「北海道百年記念塔」解体差し止め住民訴訟にご支援を！

11月23日に行われた北海道百年記念塔解体差止訴訟第1回口頭弁論を受け、訴訟の現況と今後の状況を整理します。

（１）原告の請求

訴状で、私たち原告が被告である道に対して求めたのは次のなります。

原告らは、被告に対し、地方財政法８条、北海道文化振興条例３条、同法５条、同法６条、行政事件訴訟法３条７項、同法37条の４及び同法９条２項に基づき、本件記念塔の解体撤去並びに本件記念塔の解体撤去の請負工事代金の支出の各差止を求める。

なかかでも「地方公共団体の財産は、常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に応じて最も効率的に、これを運用しなければならない」とする地方財政法第八条違反が我々の訴えの中心となるところです。

（２）道（被告）の反論

これに対して被告は次のように反論してきました。

①記念塔の解体撤去及びその費用の支出はいずれも行訴法37条の4第1項の「処分」に当たらず、本件訴えは、同項の訴訟要件を欠き不適法である。

②原告らは「法律上の利益」を有するものではなく、本件訴えは、行訴法37条の4第3項の訴訟要件を欠き、不適法である。

③地財法8条は、地方公共団体を財産管理の基本原則を明らかにした規定であり、地方公共団体に対して法的義務を負わせる趣旨を含む規定であるとは到底解せられない。よって、地財法8条は、記念塔の解体撤去の根拠法令の規定とはなり得ない。

そして結論として次のように裁判所に求めました。

記念塔の解体撤去という事実行為は「処分」（行訴法37条の4第1項）に当たらないことに加えて、原告らは「法律上の利益」（同条3項）を有しないから、その余の要件事実（重大な損害が生ずるおそれ、損害の回復の困難の程度等）について論ずるまでもなく、本件訴えは不適法である。(よって、本件訴えは速やかに却下されるべきである。

私たちは、北海道百年記念塔について所有者である道の管理義務違反を争点にしましたが、北海道はこれにはまったく答えずに法律解釈の「入口論」に終始したかたちです。