「北海道百年記念塔」解体差し止め住民訴訟にご支援を！

■解体差し止めの仮の申立て

 

北海道百年記念塔訴訟では2月28日に解体の即時差し止めを求める仮の申立てを行いました。これは本訴の第2回口頭弁論での裁判所・被告の出方を見定めたもので、これにより記念当訴訟は本訴と仮申立ての二本立てで進行することとなりました。

 

この申立書では、処分性と訴えの利益という訴訟要件について再度言及したほか、「実態的要件」として道が進める北海道百年記念塔解体の不当性について述べています。

 

本訴では、本件を入口論に当たる「訴訟要件」と、道のさまざまな懈怠や不当を追求した「実体要件」の二つに分け、先に「訴訟要件」について判断すると言いましたが、仮の差止めでは、実体要件もあわせて審理することになります。この実体要件こそが司法に判断してもらいたい一丁目一番地でした。

 

申立書では、被告は塔の所有者のとして必要な維持管理を怠り、定期点検すらも放棄していたことが情報開示請求であきらになったことを踏まえ、

 

 

「本件記念塔の解体撤去を 内部決定し、実施してもいない平成 2 4 年以降の保守管理計画が実施されたと の虚偽の資料を議会に提出して、本件記念塔の解体撤去費用の予算等について議会の承認を得た」ことは明らかに憲法92•94条、地方自治法1・ 238・238・244条・地財法 1 条・同法8条違反違反と主張しています。

 

道はこうした虚偽を重ねた上に、今後50年間の維持管理費が26～28億になり、将来世代の負担として財政的理由を解体理由に加えましたが、これに対して私たちは、建築専門家の集団である北海道百年記念塔の未来を考える会さんのご尽力より、実証的な対案を提示しました。

 

 

証拠として提示した北海道百年記念塔未来を考える会の意見書は、記念塔の維持管理費を独自に試算したもので、今後102年間で約10億円(年間約1017万円) であり、道の主張の6分の1となっています。これは我々の決定打として提出したものですが、なお高裁を控え、詳細は伏せさせてもらいます。

 

■被告の反論

 

３月14日に被告より反論の意見書が出ます。本訴と同様に、本件は「処分」に当たらない、「法律上の利益がない」と主張して不適法だと言いました。

 

仮の申立てでは、維持管理の懈怠や過大な維持管理費の積算など、塔の不当な取扱いなど道の不当についても原告は論じています。なかでも維持管理懈怠については、決定的とも言える証拠があります。

 

これ対して被告は、これら実体論について、訴訟要件を不適法な訴えである以上、「実体要件について論じるまでもない」と塔めぐるに不当性について論証を拒みます。

 

仮の申立てが認められるためには、「緊急の必要」が無ければなりませんが、塔解体によって失われる、例えば北海道への愛郷心なども他の方法で救済できるので、「緊急の必要があるとはいえない」と主張しました。

 

この道の意見書を受け、原告は翌日に第１主張書面を出して、被告が実体論から逃げていることを指摘し、裁判所にも本案要件を全く考慮しないで訴訟要件のみ判断することは、実質的に最高裁の判例に反する」と釘を刺します。

 

さて、３月28日、裁判所はどのような判断を下したのでしょうか。