プロジェクト概要

 

私たちは地球上で木々や水に恵まれたような生物とともに生きています。天体と地の磁力に動かされドラマが生まれます。

 

地図を表す「星」、私と舵を表す「船」、多様性を表す「鳥」、生命の源を表す「珊瑚」。この4つのモチーフから成り立つ木製オーナメントBIBLIO。

 

多様な生命が生かされている世界で私たち自身が自分の人生を選択し明日を想像する。

 

それぞれの木のピースを実際に動かしながら自分自身の物語を。

 

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BIBLIOは海を舞台としています。ダイバーシティである海は生命の源、境界線のない自然界。

 

 

デザイン事務所で、現代社会の課題解決にも取り組んできました。

 

こんにちは。Design Office Punto Graficaの荒井朋子です。このオフィスでは発想と創造、計画と実行によって企業や課題の目標達成を行なっています。その独自の技術を活用して、私たちは日本の文化や価値観を改めて見つめ直し根本的な問題解決に取り組んでいます。

 

今回ご紹介する木製のオーナメント「BIBLIO」では、日本人の持つ感性や価値観が自然とともに育まれてきたことに焦点を当てて、文明の発展している現代において印として残しておきたいと考えて企画を始めました

 

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2015年のコピー:RETURN TO NATURE WITH TECHNOLOGY(意訳 テクノロジーの時代にこそ自然に戻る)

 

 

日本独特の情緒感や自然や生命への謙虚さ。こういった価値観が現代社会に役立つのではないか。日常で使用できることをルールに企画をはじめました。

 

日本の豊潤な大地と気候は豊かな食料を手に入れることができました。また、次も実り多き季節になるように自然に願った活動の記録から、自然のもたらす豊かさをよく理解していた民族であるという印象を持っています。

 

現代の日常で接する自然との関わり:農業

 

それが藝術文化に発展し、多様な階級で親しまれてきました。その思想を咀嚼し今の言語で構築し直して、新しい価値観を加えながらBIBLIOの完成に至りました。

 

BIBLIOでは人工物の普及や人為的な原因による気候変動の課題を考慮して、日常で使用できることを企画のルールにしました。私たちが普段目にするようなものと同じ目線で藝術的造形言語によってその世界観を示すことにしました。

 

「足りないものを見つめ、今の自分が存在することを心から感謝する」謙虚さを教える龍安寺石庭

 

 

2014年から始まったBIBLIO開発の旅。その一部をご紹介します。

 

日本の原型・・・奈良の旅

古代文化の煌めきを感じる明日香村、日本の政治の発端である奈良、静御前の隠れ家のある吉野など...日本独自の情緒感とはどんなものなのか、改めて確認をするために向かった奈良県。

 

吉野で包まれた桜の森、鑑真和尚の眠る唐招提寺、東大寺、興福寺などで見た自然の力と知恵。明日香村の古代の煌めきは現代に繋がる精神を感じるものでもありました。

 

ミステリアスでありながら、テクノロジーのない時代に人間が自然と交流するために用いられた知恵などからのインスピレーションも大きなものでした。

 

奈良県吉野郡吉野町

 

自然崇拝と文化・・・京都の旅

五行陰陽思想と文化から得る自然感。BIBLIOでは星型を主役にしています。私は自然を神様としている上賀茂神社をはじめ、雷がもたらす自然界への影響を天地に描くことにしました。

 

陰陽博士の賀茂師の弟子である安倍晴明の紋も星型です。占星学は前述の奈良県吉野村ですでに見ていたこともあったので、流派は別にして天体と人類の関係にとても関心を持つものでした。

 

天地の磁力に人は動かされ、そして自然に立ち向かうように文明開化がなされてきた。そうした知恵と知識が文化を形成し、文明を導いたことはテクノロジーの発達したいまでも壮大な印象を受けます。

 

京都市北山 上賀茂神社

 

三重県尾鷲・・・檜と杉の森

BIBLIOの木材は吉野にインスピレーションを受けましたが、上賀茂神社を裏さん社として捉えて表に返すことで三重県の木材を使用することになりました。

 

熊野古道を走る森、八咫烏、曽根次郎坂・太郎坂など。日本書紀で天照大神が「住みたいなー」といったという三重県伊勢のすぐそば。あちこちに神様が潜んでいるような海と山に囲まれた雨に恵まれた豊かな土地。リアス式海岸の反響がまるで自然の劇場であったこと。

 

巡礼というよりも生活者の営みが自然とともにある場所に訪れた現実感をそのまま見たような気がしました。なぜ能楽堂が屋外にあったのか、この土地が発祥でないにしてもその意味を理解できるような体験でした。

 

三重県 BIBLIOの杉材の産地「尾鷲」は世界遺産に囲まれています。

 

 

日本の価値体系のアウトライン「森羅万象・花鳥風月」を体験的意識的な概念に起こした、BIBLIOが完成しました。

 

こうした旅と神話、歴史書そして日本の藝術を通して、日本の価値体系のアウトライン「森羅万象・花鳥風月」を体験的意識的な概念に起こしました。

 

これまでの経緯から日本の価値観が気候変動に対してポジティブに働くことを確信していたので、豊潤な自然を知る日本人として自然を守る役割を担い、世界にその体験やアドバイスをすることは可能だと感じていました。

 

以上のリサーチを終えて、2016年にプロダクトの開発に取り掛かりました。デザインにあたってルールを設けました。

 

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BIBLIOの内容物は合計6ピース。三重県尾鷲のFSC認証材を東京都新木場の材木加工会社で加工しています。

 

1. 日用品であること

藝術の世界観を自身の日常で楽しむ機会を作りたいと考えたので普段使いできるアイテムにしました。

 

2. 無垢材を使ったこと

自身の体験から森林公園で香りを浴びた時の杉の香りにとても快感を覚えたため、ナチュラルな濃度の香りならば無意識のレベルまで素直に入り込むのではないかということと、そのままの香りを敢えて提案したいと思い無垢材での制作を企画し始めました。

 

3. 造形言語について

モチーフに西洋的な美しさ(黄金比)と日本の伝統芸能「狂言」の表現形態を模写しわかりやすく生死・存命や自然観の意味づけを行いました。

 

4. マテリアルについて

三重県尾鷲(森林組合おわせ様のご協力による)の杉材を使用しています。熊野古道の走る森の木材は国際的な認証「FSC認証」を取得しているため、トレーサビリティが明確です。(熊野古道は実質的には庶民がお金に変わる資源を求める道中だったそうです。神社本庁の本宗も三重県に所在しています。)

 

5. 職人技術とレーザーカッターの使用

新しいテクノロジーとコミュニケーションをすることで時代を超えたものにしたいと考えました。レーザーカッターは必要な分だけ必要な時に生産できるメリットがあります。またカットした部分の焦げ目の対処は人力の工夫が必要ですので、BIBLIOの加工はデジタルと職人の技のコラボレーションとなりました。

 

6. 万国共通の課題「自然と生き、生かされていること」

日本で出生したBIBLIOの言語は世界各地の物語を使って、共通した話題に置き換えることが可能です。何よりも杉の香りに耳を済ませて、自然の声を聞くことを提案しています。

 

7. マテリアルの機構を役立てる

杉材の熱伝導率の低い構造は温もりを、温かい湿度とともに揮発する精油は鎮静効果を、木材の呼吸は乾湿作用をもたらします。そしてモチーフによってありのままの自然の自分に戻りその中でのリラックスすることで自然に恩恵を感じられることでしょう。

 

<製品について>

製品名:BIBLIO(ビブリオ)

説明:三重県尾鷲の杉を仕様したグッズ

 

<モチーフについて>

それぞれの形は、右をモチーフとしています。

星:地図

船:私と舵

鳥:多様性

珊瑚:生命の源

 

<商品仕様について>

外寸:星(×3個)6×5.6cm、船7.4×5cm、かもめ8×2.3cm、珊瑚5.4cm×5.1cm

 

原材料:三重県尾鷲産杉材(赤身柾目)

 

FSC認証材番号:SCS-COC-000262(資材認証番号)、CU-COC-841128(加工会社認証番号)

 

主成分:木材・心材 カジネン・フェルギノール・サンタラコピマリノールなど

本製品は杉材の断熱効果による温もり、精油の揮発による芳香、乾湿調整機能を無垢材によってそのままお楽しみいただけます。

 

また自然物である木材は生息地や植栽年や管理状況により全て状態が違います。あらかじめご了承ください。

 

精油を感じにくくなった場合は表面を刃物で削って精油の出やすくしてください。引き続き精油をお楽しみいただけます。

 

<利用シーン>

お家のリビングルームのデコレーション、ベッドルームやバスタイムのリラックスグッズ。子供のおもちゃとして。また、トラベルのリラックスグッズとしてもオススメです。

 

世界中で親しまれるモチーフ

 

気候変動による具体的な事例:

高潮被害

高潮被害(~抜粋)将来、温暖化により予測されている強い台風の増加や海面水位の上昇で発生する高潮は現在よりもその高さが高くなります。そのため、高潮による被害は増加し、農作物の被害や海面上昇による住居やライフラインへの侵食、海洋及び陸地の生態系破壊のを引き起こすとされています。

 

光害

​また光害についての課題にも着目していました。自然光は生物のバイオサイクルにとって重要な役割を果たしています。これらのサイクルを脅かすのが光害です。たとえば、夜間飛行をする鳥類の航路の侵害など、生態系にも影響を及ぼします。

 

私たちは環境省地球環境局の市民コミュニケーター制度「気候変動防止コミュニケーター」に登録をして、科学的なデータで現状や予測を定量的に確認しながら伝えたいメッセージを形にしました。

 

メッセージは世界で共有できる造形言語にするためにUNEPの持続的な開発目標のテーマを参考にしています。

 

持続可能な開発目標とはUNEPの戦略計画の重点分野と結びついた重点分野と結びついたSDGsの目標17項目で成り立つ、「貧困に終止符を打ち、地球を保護し、全ての人が平和と豊かさを享受できる」ようにすることを目指す普遍的な行動のことを指します。

 

 

自然を発見し、恵みを知り、その声を聞くことで、自然とのつながりを素直に受け入れて生活に役立てていただきたい。

 

今後世界で製品普及を目指しています。私たちは日本文化の民族性や自然観とものづくりやマテリアルが生きることのメッセージの媒体となると考えて製品開発をしています。

 

まずは製品として良質なクオリティを目指すために規約の整備された EUから発信をスタートし、順次範囲を広げたいと考えています。

 

私たちは自然を守る役割を持って地球にいます。この製品も紆余曲折ありながらも、たくさんの方に支えられて今日まで成長してきました。いつも応援してくださる皆様、本当にありがとうございます。

 

この製品では手に取り自ら創造しながらも、香りを自然の声に模して耳を傾け思いやることを提案しています。一人でも多くの方にBIBLIOを手にとっていただいて、いつもとは違う視野で明るい世界を見ていただけたら嬉しいです。

 


 

 


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