特別養子縁組の子供の当事者同士が繋がりたい

みなさん、はじめまして。

私は、Origin 九州支部の運営をお手伝いさせていただいています。

みなさんは「社会的養育」をご存知でしょうか？

「社会的養育」とは、様々な理由で家族と暮らせない子どもたちを公的な責任として社会的に養育することです。まだまだ 認知度が低いのですが、日本では約４５０００人の子どもたちが社会的養育のもと家族 と離れて暮らしていると言われています。「特別養子縁組」も「社会的養育」の一種で すが、戸籍上も実の親子となる点で施設養育や里親家庭での養育とは大きく異なり、「特別養子縁組」では実の家族と暮らしていないという事実が隠れてしまうのです。

そのため、養子は養親に真実告知をしてもらわなければその事実に気づくことがないかもしれません。近年では、真実告知をすることがスタンダードとなっており、どのタイミン グで、どう伝えようかと悩む養親さんも多くいらっしゃることと思いますが、真実告知をす ることは子どもが自分の人生を主体的に生きていく上でとても重要なことです。しかし、 真実告知を受けたとしても養子はその事実を受け入れることができないということや、 そのときは何となく理解できても、自分の中で反芻するうちに様々な疑問や悩みが生じ るなど、不安や混乱といった苦しい思いを経験することもあるでしょう。同じように、養親 は養親として生きていくことに伴う喜びや感動、苦悩や不安、迷いを経験されるのだと 思います。そのような時に、その疑問や悩みを打ち明けたり、混乱した気持ちに寄り添ってもらうという体験は、「自分だけじゃない」という当事者同士の力となり、当事者ひとりひとりを勇気づけるのではないでしょうか。

Origin では、当事者同士が安心して集える場となることをひとつの理念としてます。 社会の中では「一般家庭」となり埋もれてしまいやすい「特別養子縁組」の家族をつな ぎ、特別養子縁組という選択をした養親も、養子として迎えられた子どもも、自身のあり のままの人生を肯定的に生きることができることができるよう、Origin の活動を通して 微力ながら尽力していきたいと思っています。 ひとりでも多くの方が「特別養子縁組」に関心を持ってくださり、また Origin の活動 を応援してくださるとうれしいです。

よろしくお願いいたします。