養護施設や里親の下で育った若者をサポートする若者おうえん基金

　我が国には、家庭の養育能力が様々な理由で失われ、児童相談所が保護し里親家庭や施設で生活する子どもたちが４万５千人いると言われています。児童相談所の手が今なお届いていない子どもたちを加えると、この数はさらに増えます。いずれの子どもたちも、自身で家庭を選ぶことが出来ない中で、過酷な環境の下、懸命に生き、それでも多くの子どもたちが何ら自らの責に帰されることのない要因により、様々なハンディを抱えています。こうした子どもたちが、この国の社会の中で自立していくことは、里親としての私自身の経験に照らしても、容易なことではありません。

　若者おうえん基金は、こうした子どもたちや既に児童相談所の保護下から巣立った子どもたちを、大人になった後も含めて支援する、その支援者を支えるための助成を行う基金として立ち上がりました。これまでも多くの方々の寄付に支えられ、一定の成果をあげてきましたが、もっともっと多くの皆様の支援の輪が必要です。

　我が国で最も弱い立場にいる子どもたちを少しでも支えていくことが出来るよう、皆様の温かい支援をよろしくお願い致します。

藤井康弘

元厚生労働省 障害保健福祉部長

NPO法人東京養育家庭の会 参与