こんにちは。平山佳子です。唄をうたったり三味線を弾いたりしています。

邦楽の世界はジャンルごとにプロは芸名を持つことになっており、わたしも

いくつか名前があるのですが、演じているのは平山佳子です。

 

CD「ニシへヒガシへ」ライナーノーツ「拾弐時過ギタ山手線」より 

さて、

本田祐也くん。彼との出会いは間違いなくわたしの中でとても大きな事件でした。本田くんに会ったのはいつなのかな、よくわかりませんが同級生の作曲家、

奇才の女史、鶴見幸代さんの紹介でした。彼女たちのたちあげたイベントで

「すごくおもしろい後輩がいるから彼と曲をやってほしい」と。なんか文字にするととても雑だな。熱量的には、おもしろいひとがいて、そのかたをわたしと是非、なんて考えてくれたのはとても幸せなことです。そこでは本田くんの作詞作曲した曲を演奏しました。ああなんていうタイトルだったのかしら。

そう、思い起こせば彼の作詞した曲ってあれだけなのではないでしょうか?

 

わたしは小唄の演奏家になりたいと始動し始めたばかりの頃で

所謂修行期間中でして、小唄の楽しさをつたえたいという気持ちだけで生きてました。本田くんも大変だったろうな。わたしもいま思うと五線譜の呪縛にとらわれすぎていたような。唄なんだからどれも一緒なんですけどね。

 

でも、その後なぜか交流が続きました。二回目にご一緒した機会で「よしこさん唄いたい?」と言われて作詞しました。それが「拾弐時過ギタ山手線」です。

変換でもさっと出ない凝りすぎのタイトルでいま見ると恥ずかしさしかありませんが日付を越えた山手線内部をうたったその名の通りのものです。わたしも多分ちゃんと作詞したのはこれが初めてだった気がします。自分のすきな音楽の話はたんまりとし合っていたので、これに本田くんが曲をつけてくれる形式でした。

 

のちにチャンチキトルネエドとして演奏してもらったりもしたんだけど

あんなにたくさんの楽器が演奏することを想定せずに書いていた歌詞なので

初めてあの音圧で聞いたときはなんておおげさなのかしらと吹き出しました。

さくら吹雪が年末の紅白歌合戦の大トリのように舞い散るような

ドラマチックさでした。

 

酔っ払いがいるのって平和だな、と思って書いただけの歌詞なので

恐縮しましたが、こういうのおもしろいなあとこころから思いました。

 

人生ってタイミングですよね。本田くんに会ったタイミングはやっぱりあそこしかなかったなと思うしその後もいろいろありましたし、亡くなっちゃったのは本当にびっくりしたけれど今の時代にいる本田くんってやっぱり想像できなくて。

最期に突然送ってくれたお手紙もやっぱりあの時のままの本田くんだったんですよ。

 

こんなにまさかじぶんが忙しくなる予定じゃなかったので、残念ながらちょっとおやすみしていますが、自分のうたを唄うなかで本田くんの曲の面白さはやっぱりすごいなあと思っています。もっと自分の手の内に入るようなかたちでいつかちゃんと唄いたいと思っています。

本田くんの本意じゃないかもしれないけどね、それはいいよね。

 

 

平山佳子

 


平山佳子プロフィール 江戸小唄演奏家(千紫巳恵佳) 
平山佳子的つれづれ http://hirayamayoshiko.blogspot.jp/

 

 

 

 

 

 

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