自由を導く形態としてのデフォルメ

BIBLIOのテーマの一つは自分自身に帰る時間を作ること。私たちの体は自然物のまま進化を続けており、逆に環境は人工物で成り立つようになってきました。素晴らしい文明のおかげで文化をさらに発展的なものにしてきたゆえに、自分では気がつかないところで身体がストレスを抱えることも懸念されています。また人間以外の生物との関係を考えた環境づくりも進められている昨今ですが、自分自身も同じように自然界との接点を求めているように感じられます。

少しでも自然とじっくり向き合う時間を作ることを考え、BIBLIOはお風呂や睡眠時間に優しいプロダクトに仕上げました。杉材のもつ物理特性は人に優しい印象を与えます。さらに杉材の生息地によって異なる香りを、雨の多い三重県に選定ししっとりとした優しい香りをそのまま楽しめるようにしました。その香りを睡眠の時間帯に用いることで鎮静作用をもたらし副交感神経を刺激すると言われていますので、お風呂に浮かべぼんやり眺めたり想像的な時間にして頭を休めたり、新しいアイデアの余白を生み出す手助けになるように考えています。単純な形態ではありますが、あえてシンボリックにすることで主張性をなくしユーザーに創造を任せたことも意図したことの一つです。

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