウグウハゼ」が1匹…。けれども、96歳の女性利用者様は「ありがとう。また来年もきたいな。」と喜ばれ、釣れたリュウグウハゼを施設まで持ち帰りました。

 

この時にお連れしなければ私は後悔していたと思います。ひとり一人の想いに寄り添い、「やりたいことの実現」をお手伝いすることが、素晴らしいことだと再認識いたしました。

 

 

 

先ほどお話ししたような、個別個別のご対応は、働く人が足りていない大規模施設では実現しにくい状況にあります。

 

そこで、真の個別的ケアを提供するべく小規模の事業所「時の音」を立ち上げることにしました。利用者さまの生活の質の向上に努めてまいりたいと考えております。

 

 

 

今回のプロジェクトでは、皆さまからご支援いただき介護浴用リフトを購入させて頂きます。お風呂は利用者さまを知り、信頼関係を築く絶好の場所です。介護浴用リフトがある事でより安心して頂き気持ち良く入浴していただくことができます。

 

また、車椅子の利用者さまでも肩までしっかり湯船に浸かっていただき、心と身体の芯まであったまっていただきたいと考えております。風呂の時間もお一人お一人の大切な「時」。

人生・余生を「時」にたとえ、振り子時計が何事にも縛られずゆっくりと「時」を刻むように利用者さまお一人おひとりの大切な「時」を過ごしたい。

 

そう強く考えております。2021年03月31日(水)までにオープン予定です。

 

時の音を作るために、皆様の心温かいご支援を、何卒よろしくお願いいたします。

 

※本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関するリターンの条件詳細については、リンク先の「リターンに関するご留意事項」をご確認ください。