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小林 古径 《清姫》のうち「日高川」

1930（昭和5）年 山種美術館蔵

【解説】

日本美術院は1898（明治31）年に岡倉天心らによって創設された団体で、その展覧会は「院展」の呼称で知られています。

当館のコレクションには、歴代の名だたる院展作家の名が並びます。横山大観に続く世代の中心的な存在だった小林古径（こばやしこけい 1883-1957）もその1人で、所蔵点数は46点にのぼります。

《清姫》は1930（昭和5）年の院展に出品され、高く評価された作品。和歌山の道成寺伝説をテーマに、8つの場面で構成されています。6番目の「日高川」は、安珍を追いかける清姫が大蛇と化して川を渡る、その直前の様子を描いたものです。

院展出品後、《清姫》は長い間画家の手もとに置かれていましたが、山﨑種二が美術館の設立を決意した際、特別に購入を許されました。