「竹チップで子どもたちにカブトムシに触れる体験を。」終了報告
桜前線の北上に伴い、日差しの穏やかな日も増え、ここそこに春の訪れをはっきりと感じるようになりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
皆様からの温かいご支援で始まった本プロジェクト(「竹チップで子どもたちにカブトムシに触れる体験を。」)ですが、この三月をもって、予定していた事業をすべて無事に終えることができました。
振り返れば、2022年度も新型コロナウィルスの感染状況は一進一退が続き、困難も多々ありましたが、皆様のご協力やご理解により、止まることなく本プロジェクトを進めることができました。開催しましたどのイベントにも、多数の子どもたちや地域の皆様、また本学の学生や教職員にご参加いただき、笑顔と活気にあふれる「子どもキャンパス」を実現することができました。
そうしたイベントを通じ、ご参加の皆様に少しでも得るところがあれば幸甚に存じます。特に、参加してくれた子どもたちが、少しでもカブトムシを身近に感じ、生き物や自然への愛情や興味を深めることができていればと思います。また、地域の皆様におかれましては、そんな子どもたちの姿をご覧いただく中で、普段は見せない逞しさや真剣な表情を発見して頂けていれば望外の喜びです。
一方、本学の学生は、イベントのサポートや竹林整備を通して地域の生態系を維持することへの関心を高め、自らの教育観をより豊かにすることができたようです。私たち教職員は、こうした様子を拝見しながら、皆様の御期待と御支援の大きさを絶えず感じる一年となりました。本プロジェクトに関わってくださった皆様にあらためて心より御礼申し上げます。
次年度以降も「愛知教育大学未来共創プラン」の戦略1「子どもキャンパスプロジェクト」の様々な活動を通して、子どもたちにカブトムシやクワガタを通して生き物の素晴らしさを体感してもらったり、放置竹林を活用することで地域の生態系の維持に努めたり、教職や教育支援職になろうとしている学生に子どもたちとふれあう貴重な経験をしてもらえるよう努めたいと思います。そして、野田敦敬学長が掲げる「子どもの声が聞こえるキャンパス」、「地域に頼られる大学」として本学が一層社会に貢献できる大学になるよう努力していければと思います。
引き続きご支援賜りますようよろしくお願い申し上げます。
愛知教育大学副学長(学生支援・国際交流・未来共創担当)
小塚良孝
「愛知教育大学未来共創プラン」戦略1「子どもキャンパスプロジェクト」ホームページ
https://www.aichi-edu.ac.jp/cocreate/senryaku1/
【2022年度活動報告】
・6月2日(木)、3日(金)
刈谷市内の10幼児園・保育園にカブトムシの幼虫を配布しました。子どもたちはプランターが運び込まれると「何の土だろう?」「これなぁに?」と興味を示し,プランターの中からカブトムシの幼虫を見つけると,大喜びで幼虫に触れ,手に乗せたり動きを観察したりしました。野田敦敬学長も同行し、好奇心旺盛な子どもたちに囲まれて思わず笑顔になりました。
・6月29日(水)
キャンパス内で第1回竹林整備体験会を開催し教職員・学生あわせて17名が参加しました。当日はとても暑い日でしたが、適宜水分や休憩を取り、和気あいあいと楽しく竹林の整備を行いました。参加した学生からは「普段できない貴重な体験ができた」「体験後に流しそうめんなど、みんなで楽しめることがあるとより良いのでは」などの意見があり、とても学びが多いイベントとなりました。
・8月9日(火)
体験イベント「カブトムシのつかまえかたおしえます!」を開催しました。近隣の子どもたちとその保護者13名、学生ボランティア7名の合計20名が参加しました。教員や学生が見守る中、子どもたちはたくさんのカブトムシを見つけることができ大興奮の様子でした。子どもたちは捕まえたカブトムシを保護者や学生に見せ、ニコニコしながら自分たちの虫かごにカブトムシを入れていました。
・11月20日(日)
第2回「あつまれ!子どもキャンパスin愛知教育大学」を開催し、複数あるプログラムの一つとして「竹チップでカブトムシを育てよう!~冬の幼虫探し~」を実施しました。近隣の子どもたち9名と学生ボランティア7名の合計16名が参加しました。昨年度に引き続き2回目のイベントとなりましたが、参加した子どもたちからは「幼虫の動きがおもしろかった。元気な幼虫だった」などの感想が寄せられました。
・12月21日(水)
第2回竹林整備体験会を実施しました。日中でも肌寒さを感じる日でしたが、体を動かすうちに寒さを忘れ、熱中しながら竹林整備に取り組みました。その後、伐採した竹を利用してバンブーランタンの制作を行いました。参加者は竹を加工しやすい大きさに切り出し、刳子錐や電動ドリルなどの道具を用いて表面に穴を開け、思い思いのバンブーランタンを作り、池の周囲に飾りつけました。伐採した竹の有効利用について考える良い機会となりました。
・2023年2月17日(金)
4月以降に刈谷市内の幼児園・保育園に配布するカブトムシの幼虫を掘るイベントを開催しました。厳しい寒さの中での作業でしたが、作業後に自然観察実習園で採れた餅米を使って五平餅を作るなど、子どもたちの笑顔を思い浮かべながら自然を感じるイベントとなりました。
・2023年3月
本学発行の学術雑誌『自然観察実習園実習園報告』に「自然観察実習園内チップ集積場等に出現したカブトムシ幼虫を用いて開催した児童向け観察会の方法」というタイトルでこれまでの活動報告が行われました。4月以降に本学学術情報リポジトリにてオンラインで公開されますのでご関心のある方はぜひご覧ください。
愛知教育大学学術情報リポジトリホームページ
https://aue.repo.nii.ac.jp/
【収支報告】
子ども用飼育セット購入費:418,054円
竹チッパーの点検整備及び替え刃購入費:432,091円
竹林整備用のこぎり等購入費:77,773円
体験イベント用虫眼鏡等購入費:59,072円
体験イベント保険料:1,190円
返礼品郵送料:11,420円
システム利用手数料130,900円
管理運営費:59,500円
合計:1,190,000円