今が繁忙期！コスタリカのとある農家の一日！(Part 2)

（前回の記事「今が繁忙期！コスタリカのとある農家の一日を見てみよう！」　からの続きになります。）

 

 

15:30AM

 

ミリアム一家は数年前、自身ですべてのプロセスを担当できるように、小規模のウェットミル（コーヒー精製工程の一種／コーヒーチェリーの果皮や果肉を除去する水洗設備）を作りました。ただ、それが本当に小さい規模のものであるため、彼らはいつもそのウェットミルのことを「ちっちゃなちっちゃなウェットミル」とジョークにしています。

それまでは、実を収穫した後そのままプロセス業者へと販売しておりましたが、現在当一家は、ハニープロセス（甘さと深みのある味わいが特徴）と呼ばれる手法で、収穫から焙煎まですべての工程を彼ら自身で担当しております（このことが収入の増加へと繋がっていきます）。

 

 

さて、収穫を終えた実がいっぱいつまった麻袋が載ったトラックを家の裏庭に止めたミリアム一家は、その実を「ファネガ(fanega)」と呼ばれる大きな箱（カフエラ２０個分）に移します。

１個のファネガに詰まったコーヒーの実は、加工後の生豆の４５ｋｇ相当となります。本日ミリアム一家は、およそ５．５個分のファネガを収穫することができました！

 

（ファネガに入ったコーヒーの実）

 

 

トラックを空っぽにした後、マリアホセ（娘）はコーヒーの水洗設備へと向かいます。クリスティアン（息子）とミリアムは脱穀機の近くを陣取り、外皮を剝かれた実が出てくるのを見守ります。

 

そして実はこの脱穀機にはいくつか工夫がしてあります。例えば、質の良くない実(欠陥のある実）は一般的な実と比べて重さが軽いため、そういった実を排除できるように、コーヒーの実がその重さによって自動的に分別されるようになっています。

 

この分別試験に合格した実は、脱穀機によって外皮を取り除かれます。

ミリアムは脱穀機の出口前に座り、機械ではうまく皮が取り除けなかった実の外皮を手作業で分離していきます。コンテナが実でいっぱいになった時点で、

クリスティアン(息子）はその実を「乾燥ベッド」（コーヒー豆を乾かすための場所）へと移します。

 

（乾燥ベッドに移されたコーヒー豆）

 

 

その間、夫のマニュエルは２週間前から豆を乾燥させていたもう片方のベッドを片付けます。また、他に置かれている＋新たに置かれたすべての豆が確実に日光を浴びるよう、しっかりとならします。この作業（すべての豆が均一に日光を浴びるように豆を動かす作業）は、コーヒーの品質をあげるために家族全員が責任をもって行わなければならないタスクのひとつであり、彼らはこの作業を１日に４回ほど行います。

 

（ベッドの上で乾燥したコーヒー豆）

 

6:30PM

日が暮れる頃、やっとミリアムはキッチンに戻ることができ、夕食の準備にとりかかります。その間他の家族で、ウェットミルの掃除を済ませます。

マニュエルとクリスティアンは、脱穀でたまったすべてのコーヒーの外皮をかき集め、トラックの後ろに積みます。ミリアム一家ではこの外皮を、コーヒー農園のオーガニック肥料として再利用しています。

 

 

さて、マニュアルとクリスティアが戻ってくると、やっと家族は夕食を楽しむためにキッチンの席につきます。彼らは今日起こった面白い出来事や楽しかった思い出を分かち合います。

 

そして夕食後、全員がシャワーを浴び、マリアホセとミリアムが明日の朝食・昼食の下準備を終えたところで、夜８時頃、ミリアム一家の電気は消灯されます。 明日も、ミリアム一家には早い朝が待っています。

 

 

（完）

 

※当日記で使用されている個人名は、プライバシーを考慮し仮名とさせていただいております※