プロジェクトの進捗状況と今後についてのご報告
皆様、こんにちは。
この度は「ツキノワグマと人がよりよく共生できる社会を目指して」をご支援いただきありがとうございます。あらためて厚く御礼申し上げます。
プロジェクトのスタート当初はなかなかご支援が集まらず、私たちの思いや、社会課題を解決するためのツールとしてのシリアスゲームの可能性について十分に伝えきれていないのではないか、他園で大きなご支援を集めているプロジェクトのように、皆様からのご支援が直接的に飼育動物のために使われるプロジェクトでなければ応援していただくのは難しいのではないかと悩みましたが、日を重ねるごとにじわじわとご支援の輪が広がり、たくさんの温かいメッセージにも励まされ、最終的には目標額を大きく超えるご支援をいただくことができました。ご支援いただいた全ての方々に心より感謝申し上げます。
また、応援メッセージをいただいた皆様や、各プロジェクトページを通じて拡散に協力してくださった、よこはま動物園ズーラシア様、のぼりべつクマ牧場様、PineTree様、メールマガジンなどで拡散に協力してくださった、市民ZOOネットワーク様、日本動物園水族館教育研究会様、日本クマネットワーク様、朱い実通信様、個人のSNSを通じてシェアをしてくださった皆様、新聞やテレビで取り上げてくださったメディアの皆様、皆様のご協力がなければ、これほどたくさんの方々にプロジェクトを知っていただくことはできませんでした。本当にありがとうございました。
プロジェクト終了報告の期限となりましたが、活動報告でも書かせていただいたとおり、シリアスゲームの開発と製造のスケジュールに遅れが出ており、当初予定をしておりました「10月末までにシリアスゲームを完成させ、11月上旬には支援者の皆様の手元に発送をする」というのは難しい状況となりました。
楽しみにして下さっている皆様には大変申し訳ありませんが、もう少しだけお待ちいただきますようお願いいたします。
シリアスボードゲームの開発は大詰めを迎えており、ゲームの内容とルールブック、解説書の原稿はほぼ完成しております。現在はデザインや素材の選定、製造に向けた打ち合わせを進めており、デザインは盛岡情報ビジネス&デザイン専門学校の学生さんにご協力いただくと共に、製造していただく地元の印刷会社、吉田印刷様にもご協力をいただきながら準備を進めています。
※デザイン途中のキービジュアル案
ゲームの開発には、シリアスゲームクリエイターのPineTreeの方々にご協力いただき、私たちが目指す未来の姿をボードゲームを通じてどのように伝えるか、どのようなボードゲームにすることでより効果的な学びにつながるかをイチから検討してきました。
また、ゲームの内容が地域の現状や課題に即しているかどうかの確認と、開発後により多様な方々や場所で活用していただける足場となるように、ツキノワグマの防除や普及啓発に取り組んでいる岩手県自然保護課、広域振興局、盛岡市環境企画課、農政課の皆様や、ツキノワグマの生態に詳しい岩手大学農学部森林科学科の山内准教授にオブザーバーとして入っていただき、複数回プロトタイプをプレイしてもらいながら意見交換を行ってきました。
完成までにはもう少しだけお時間をいただきますが、必ず良いものを作り、ツキノワグマと人のより良い関係のために活用できるようしっかりと取り組んでまいりますので、引き続き応援をしていただけたら幸いです。
※オブザーバーとの意見交換会の様子
収支報告については、シリアスボードゲームが完成し、すべてのリターンを支援者の皆様に送付した後に、あらためて詳細をご報告いたしますが、クラウドファンディングの手数料、リターン物品の製造費と発送費を除く全額を、シリアスボードゲームの開発、製造に活用させていただきます。
今回、皆様からの多大なるご支援により目標額を大きく超えるご支援をいただきましたが、目標額を越えた分に関しましては、より多くの自治体や教育機関、保全に関わる活動をされている団体に寄贈をして活用していただくため、シリアスボードゲームの増産と保全教育プログラムの開発、実践に充てさせていただきます。
リターンの発送状況についてですが、現在までにグッズの発送を伴うリターンについてはすべて発送を終えており、完成したシリアスボードゲームの発送とオンライン座談会、ツキノワグマの放飼場に植樹をするリターンを残すのみとなっております。
ツキノワグマガイドツアー、園長ガイドツアーについてはご案内をお送りし、順次ご都合を伺いながら実施をしておりますが、もしご案内が届いてないという方がおりましたら、盛岡市動物公園ZOOMOまでメールまたはお電話にてご連絡ください。
シリアスボードゲームについては、年内に完成、年始より支援者の皆様に発送することを目指しております。(スケジュールが前後する場合はあらためてご報告いたします)
ツキノワグマ放飼場への植樹については、植えた樹木が猛暑により根付く前に枯れてしまうことを防ぐため、夏場を避けて秋以降に植樹を行う予定です。現在造園会社と相談をしながら苗木の選定を行っておりますので、植樹が終わりましたら活動報告ページでご報告をさせていただきます。
現在、ゲームの開発と並行して、保全教育プログラムの開発と実践にも着手しております。年内には岩手県との共催で県内の高校生を対象とした普及啓発事業を行うほか、年度内には一般向けに、子どもを対象にしたプログラムと大人を対象にしたプログラムを、岩手県や環境パートナシップいわて様と協力して実施する予定です。
保全教育プログラムの開発には、動物園水族館での教育プログラム開発、実践、評価に多数携わっている社会構想大学院大学松本朱実特任教授にご協力いただき、より効果的なプログラムの開発と評価を行っていく予定です。
今年は岩手県内でのツキノワグマの出没、被害が過去最多となっており、大きな社会課題となっています。また、大変悲しいことに死亡事故や怪我をされる事例も発生していまい、被害に合われた方やご家族の方々は非常につらい思いをされていることと思います。
また、今年はドングリなどの堅果類の不作が報じされており、ZOOMOの園内のコナラやミズナラの木もほとんどドングリがなっていない状況です。これから冬眠に向けてたくさんの植物を食べて太らなければならないツキノワグマたちは、食べ物を求めて行動範囲を広げ、人と遭遇してしまうリスクも大きくなることが予想されます。
望まない悲しい事故を少しでも減らし、ツキノワグマと人がより良い距離感を保ちながら共生していける未来のために、これからも全力で取り組んでまいりますので、引き続き応援をしていただけますと幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。