ーいち参加者だった現実行委員の体験談よりー

 

　　私が初めてセクマイ全国大会に参加したのは、2020年1月、大阪市のドーンセンターで開催された大会でした。まだコロナ禍とは呼ばれていなかったと記憶しています。多くの分科会が並行して開催され、興味のある分科会を厳選に厳選を重ねて参加しました。

 

 

　　大会には多くの手話話者が参加していました。ある部屋で分科会の開会を待っている間、私の近くの席に座っていた手話話者が数名、何か会話をして、どっと笑いました。

 

 

「何の話をしているんだろう？」

「もしかして私が笑われているのかな？」

 

　　背筋がざっと冷たくなりました。言葉が分からないが故の不安が一気に押し寄せてきました。そして、聴者である私がろう者に感じさせている「世界の感覚」を、まざまざと体験したのでした。

 

 

 

　　「聴者である自分が当たり前に、何の不自由も感じず暮らしている世の中で、ろう者はこんな不安を感じながら過ごしているんだ。こんな思いを、誰にもさせてはいけない」

 

 

　　私が情報保障を強く意識したのは、知識でも教育でもなく、経験そのものからでした。そこから「あんな思いを誰にもさせない社会づくり」を目指して、日々できることを重ねるべく、現在は実行委員をしています。

 

 

　　皆さまにも、セクマイ全国大会を「自分の暮らしの当たり前を疑う」機会にしていただきき、よりインクルーシブな大会のために、情報保障のための寄付をお願いいたします。

 

 

分科会紹介「DeafDay（プライドハウス東京　多言語・多文化推進ユニット）」

https://www.youtube.com/watch?v=69VqbAmmqD8