「北海道百年記念塔」解体差し止め住民訴訟にご支援を!

「北海道百年記念塔」解体差し止め住民訴訟にご支援を!

支援総額

10,452,000

目標金額 3,000,000円

支援者
1,400人
募集終了日
2023年1月10日

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クラウドファンディングを終えて

 

ご支援して頂いた皆様へ

 

北海道百年記念塔を守る会の野地秀一です。この度は、百年記念塔解体差し止め訴訟費用捻出のためのクラウドファンディング(CF)にご協力賜り本当にありがとうございました。ボランティアの方々、伴走してアドバイスを頂いたレディーフォー社の方々、全ての人に感謝申し上げます。金額は一千万円を超え、支援者数1,400名という本当に予想していなかった多さにスタッフ一同、本当に驚いております。ご支援の輪も全国各地から頂き、同種の問題を他の自治体も抱えていると痛感致しました。従って、今後とも弊会の活動や住民訴訟の行方は今後の北海道のみならず日本の他の地域に対しても大きな意味を持つことだと考えております。現代に生きる我々にとって、次世代に何ができるかを問われている気がしてなりません。

 

道民の宝「北海道百年記念塔」を遺すにあたって色々な方策を考えました。当初は北海道や道議会への働きかけ、署名の提出、意見広告の掲載など行って参りましたが、全てゼロ回答。全く聞く耳を持って頂けませんでした。安全面と費用面で決定済みの一点張りでした。例えば安全面で言えば、落下物等で危険なのであれば、ロープのみで立入禁止としただけで良かったのでしょうか?安全を優先するならば、落下物が出ないように修繕すべきではないでしょうか?費用面に関しても、将来世代への負担が大きいとのことですが、今回のCFの成果でも明らかなように、ふるさと納税の検討、観光利用による民間資金の活用、文化財申請等で解体費以上に大きな効果を生むこともできた筈です。なぜそれが出来ないのか理解に苦しみます。北海道は現在、記念塔解体跡地のモニュメントデザインを募集しております。北海道百年を記念して、すでに50年以上経過した記念塔に変わるモニュメントなど存在する筈がありません。記念塔は、先人たちの思いが詰まった建物です。費用面だけで片付けてしまっては、開拓にたずさわった方々への冒涜ともいえる行為です。

 

陳情、請願、住民監査請求等も検討しましたが、基本的には効果が乏しいとの判断で、前述の様な行動をして参りましたが、解体の道筋は変わることなく進み、住民訴訟の提訴以外に道はないと判断しました。今後、令和5年1月24日に第二回口頭弁論を迎えます。どのような裁判が行われているか?我々の主張と北海道側の主張どの様になっているのか?是非、実際にご覧頂きたいと存じます。また、裁判開始後も、北海道は解体工事を進め、解体後の準備まで始める始末。弊会でも次なる一手を検討中です。一度記念塔を壊してしまっては、その歴史、先人たちの思いを次世代に伝えることはできないのです。最後の最後まで諦めず、活動を続けて参ります。それには引き続き皆さまのご支援の輪が必要です。金銭面だけではなく、その声が大きくなることが大切だと考えております。今年4月には統一地方選挙が実施されます。北海道知事選挙、北海道議会議員選挙も行われます。特にどの候補がいいかは皆さまの見る力、価値観で選んで頂きたいのですが、いままで以上に厳しい目、問う力で検証して頂きたいと存じます。

 

1,400人、10,452,000円の熱きご支援、誠にありがとうございました。頂きました御浄財を国民の宝「北海道百年記念塔」の存続のために有効に活用させて頂きたいと存じます。今後もレディーフォー社のCFのサイトは有効ですので、適宜活動の情報を更新して参ります。

 

令和5年1月11日 北海道百年記念塔を守る会 代表 野地秀一

 

 

 

「北海道百年記念塔がある日常」

を守るために

 

 

札幌市郊外 野幌森林公園に「北海道百年記念塔」はあります。「開拓の先人に感謝と慰霊の誠を献げたい。たくましい郷土建設へ道民の決意を示したい」という願いを込め、昭和45(1970)年に建設された貴重な建築文化遺産です。

 

たくましい佇まいですが、どこか動じない優しさを感じさせるものがあり、訪れた人々や地域、北海道そのものを静かに見守ってくれる存在として、多くの人々の生活と心に溶け込んできました。過去に北海道にお住まいで野幌森林公園を訪れた方や、観光でいらした方など、百年記念塔や野幌森林公園に思い出のある道外の方々も多いことでしょう。

 

その北海道百年記念塔がいま、解体されようとしています。

 

解体を決定したのは北海道です。利用者の安全確保や将来世代への負担軽減等の観点から塔を解体するとし、新たなモニュメントの設置(発展的継承)を表明しています。

 

しかし、私たち「北海道百年記念塔を守る会」の独自調査によれば塔は今も健全であり、維持管理の高額なコストについては、そのエビデンスが報告書に明示されておらず、試算の適正を判断できません。

 

私たちは道に対して拙速に解体へ突き進む前に「第三者機関による客観公正な調査を行うべきだ」「開拓の歴史をどう継承すべきかを含めて広範な議論が必要だ」と繰り返し求めてきました。

 

ところが令和4(2022)年10月7日の道議会で解体工事契約が承認されてしまい、すぐにも解体工事が始まる状況です。

 

私たちは、有権者に残された最後の手段として、百年記念塔の解体差し止めを求める住民訴訟を起こしました。 この裁判で勝ったとしても賠償金は得られません。百年記念塔のある日常が続くだけです。

 

さらに言えば、この裁判中に塔の解体が取り返しのつかないところまで進められてしまうかもしれません。しかしそれでも、私たちは声をあげるべきだと考えています。私たちが地域の歴史や文化財にどう向きあうべきか、という日本全体が考えなければならない大事な問題を見過ごすわけにはいきません。

 

今回のクラウドファンディングでは、裁判のための費用を募ります。百年記念塔に込められた、北の大地を拓いた先人たちの記憶と彼らへの感謝、この塔のふもとで紡がれてきた多くの人びとの思い出を守るために、みなさまのご支援をお願いいたします。

 

 

 

▶︎index---------------------------------

 

・北海道百年記念塔とは

 

・北海道による解体の決定。再び、議論の場を取り戻すために。

 

・北海道百年記念塔 設計者 井口健先生のメッセージ

 

・応援メッセージ

 

・プロジェクトメンバーからメッセージ

 

・北海道百年記念塔の成り立ち

 

・解体を決定した北海道の主張、およびその正当性への疑問

 

・これからも、北海道百年記念塔を残していくために

 

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北海道百年記念塔は、明治2年(1869年)に蝦夷地から北海道となり、北海道の開拓が本格的に開始されてから百年の経過を記念する昭和43年(1968年)「北海道百年」の記念事業として建立されました。

 

先人が挑んだ開拓の試練に思いを馳せ、成し遂げたことへの感謝を忘れないように、という誓いが込められています。

 

北海道百年記念塔

 

塔の高さはちょうど100メートル。外装と骨格は、日本では富士製鐵室蘭製鉄所だけで生産されていたコルテン鋼が用いられました。この素材は経年で発生する表面の錆が内部の腐食を防ぐ性質を持ち、鉄でありながら時とともに「熟成」します。北海道で精錬された「地元材」であることもあり、生まれも育ちも北海道に根ざし、道民とともにたくましさを増してきたシンボルです。

 

 
半世紀を経て「熟成」されたコルテン鋼の外板(撮影:海堂拓己)​​​​​​
塔の下には今日も人が集まる(撮影:池内 正紀)
地域のランドマークである百年記念塔(撮影:池内 正紀)
多くの学校の校章・校歌に用いられている(撮影:池内 正紀)
地域の生活を見守る(撮影:池内 正紀)
離れたところからもその存在感は際立つ(撮影:池内 正紀)

 

塔がそびえる野幌森林公園は、札幌市・江別市・北広島市の3市にまたがった広大な公園で、北海道民のみならず、全国からも多くの観光客がいらっしゃいます。このページをご覧のみなさまの中にも、一度は訪れたことがある、という方は多いのではないでしょうか。

 

また、野幌森林公園は四季折々の表情を見せます。百年記念塔は奇跡とも呼べるバランスで、季節の変化に調和して静かにそびえ立ち、公園を訪れた人々にとって忘れられない、思い出のシンボルとなってきました。

 

 

冬景色(撮影:池内 正紀)

 

建築様式やその技術の高さ、歴史的背景、塔にまつわる人々の思い出など、様々な視点で見て、百年記念塔は一級の文化財であり、大切に後世へ残していくべきものなのです。

 

(撮影:池内 正紀)

 

北海道百年記念塔を上空から望む。中央に記念塔、左端に開拓の村、その間に北海道開拓記念館(現北海道博物館)。
この3施設は一体のものとしてつくられた。右端上方には札幌ドームが見える(写真提供 KEN GOSHIMA)

 

 

その北海道百年記念塔がいま、解体されようとしています。

 

解体を決定したのは北海道です。百年記念塔の解体を決めた2018年12月の「ほっかいどう歴史・文化・自然『体感』交流空間構想」(以下「空間構想」)によれば、「利用者の安全確保や将来世代への負担軽減等の観点から、解体もやむを得ないと判断し、その跡地には、新たなモニュメントを設置することとします(発展的継承)」と言います。

 

しかし、道が解体の根拠に挙げている「安全性が確保できないこと」について、専門家を擁した我々の調査によれば、「塔体は健全であり、(錆が発生している)外皮は劣化ではなく、熟成である」「老朽化は限定的で、構造部材は健全である」と結論づけました。百年記念塔は今も健全なのです。

 

令和4年7月3日、建築・構造の技術者グループ「北海道百年記念塔の未来を考える会」の記念塔内部調査

 

また、維持管理の高額なコストについても、そのエビデンスが報告書に明示されておらず、試算の適正を判断できるものではありません。

 

※道の主張に反対する論拠については後述します

 

道は塔を解体した跡地に新たなモニュメントの建設を計画していますが、何の必然性も無く唐突につくられる新たなモニュメントが百年記念塔の豊かな歴史的価値文化的価値を肩代わりすることができるとは到底思えません。

 

このように曖昧な論拠で一方的に塔の解体が進められるのを、黙って見ているわけにはいきません。いま解体されようとしているのは、塔に込められた先人への感謝の心、塔に誓った未来への約束、そしてこの塔のふもとで紡がれてきたみんなの思い出です。

 

(撮影:池内 正紀)

 

今、百年記念塔解体の議論をめぐって必要なのは、下記の三点です。

 

解体着手前にすべきこと

①道と利害関係を有しない、文化財保護に専門的知見を有する第三者による記念塔の公開状況調査

 

②塔が現存するコルテン鋼の世界最大級のモニュメントである可能性を踏まえ、世界的視野に立った文化財価値の調査

 

③50年前に我らの先人が百年記念塔を建立した意志をどのように引き継ぐか、といった広範な議論

 

解体工事の契約が議会で承認された今、私たちは記念塔の未来を司法の判断に委ねることにしました。百年記念塔を巡る不明朗な状況を司法という客観的第三者視点で検証してもらうこと、いったん立ち止まり、調査と議論のための時間と空間をつくること、そのために裁判を起こします。

 

今回のクラウドファンディングでは、裁判にかかる費用を募るとともに、百年記念塔とご自身の思い出を振り返り、共に意思表示してくださる市民のみなさまと結束したいと思います。

 

ぜひ、みなさまの温かな応援のほど、よろしくお願いいたします。

 

< 目標金額 >

300万円

 

< 資金使途 >

・訴訟費用(弁護士依頼費用)
・通信費

・広報費

・クラウドファンディング手数料

 

※本プロジェクトは支援総額が期日までに目標金額に届かなかった場合でも、目標金額分を自己資金で補填するなどして、必ず上記の実施内容の通り実行いたします。

 

 

 

 

大地の塔、民の心に幸せを

母の塔、子供たちに夢を与えよう

記念塔、北の大地の背骨なり

 

コルテン鋼は鉄の天才である

錆で錆を防ぐ

特性の短所を長所を活かして、

短所をカバーする

これは人間も同じ

 

今ならまだ間に合います。

記念塔を処刑台から開放してください。

全道、全国の皆さま、歴史・文化・芸術の為に

子供たちの夢と未来のために

ご芳志を!

 

 

石山祐二さま

北海道大学名誉教授

 

 北海道百年記念塔は老朽化が進んだため、今後の維持管理には膨大な費用がかかり、それを後生の道民に負担させるのは忍びないという理由で取り壊すことになっています。

 

 しかし、解体するきっかけとなった2017年の鉄板落下は、雨水を外部に導くために後から取り付けた鉄板の取り付け方が適切でなかったためです。構造体は全く健全です。解体費用は6億円といわれていますが、この費用と解体後に計画されているモニュメントの費用などを活用し、後生への負担を少なくして百年記念塔を残す方策を考えるべきと思っています。

 

石山さまのプロフィールはこちら

 

 

駒木定正さま

駒木定正建築史研究所 代表

 

北海道百年記念塔は北海道民の財産です!

 

北海道民が愛着を感じる北海道百年記念塔は、今解体の危機にあります。

北海道民の総意をもって「先人の偉業を長く後世に顕彰し、慰霊の誠を捧げるとともに、輝く未来を創造する決意の象徴として」北海道百年記念塔が計画されました(「建立記」)。

北海道民の財産である北海道百年記念塔の大切さを確認し、今後とも健全に維持する方法を考えるべきと思います。

 

1.北海道民のシンボルとしての大切さ

北海道百年記念塔は地域のシンボルとして親しまれています。丘陵地の野幌森林公園にそびえる塔は地元の校歌や校章、町内会の徽章に取り入れられて地域の文化に根を下ろし、多くの北海道民が愛着を感じる存在です。

 

2. 優秀作品と調和の大切さ

北海道百年記念塔は公募公開競技の応募299件の中から井口健氏の案が最優秀作として建築されました。佐藤武夫審査委員長は北海道開拓記念館(現 北海道博物館)の設計にあたって、北海道百年記念塔との調和を考えました。2つの建物が一体として野幌森林公園に建つことに意義があります。

 

3. 工学に裏付けられた大切さ

北海道百年記念塔は高度な実験を経て吟味した建築材料を用いています。地震の振動と強風の振幅を想定し、建設省研究所(当時)と東京大学宇宙航空研究所で実験を行い、記念塔としての永続性と耐久性を考慮して耐候性高張力鋼を採用しました。

 

4. 有形文化財としての大切さ

北海道百年記念塔は建築から50年を経過し、日常生活の風景として広く親しまれています。北海道の記念塔として建築された歴史的モニュメントでもあることから、北海道および国の有形文化財としての価値があります。

 

駒木さまのプロフィールはこちら

 

 

入江正之さま

建築家・早稲田大学名誉教授 

 

札幌に向かう列車の窓から、いくどとなく記念塔を眺め尽くしたことだろう。開道100年を機に塔がそびえ立ったのである。それから半世紀を経て、塔が聳え立ったときを思う、そのことのなかに、北海道の開拓精神が改めて未来を開く力を持つことになろう。“1970年“の塔を存続させることの素晴らしさは、開拓精神を改めて反芻し新しいステップを踏み出すことなのだから。道民のこれからの躍動のうねりを生み出す創造の場所を作り出していくことなのだから。

 

 開拓を持続する人々の気骨ある骨格のように、今尚塔は力線を見事に大地に受け渡しながら、堂々とそのフォルムを北海道の青く、開かれた空へ向けて伸び上がる、人々に蓄えられた切り開く力のように。

 

入江さまのプロフィールはこちら

 

 

 

青山 繁晴さま

参議院議員 「日本の尊厳と国益を護る会」代表

 

虚心坦懐に文化価値を認める議論を

 北海道百年記念塔を日本の貴重な建築文化遺産と捉え「日本の尊厳と国益を護る会」として令和4年8月31日と9月6日の2度にわたり記念塔を視察し、道と意見交換を行いました。

 現場を見た限りにおいては、メンテナンスをしても経年劣化に耐えられないとは到底思えませんでした。

 記念塔が象徴する北海道開拓の歴史は、今日の日本をつくった重要な歴史です。解体の決定は拙速であって、虚心坦懐――思い込みをいったん捨て、道民の皆さまを中心として文化財としての価値を議論されれば、必ず保存の道も見えてくるはずです。

 

 

山田 宏さま

参議院議員 「日本の尊厳と国益を護る会」幹事長

 

百年記念塔は日本の歴史資産

 北海道百年記念塔は、昭和45年に「北海道百年」を記念して、道民の皆さんが建設費の半額を寄附されて建てられたものであり、コールテン鋼の記念物としては世界的にも貴重な建造物です。

 

 日本の歴史を振りかえてっても、北方から迫る帝政ロシアの脅威から日本を守った北海道開拓の歴史があり、アイヌの方々の歴史があり、様々な歴史を紡ぎながら今ここに北海道、そして日本があるわけですから、百年記念塔は、北海道にとどまらず日本全体の歴史資産として守り、有形文化財として指定をしていくべきではないかと考えます。

 

 

神谷 宗幣さま

参議院議員 参政党 副代表 兼 事務局長 

 

地域の歴史を守ることが地域を守ること

 地域アイデンティティーの崩壊が地方の衰退を引き起こします。地域の歴史を守ることが地域を守ることになるのです。

 

 百年記念塔が作られた背景や建設者の思いを知ることが、北海道開拓に命をかけた先人の歴史を学ぶことになります。

 

 それを形に残すことが今を生きる我々の役割だと考え、私はこの運動に賛同しています。

 

 

 

野地秀一

北海道百年記念塔を守る会 代表

道民の財産「北海道百年記念塔」が着々と解体に向けて進んでおります。我々は署名1万筆以上の提出、クラウドファンディングによる意見広告の出稿等を行って参りました。

 

しかし北海道は、すべて安全面と費用面で解体は決定済みの答弁を繰り返すばかりで事態は改善しませんでした。このまま座して道民の財産「北海道百年記念塔」が解体されていく姿を眺めている訳にも行きません。

 

そこで解体を差し止める訴訟を提訴することに致しました。ご支援の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

 

 

藤島 喬

北海道百年記念塔の未来を考える会 代表

「記念塔の未来を考える会」は、建築家仲間50名で構成され、過去3度、道知事宛に公開質問状を提出しました。「改修には金が掛かる。危険だ。交流空間に元づく。」の繰り返しで実のある回答は得られませんでした。

 

2度の塔内視察を行い、堅牢さと塔内からの改修が容易に行う事が出来る仕組みを確認し、改めて歴史的、文化的価値からも塔を残すべきと考えます。私達は、技術的な立場から支援いたします。皆様のご協力を切にお願いいたします。

 

 

 

北海道百年記念塔の成り立ちを知るには、今から104年前、大正7年(1918年)まで遡る必要があります。

 

●百年記念塔の誕生

 

開拓地である北海道では、企業が周年行事を盛大に祝うのと同じく10年毎の慶節を励みとして、開墾やまちづくりをすすめてきました。そうしたなかで大正7年に札幌で行われた「開道五十年記念博覧会」は、中島公園と札幌市電というレガシーを残し、開拓の成果を全国に示すべく空前の規模で行われました。

 

中島公園で開かれた開道五十年記北海道博覧会の正門、左の電車が札幌市電の始まり
出典:『開道五十年記念北海道写真帖』開道五十年記念北海道博覧会協賛会(すでに解散)・1918

 

戦争を挟んだその50年後、世界でも希な豪雪極寒の地は、多くの人たちの血と汗によってヨーロッパの穀倉地帯に匹敵するほどの豊かな大地となり、そのことは「世界史の奇跡」と称賛されました。そのことを世界に発信すべく「北海道百年」は万博に匹敵するスケールで行われました。

 

このとき「北海道百年」を企画した人たちは、「開道五十年」の博覧会施設がすぐに取り壊されたことを惜しみ、北海道百年では世界に誇れる恒久施設として遺そうとしました。こうして北海道百年記念塔は、開道五十年記念博覧会のシンボルタワー「北極塔」の後継としての建設が企画されました。

 

開道五十年記念北海道博覧会の中央広場に立つシンボルタワー「北極塔」
出典:「開道五十年記念北海道写真帖」開道五十年記念北海道博覧会協賛会(すでに解散)・1918

 

「北海道100年」事業の先頭に立った町村金五知事は、石狩平野と野幌原生林の境を百年記念塔の建設地に選びました。後方の原生林を見ることで先人が挑んだ試練に思いを馳せ、前方の石狩平野を見ることで成し遂げたことの巨大さを実感させるためです。

 

北海道百年記念塔、北海道開拓記念館と同時に「開拓の村」の計画も始まりました。開拓記念館では展示できない屋外建物の蒐集と保存を目的に開拓記念館完成後から準備に入り、昭和58年に完成しています。百年記念塔、開拓記念館、開拓の村の3者は一体不可分として建設されました。

 

野幌森林公園は、百年記念塔を建てるために選ばれ、先人への感謝を深める厳粛な場所、道民が歩んできた道とこれから歩んでいく道に思いを馳せる瞑想空間として造られたのです。

 

百年記念塔は完成当初ライトアップされていた。いつかこの光を取り戻したい(井口健先生提供)

 

●百年記念塔の建設

 

百年記念塔の設計では、北海道で初めて設計コンペが行われました。最優秀作に実施設計の権利が与えられた国内初のコンペとして建築史に残るものでした(佐藤 武夫 1968)。

 

黒川紀章さんによるものなど全国の299作品から選ばれたのは、久米設計事務所札幌支店の29歳・井口健先生の作品です。先生も明治27(1894)年に徳島県から今金町神丘(イマヌエルの丘)に入植した開拓者の子孫でした。

 

百年記念塔の現場事務所で打ち合わせをする井口先生(井口健先生提供)

 

道民の力が一点に収斂し、可能性が無限に拡散する「収斂と拡散」をコンセプトとし、数式により精緻にデザインされた塔は、設計コンペ審査員長佐藤武夫先生により「北の大地の交響曲」と激賞されたのです。

 

百年記念塔側面の目地を延長すると0点に収斂する (井口健先生自筆の解説図)

 

百年記念塔の建設は、「道民の総意」に拠りたいと百年事業から切り離して町村知事を会長とする「北海道百年記念塔建設期成会」によって行われました。建設費5億円の半額は道民の寄付で賄われています。

 

建立の背景、設計建築の経緯、造詣の見事さ、用いられた技術——どれをとっても建築文化財として一級の価値があり、いずれは国の重要無形文化財、さらには将来の国宝にもなれる価値を秘めている。それが北海道百年記念塔です。

 

 

 

 

私たちは北海道百年記念塔の解体取り消しを求めて訴訟を起こしましたが、ノスタルジーだけで訴訟を起こしたのではなく、公有財産の善管義務を定めた地方財政法8条に対する明確な違反を示す数々の証拠を持っています。

 

百年記念塔の解体を決めた2018年12月の「ほっかいどう歴史・文化・自然『体感』交流空間構想(以下「空間構想」)」は「利用者の安全確保や将来世代への負担軽減等の観点から、解体もやむを得ないと判断し、その跡地には、新たなモニュメントを設置することとします(発展的継承)」としました。道は「安全確保」と維持管理の「コスト」を解体の理由に挙げているのです。それぞれを検証しましょう。

 

 

●道は、根拠・情報を公開せずに「危険」と説明

 

解体を決めた「空間構想」は、41pで「安全性の検討」と題して4つの論拠を挙げています。このうち「(1)専門コンサルによる調査結果(平成29年度実施)」「(2)専門家ヒアリングでのご意見」「(3)外板の素材メーカーによる調査結果(平成30年度実施)」について、情報公開請求を行ったところ全面黒塗りでした。

 

道という公的機関が、検証のできない黒塗り資料を論拠にして何かを説明してはならないのは言うまでもありませんが、道は今もこれら資料を「危険性」の根拠にして「丁寧な説明」を繰り返しています。専門コンサルによる調査は「平成29年北海道百年記念塔維持管理計画策定調査」というもので、情報公開請求により初めて存在が明らかになりましたが、未だに道は公開を拒んでいます。

 

百年記念塔に倒壊の恐れがあるのでしょうか? その恐れのないことは道も認めています。道が危険視するのは錆片や外板の落下であるといいます。鉄塔だけに錆片の落下は他の構造物よりは多いことは想像できますが、どのくらい錆辺がどのくらいの範囲で落ちているのか、そうしたデータはまったく示されていませんし、その説明も問題です。

 

 

最近になって道は、平成30年9月に台風21号の影響で長さ2mの部材が落下したことを「老朽化」の根拠としてマスコミ等に盛んにアピールしています。これは平成4年に後付けされた当初設計にない部材で、解体に反対する建築家などの専門家グループは施工不良を疑っています。部材は階段踊り場から容易にアクセスできるところにあり、老朽化よりも管理責任が問われるべきです。

 

 

 

●本当に莫大な維持管理コストがかかるのか?

 

「空間構想」は、41pで今後50年間でかつてのように内部に立入できる場合は28億円、入れない場合は26億円と試算し、これがマスコミに大きく取り上げられて、維持管理の高コストが印象づけられました。令和3年に百年記念塔の解体工事の実施設計が行われましたが、このとき解体設計業者の手で新たに維持管理費の積算見直しが行われ、それぞれ30億円、28億円になりました。

 

百年記念塔では昭和55年からおよそ10年毎に状況調査が行われ、それに基づいて10年間の維持管理計画が建てられています。私達が情報公開制度によって入手した平成23年計画では、平成33年(令和3年)までの10年間は年間平均800万円で問題なく維持できるとしていました。

 

しかし、その6年後の平成29年計画で突如「大規模改修」という項目が登場し、年平均維持管理費が800万円から5200万円(塔に立ち入らない場合)に急騰しました。下記が空間構想の引用された資料です。 この29年計画を情報公開請求で入手すると、全体の8割弱を占める大規模修繕の積算根拠はわずか19行。しかも驚くべきことに経費の内訳が無いのです。

 

 

 

●平成25年までに「解体」は決まっていた可能性が高い

 

道は、これまで一貫して平成30年の「北海道150年」を見据え、百年記念塔を含む野幌森林公園記念施設地区のあり方検討を平成28年から始めたと説明しています。当時から道のすすめ方に「解体ありき」「アリバイ的」との批判がありました。

 

私たちは情報公開請求で、その3年前の平成25年度に百年記念塔の解体が具体的に計画されていた証拠を入手しました。「平成25年度北海道百年記念塔維持管理計画策定報告書」(平成26年1月31日)というものです。この中ですでに基礎を撤去する場合と残す場合の二つで経費と工程、施工方法概略が示されていました。

 

 

平成25年計画はさらに「解体を行う場合」は、平成33年までの「第4次計画」を破棄し、4年間の「最低限の保守管理」に移行することが記されていました。そして実際に1年前倒しの平成24年から維持管理費は半減となり、平成29年からは全く行われなくなりました。

 

●公有財産への善管義務違反ではないか?

 

おそらく道は平成24年から25年にかけて内部で安易に百年記念塔の解体を決定し、学識経験者による有識者会議の議論を誘導して「解体」の答申を出させ、平成30年に解体する運びだったのでしょう。そのことを前提に平成24年から維持管理費を減額し、さらに平成30年からは放棄してしまいました。

 

しかし、公開資料を読むとどうやらごく少数が強固に解体に反対したようです。このため平成30年解体が実現せず、解体をマスコミや議会を説得するために、さまざまな根拠を「創作」する必要に迫られたと思われます。

 

私達はこの推測を具体的に裏付ける証拠を入手しました。情報公開請求では「文書不存在」の壁に悩まされますが、これにより道の不作為を立証できるのではないかと考えたのです。それがこの「公文書一部非開示決定通知書」です。

 

 

これにより道が平成29年度から修繕工事(メンテナンス)を放棄したことが立証されました。さらに驚きなのが、平成24年から事実上、定期点検が行われていない事実です。常々道は「公園利用者の安全確保」を解体の理由に挙げていますが、安全優先ならば、そして道の言うように塔の老朽化が申告ならば、なおさら定期点検は決して疎かにできないはずです。

 

自治体には公有財産の善管義務(公有財産法8条)がありますが、百年記念塔に対する道の態度はまさにこの法律への明確な違反ではないでしょうか。私たちが、百年記念塔の解体差し止めを求めて道を訴えた法的根拠もこれになります。

 

 

最後に令和4年7月に私達が行った内部調査の様子を紹介します。道の長年にわたる管理懈怠にもかからず、塔内部は驚くほど健全で、危険の匂いは微塵もありませんでした。

 

コルテン鋼を使用した建物は特有の錆が理解されず、誤解のなかで次々と解体されていきました。道はこの特性とともに老朽化を印象づけ、解体しようとしていますが、決して一般が見ることができない内部にこそ真実はあるのです。

 
多数の鉄骨によってしっかりと支えられる塔(令和4年7月3日)
鉄骨の接合部(令和4年7月3日)
塔内部を調査するメンバー(令和4年7月3日)​​​​​​

 

 
塔内部の階段。問題なく通行できる(令和4年7月3日)
内部調査の様子(令和4年7月3日)
塔の頂上から見た景色(令和4年7月3日)

 

上記、説明画像中の図版などは下記より引用しました

・「『北海道百年記念広場(仮称)の整備等に関する説明会』資料」北海道生活文化部文化局文化振興課・2022・2

・「『北海道百年記念広場(仮称)の整備等に関する説明会』質疑応答」北海道生活文化部文化局文化振興課・2022・7

・「平成25年北海道百年記念塔維持管理計画策定調査報告書」ドーコン・2013・6

・「平成29年北海道百年記念塔維持管理計画策定調査報告書」ドーコン・2017・10

・「北海道公文書一部開示決定通知書」北海道・2022・6

 

 

 

北海道百年記念塔の足元に掲げられた建立記にはこのように書かれています。

 

 「先人の偉業を長く後世に顕彰し、慰霊の誠を捧げるとともに、輝く未来を創造する決意を表徴として、道民の総意をもって北海道百年記念塔の建立を企図したところである」

 

こうした誓いのもとに建立された百年記念塔を解体して道は、その跡地に「多様性と多文化共生」のモニュメントを建てようとしています。今解体されようとしているのは、私たち日本人が古来より大切にしてきた「現在・未来を含む3世代の基をなす祖先への尊敬の念を持つ生き方」そのものなのではないでしょうか?

 

この北辺の大地で行われている問題は、あなたのまちで明日起こる問題かもしれません。北海道百年記念塔を守ること、それは日本らしい日本を護ることです。みなさまには、この問題を〝我がこと〟と受けとめていただき、百年記念塔保全活動にご協力をお寄せいただければ、これ以上の喜びはありません。よろしくお願い申し上げます。

 

(撮影:池内 正紀)

 

※記事中の写真で出展・撮影者の記載の無いものは海堂拓己が撮影しました

 

 

●プロジェクトに関するご留意事項

 

○本プロジェクトへのご支援は寄附金控除の対象外となりますのでご注意ください。

 

○本プロジェクトはAll-in形式のため、ご支援確定後の返金やキャンセルはご対応いたしかねますので、何卒ご了承ください。

 

○支援完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合があります。

 

○プロジェクト達成後は、アカウント情報を変更した場合でも、ご支援時に入力したお届け先の宛名と住所は変更されません(個別にご連絡いただかない限り、原則としてご支援時に入力いただいた宛名と住所にリターン品をお送りさせていただくことになります)のでご注意ください。

 

○クラウドファンディングについてのお問い合わせにつきましては、ヘルプをご参照ください。

 

プロジェクト実行責任者:
野地秀一(北海道百年記念塔を守る会)
プロジェクト実施完了日:
2023年3月31日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

北海道百年記念塔の解体差し止め求める裁判を起こします。クラウドファンディングで集めた資金は弁護士費用(原洋司 法律事務所)や通信・広報費用に用います。

リスク&チャレンジ

プロジェクトを実施する上でのリスクについて
このプロジェクトは北海道百年記念塔解体工事の差し止め訴訟を支援するもので、10月3日の札幌地裁への提訴により、すでに弁護士の業務(費用が発生する)と裁判はすでに進行しており、プロジェクトは必ず実施します。 しかし、塔の解体を止める訴訟であるため、塔体が工事により失われてしまえば「訴えの利益無し」となって、裁判は成立しなくなります。10月7日の道議会での解体工事の契約承認により10月8日からいつでも工事に入ることができる状態となりますが、解体工事は令和6年まで予定された大がかりな工事で、平成4年3月に道議会で示された本年度分の解体予算が4000万円程度となっていることからも、本年度は外構・仮設などの準備作業までであることが確実視されており、塔体解体は令和5年春の雪解け後と考えられています。工事が始まったとしても塔体が存在している間は、裁判によって工事を止めることができます。 支援金の募集期間中である令和5年1月10日までに突貫工事で塔体の解体作業が進められるなどすると、裁判が勝訴敗訴以前に終了してしまう可能性は低いものの、ゼロとは言えません。

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リターン

2,000+システム利用料


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2,000円コース

■支援の感謝を込めたお礼メール

支援者
581人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年2月

5,000+システム利用料


alt

5,000円コース

■支援の感謝を込めたお礼メール
■裁判経過の報告メール

支援者
406人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年2月

10,000+システム利用料


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10,000円コース

■支援の感謝を込めたお礼メール
■裁判経過の報告メール

支援者
349人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

30,000+システム利用料


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30,000円コース

■支援の感謝を込めたお礼メール
■裁判経過の報告メール
■北海道百年記念塔の絵葉書

支援者
41人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

50,000+システム利用料


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50,000円コース

■支援の感謝を込めたお礼メール
■裁判経過の報告メール
■北海道百年記念塔の絵葉書

支援者
15人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

100,000+システム利用料


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100,000円コース

■支援の感謝を込めたお礼メール
■裁判経過の報告メール
■北海道百年記念塔の絵葉書

支援者
11人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

300,000+システム利用料


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300,000円コース

■支援の感謝を込めたお礼メール
■裁判経過の報告メール
■裁判記録の提供
■北海道百年記念塔の絵葉書

支援者
2人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

1,000,000+システム利用料


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1,000,000円コース

■支援の感謝を込めたお礼メール
■裁判経過の報告メール
■裁判記録の提供
■北海道百年記念塔の絵葉書

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

プロフィール

WEBサイト「北海道開拓倶楽部」主催者 札幌在住・郷土史家

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