totomaぱんに石窯を設置し、宮城県産の美味しいパンを焼きたい！

沢山のご支援、本当にありがとうございます。

あっという間に、残り18日になりました。

引き続き、よろしくお願いいたします。

 

クラウドファンディングを通して、普段話すことのないことを色々と公開でき、それだけでも良い機会をいただけたなと思っております。

一方で、予想以上に多くの方が見てくださっていることも知り、ひとつひとつの発言に責任を持たなくてはと気持ちを引き締めているところです。

 

ここで、誤解のないように、表題の件についてお話させて頂ければと思います。

 

どんなパンを作るか、どんなパンを作りたいか。

それは以前お話させて頂きました。

しかし、それが売れるパンなのかと言えば・・・そうとは強く言い切れません。

僕もよく色々なパン屋さんへ行きますが、菓子パンも総菜パンも買います。

当店でも、そういうパンの方が先に売れます。

しかし、そういうパンは手間もすごいかかりますし、技術も要ります。

原価も高くなります。でも、色々なパン屋さんで扱っている定番なので、相場のようなものが決まっていますから、あまり高い販売価格は付けられません。

さらに日持ちもしませんので、お客様が来店されなければ翌日は売れませんし、通販で販売することも難しくなります。

 

そんな中でも、お客様のニーズになるべく近づける努力はどのお店さんもやっておられます。

同じような規模のお店でも、季節ごとに新作を出し、趣向を凝らしたパンを作られているお店さんを心から尊敬します。

自分もそういったお店を見習い、後を追いかけて頑張ろうと思いました。

 

しかし正直、同じようなことをやっても、自分のような修行経験のない技術も知識も不足している者では、ただの模倣になってしまうと思いました。

なにより作っていて心が晴れない。行程が多すぎてつらい。

自分の作りたいパンは、8割のお客様のニーズからは離れているかもしれない。

でも、シンプルにどっしりと存在感のあるパンは、作っていて楽しいと思えるものでした。

だからそれをもっと美味しく焼きたいと思い、薪釜にたどり着きました。

災害で電気が止まっても焼けるというのは、薪釜のメリットのひとつです。

薪釜への入り口はそこでしたが、それが一番の理由ではありません。

 

美味しく焼ける業務用オーブンは沢山あります。

どれも、メーカーさんが試行錯誤して作り上げている傑作です。

多忙なパン屋の手間を減らすため、スイッチひとつで稼働し、温度設定もできるのです。本当に素晴らしいことです。

最近のはさらに省エネです。設定温度まで上がれば、維持するための電気代は驚くほど少ないです。

昔は電気もガスもありませんから、どのパン屋さんも薪をくべて窯を温めていたはずです。

その手間が無くなり、多種多様なパンを生み出し焼けるようになりました。

パン職人さんは、限られた時間を技術の向上に割けるようになりました。

 

どのお店さんも、それぞれのこだわりがあります。

それは言葉で説明するものではなく、お客様に食べてもらっておいしいと感じてもらうためのものです。

そのこだわりは、「素材」かもしれませんし、「技術」かもしれませんし、使っている「道具」かもしれません。

いや、今挙げたもの全てでしょう。

自分にとっての薪釜も、その中の「道具」のひとつなのです。

薪釜について色々説明させていただいているのは、クラウドファンディングという機会をいただいたからです。

 

作るパンがだんだんシンプルになってきて、以前来てくださっていたお客様の顔を最近見てないな・・・なんてことも多く思い当たるようになりました。

イベントに出店すると本当に実感します。

「甘いパン無いね」「大きいパンばかりだね」「固そうだね」

これは、決して悲観して言っているのではありません。

事実として、しっかり受け止めています。

 

あるパン屋さんが、以前は菓子パンや総菜パンも作っていたけど、シンプルな大きいパンだけにしたら、お客様が100%入れ替わった、とおっしゃっていました。

つまり対極にあると言えると思うのです。

まったく違う方向へ進む・・・その決断と実行力、それも本当に尊敬します。

 

色々な人がいて、考え方があって、味覚もそれぞれ違って・・・

それに合わせて、色々なお店がある。パン屋さんがある。

当店も、そのうちのひとつに過ぎませんし、薪釜もその小さな当店の設置したい道具の一つに過ぎないのです。

 

薪釜が素晴らしい、薪釜が一番いいんだ、と声高に言っているのではありません。

それを使って、自分が美味しいと思えるパンを焼くのがまず大切ですし、それを美味しいと言ってくださるお客様に届けるのがもっと大切ですし、それで生活を成り立たせていくことが大切なのは言うまでもありません。

 

どっしりした素朴なパンも美味しくて、

菓子パンも種類が沢山あって選ぶのも楽しくて、

総菜パンも味が濃厚で美味しくて・・・

どれも揃っていて、どれもクオリティが高くて美味しい。

そんなお店が理想的だと思います。

実際にそんなお店もありますし。

 

自分はまずは、自分の焼きたいパンを美味しく焼くために精進したいと思います。

その先にどんな景色が広がっていて、どんな人たちとの出会いがあって、どんな考え方の変化があるか、それは行ってみないと分かりません。

楽しみながら歩んでいけたら、と思っています。