特別養子縁組の子供の当事者同士が繋がりたい

初めまして。

特別養子縁組で２歳の男の子と毎日賑やかに楽しく暮らしております、志賀志穂と申します。みそぎさん（Origin代表理事）には生後５か月くらいの時から、親子の情緒的絆について相談にのってもらっていました。

　私は特別養子縁組や里親など血縁によらない家族の居場所作りをミッションに掲げた任意団体「あゆみの会」の代表をしております。

自治体の里親サロンや民間斡旋団体の交流会はあっても所属団体を超えて交流する機会があまりなく、子どもが成長していく中で必要な情報や知識を継続的にバージョンアップする事が難しくて育児に悩んだ時期も。

また、守るべき子どもの個人情報がある事が大前提の育児な為にママ友にも相談できなかったり、血がつながらないこそ「もっと良い親でなければいけない」と思い詰めてしまう時も。

そんな孤立しがちな養親や里親が安心して気持ちを共有できる場を目指し、ＺＯＯＭを使った交流会「あゆみのカフェ」を開催しています。（みそぎさんにも「子どもから見た家庭と社会で乗り越える真実告知」のゲスト講師として参加して頂きました）。お陰様で全国の沢山のご家族と交流を重ねて参りましたが、同時に「子どもが（大人の目を気にしないで）話せる場はあるのか？」と思い悩むように。

そんな時です！

息子が赤ちゃんの頃からお世話になっていたみそぎさんから『Ｏｒｉｇｉｎ』立ち上げの話をお聞きして、大きく育っていく息子の未来を思えば、どれだけ嬉しく頼もしく思った事でしょうか。

『Ｏｒｉｇｉｎ』の意義は、大人に守られるべき弱き存在＝子どもではなく、一人一人が価値ある存在として、同じ立場の仲間達とつながれる事にあると思っています。今まで明かすことの出来なかった養親に対するネガティブな感情や葛藤も、また実親さんや出自への秘めた思いも安心して分かち合える養子の子ども達の大切な居場所として寄り添ってくれる事を期待しています。そして子ども達が安心出来る場として重要な点は、養親に干渉されない場である事が保証されているではないでしょうか？（親として少し寂しいのが本音ですが）。

もうひとつは子どもが主体性を発揮出来るような場である事。『Ｏｒｉｇｉｎ』はまさにこの２つを十分に満たす、日本で初めての「子どもによる子どものための安全な居場所」だと信じています。

これまでみそぎさんのイベントに参加し、沢山のご家族と対面してお話してきました。特別養子縁組のご家族は、子どもも親もみんながみんな、血縁を超えた尊いご縁を結ぶまでのグリーフ（喪失体験）を内包した物語を抱えていました。その多様で豊かな家族観や小さな命の尊厳について、当事者として対話出来る貴重な分かり合いの場でした。そして子どもの立場から話されるみそぎさんの講義は「子どもを真ん中に」して家族再構築の道を歩む、養親としての大切な心得を学ぶことも出来ました。
　

養子の子ども達が抱える痛みや出自の葛藤を決してなかったことにしないで、子ども達が自身の足でしっかり歩き出すその背中を静かに見守っていきたいと思います。『Ｏｒｉｇｉｎ』が何よりも大切な息子の心にずっと寄り添ってくれる、確かな未来に期待を寄せながら。