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前回に引き続き、カセサート大の黒井さんによる、
モンキーファームの取材同行レポートです。

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【ナイトクラブからの転職、有機農場モンキーファーム】
 「モンキーファーム」は今から4年前に約15年間経営していたナイトクラブ「モンキークラブ」を辞め、オーガニックファームとして新たに事業を開始したタイでも数少ない有機農場です。写真からもわかるように農場の本部がある建物は当時のものをそのまま現在でも使用しています。

 



 副社長のタナコンさんと西田代表との会談はヤムヤムの活動紹介から始まり、Japan Expo in Thailand 2016でのプロジェクトに向けた食材提供の交渉へと続きました。モンキーファーム側からはロイヤルプロジェクトに加入していることのほか、今後の海外への事業展開として今回のイベントへの参加意欲が伝えられました。会談の途中ではモンキーファームのロゴについて、社長と副社長が両者とも申年という理由から自社のロゴとして2匹のサルが並んでいる姿にしたというユーモアある発想に驚きながらも時々笑いを交え和気あいあいとした様子が見られました。

 



 モンキーファームは全体で75ライ(1ライ=0.16ha)という広大な農地のうち、現在55ライを農場として使用し、残りの20ライは今後オクラや米を栽培するために使用する予定とのことでした。A、B、Cのように農場全体を家族単位で分担し、責任者を区切られたエリアごとに置く運営手段をとっています。農場で働く者のなかにはタイヤイ民族の方もおり、他のタイ人と一緒に農園で働いているそうです。モンキーファームでは社長の信念として自然な状態で野菜を育てることへ強いこだわりがあり、その理由として次のことをお話ししていただきました。まず、消費者へ安全な野菜を提供したいこと。そしてオーガニック野菜の需要がタイだけでなく世界中で増加している流れに乗り、供給側へ回ることで自社のビジネスチャンスにも繋げること。これらの思いを胸に、社長は祖父母が所持していた土地を農場へと変え、仕事も生活も180度方向転換してオーガニックファームを始めたそうです。その社長の強い思いは、きれいに整えられた畑や試食させていただいた野菜の美味しさ、そしてなるべくゴミを出さないという方針のもとキノコの房やヤングコーンの収穫後の葉類も肥料にするという循環型農業手法から伝わってきます。

 



 モンキーファームでは現在サラダに使われる葉物の野菜を始め、唐辛子などの香辛料、 アスパラガス、いんげん、キュウリなど様々な野菜を有機栽培しており、特にアスパラガスは日本や香港、台湾にすでに輸出済みとのことでした。来年からの経営方針としてチェンマイから世界へ野菜を輸出していきたいという理念と並行して、タイでのオーガニック栽培の証明書だけでなく日本、アメリカ、EUでの証明取得も念頭に置いていることから本格的に海外進出を目指していることを感じられました。

 



 タイは農業大国として有名ですが、現状問題として質より量という概念がまだ根強く残っていることや農場の施設や収穫までにかかる費用の関係上、農場全体を有機栽培に踏み出す農家は全体の10%にも満たないのではないかとのことでした。今回訪問したモンキーファームさんは4年という短期間ですでにオーガニックファームとして確立し、海外への輸出にも成功した躍進力あふれる有機農場です。おそらく他の農場で同様のことを始めたとしても事業として成功する確率は未だに高くはないと思います。

 またチェンマイ市内のスーパーにてモンキーファームの有機野菜として大々的に店頭に並ぶ機会は少なく、各店舗において各々のスーパーに合わせたパッケージをされた状態で店頭に並ぶことから消費者が有機野菜を見分ける手段が確立されていないことや、モンキーファームとしてのブランド力がまだ消費者の間で認知されていないという問題も見られました。しかし、タイ人の一部における食に対する健康志向や安全性を求める消費者の意識の変化が生産者と販売者にも大きな影響を与えていることは間違いないと今回の訪問で実感しました。今でこそ日本においても農薬を使わない有機栽培にこだわった生産者が少しずつ拡大している現状にあり、その背景には日本人の少し単価が高くても質の高い、安全な野菜や果物を求める意識の変化や「国内産」という日本で生産されたものを買う、消費者の強いこだわりが影響を与えていることがわかります。 オーガニック野菜に対する認知が消費者の間で少しずつ広がることで、モンキーファームのような「消費者へ安全な野菜を届けたい」というまっすぐな思い持った生産者がタイ全土へと拡大することへの可能性、そしてこれからのタイの有機栽培農業の未来へ期待を感じさせる訪問となりました。

【チェンマイ取材同行の全体感想】
 今回チェンマイ取材に同行させていただき、感じたことは「地方から世界へと発信する、人が持つ影響力の可能性」です。バーンロムサイでは名取代表を始めとする日本人スタッフやタイ人のスタッフの方々が HIV感染孤児に対する周辺住民の意識を変えていく様子をお話から伺うことができました。設立当初 HIV感染孤児に対する偏見や見知らぬ日本人が運営しているということも影響し、周辺住民はバーンロムサイに近づこうともしなかったそうです。その現状を打破するために名取代表や施設のスタッフの方々は少しずつ時間をかけて HIV感染やエイズに対する周辺住民の知識や意識を変えていきました。今では地元の子どもたちと施設の子どもたちが合同でサッカーチームを作りスポーツによる交流を行うほど住民の理解や信頼を築かれております。日本人が中心となって孤児施設からその村の周辺住民の意識を変え、そこからチェンマイ市内、タイ全土へと支援の輪は広がり、そして世界へと国籍を超えた活動としてバーンロムサイは現在スタッフの方々が積み重ねてきた苦労の歴史と地元の地域住民と共に子どもたちが社会へ出るための支援を行っています。国籍の垣根を越えた、人と人のつながりがもたらす他者へ与える影響力とその底力をタイの小さな地域で見ることができました。

 またモンキーファームでは普段観光客は来ないということもあり、自分の知らないタイ、チェンマイの現状に触れることができました。ナイトクラブから有機農場へと転職した社長さんの姿からはこれからのモンキーファームが躍進を続けるための原動力と、チェンマイ市内やタイだけでなく世界へ事業展開することで多くの消費者に安全で美味しい野菜を提供したいという社長の熱い思いを感じることができます。その社長さんの思いは会談の中で自社の特徴や企業方針について自信を持って西田代表に語る副社長の姿を始め、農場を案内していただいた従業員の方が笑顔で誇りを持って自社の野菜を説明する様子から伝わってきます。チェンマイから外の世界へ安全な野菜を消費者に届けたいという地方の農場の熱意とタイの地方から世界のマーケットへ挑戦する取り組みはこれからタイ国内に留まらず、多くの消費者に大きな影響を与えることでしょう。

 以上が私の北部チェンマイ取材での同行レポートなります。文章としてまだ読み手の皆さんに伝わりやすい言葉の表現力や文章構成がなっていないことを実感しております。そんななか、最後までレポートを読んでいただきありがとうございました!2月のJapan Expo in Thailand 2016まで2か月、そしてカセサート大学での留学も日々充実したものとなるよう自分と向き合いながら残りの留学生活を他者のため、社会のため、そして沢山のことを学び、経験し、自分を成長させるものとして毎日精進していきたいと思っております。今後ともよろしくお願い致します!

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現在、年明け1/6から出発する最後の南部編の取材に向けて、
タイ大使館農務担当官事務所のみなさまと訪問先の調整を進めています。

春までは気が抜けない状況なので、いまはこの状況を楽しむとします。
さくらの咲く頃に祝杯をあげたいものです。
では、ひきつづき応援よろしくお願いいたします!
頑張ってます。

特定非営利活動法人Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN
代表理事 西田誠治

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