
支援総額
目標金額 12,000,000円
- 支援者
- 874人
- 募集終了日
- 2025年2月20日
「空母イントレピッド博物館」へのコルセア戦闘機のファイナルフライト・・・【本章第二章】
このお話は【「空母イントレピッド博物館」へのコルセア戦闘機のファイナルフライト・・・本章】から続きます。
2014年秋に再び太平洋戦争国立博物館のあるフレデリックスバーグ市へ向かうこととなり、何とかコルセア戦闘機のエンジンをアメリカ側で引き取る算段を練ねろうということとなりました。博物館側の幹部と連絡を重ね、ワシントンの海軍へ問い合わせした結果「エンジンは、未だに米国海軍に所有権その及ぶところであり、その所有権に時効などはなく、よって許可なく勝手に持ち出すことも動かすこともまかりならない」驚くべき解答が返ってきました。

これには正直、当時の博物館スタッフも幹部も大きく落胆し、支援方法が思いつかないという結果になりました。しかし博物館の幹部も私も、このエンジンがもしアメリカに帰るとするならば、どこがいい?という話になると、「イズレイ少尉機が発艦した空母がイントレピットであり、その空母は今ニューヨークで博物館となっているのだからそこしかない!」と答えは最初から一致していました。
そこで事態打開のために博物館幹部の紹介で、空母イントレピット博物館幹部と合って話を進めることとなりました。早速、太平洋戦争国立博物館からイントレピット博物館へアポを取ってもらいK氏はニューヨークへ向かうこととなりました。

空母イントレピット博物館に到着したK氏は、民主党政権に今でも強力なコネクションを持つCEOのスーザンさんやその他の幹部と、艦内にある会議室でワシントンDCの海軍歴史遺産司令部と電話を繋いで、画期的な会議が開かれることとなりました。
その会議ですべてが順調に決まっていったかと言えば、実はそうではなく、ここからが大変だったのです。このコルセアのエンジンをイントレピット博物館へお返しするという交渉はとても複雑な法律やアメリカ行政府としてのメンツというものが幾重にも複雑に絡み合っていることだけが分かり、諦めムードと敗北感を抱えたまま第1回目の交渉を終えは帰国の途に着きました。
米国国防省海軍部所属の歴史遺産司令部は、米国内にある戦争遺産の維持と管理をつかさどっている役所です。法律的にも遺産管理の科学的な保存研究に関しても、優秀なスタッフを揃えています。K氏の日本帰国後も、継続的にやり取りをする中で、ワシントンは、いくつかのヒントを私たちに投げかけてくれました。それは、この法律があくまで行政法の一環であり、刑法や民法、商事慣習法に勝るものではないということで、当然、日本国内にある以上アメリカ政府関係者には当該法律の法の範疇が及ぶものの、日本人が日本の領土のなかで摘要される民法の解釈にまで影響するものではないと幾度のやり取りの中ではっきりしてきました。
これを受けて、ワシントンとイントレピット博物館の膝詰めの交渉が始まりました。この段階では、佐伯市もワシントンもイントレピット博物館もすべての人が、イントレピットから発艦したコルセアのエンジンをその搭乗員の魂ごと帰国と帰還を実現したいという気持ちがだんだん一つになっていくのを感じました。
しかし、私たちには最後にして最大の問題が残されていました。それはこのエンジンの輸送費用をだれが負担するかということです。佐伯市の市長秘書であった金田さんは、河野市議とともにこの問題を、市議会に図って予算を捻出するという活動を続けていましたが、残念ながら先の大戦に関する時代の歴史には、否定的な政治思想をお持ちの方が比較的多いこの街では、全く実現の目途の立たないお話でもありました。
こうなれば,国から何か予算をつけてくれないかと、河野市議と一緒に大分選出の国会議員である衛藤征四郎先生を尋ねることとなりました。しかし、国会議員会館での面談では「そのような予算を国から得られることはすぐには難しい」という結論となりました。九州から東京まで来て、諦めざる終えない状況に追い込まれようそうになった時、衛藤先生から「なんで、そんなに飛行機のエンジンを米国に返したいんだ?」と聞かれましたので、「戦争で止む無く佐伯湾に散った、若い搭乗員の魂は、きっと終戦から70周年の節目にこのエンジンと共に帰国したいと願っていると思います。この気持ちは、日米両国の関係者の思いでもあります」と答えました。
回答を聴いた衛藤先生は、大きく頷き、「分かった。おれも一肌脱ぐ」と一言。そして日本郵船でも大丈夫か?と聞かれましたので「もちろんです」と即答したところ、衛藤先生は日本郵船の会長とは親友だと言い出して、なんとその場で携帯電話を取り出して、日本郵船の会長に直談判してくれました。「こちらに予算はないけど、あんたのところで面倒をみてくれないか?」と。
会長から「方法は?」と聞かれて、衛藤先生が「一番早い方だ」と答えると「ならば飛行機だな」という話となり、なんとこの電話一本で、エンジンは飛行機で米国へ帰ることなったのです。まさに米国へのファイナルフライトへの道が拓けた瞬間でした!
後日、この話をワシントンに連絡をしたら、ワシントンのスタッフはそれはそれは喜んでくれ、最後の宿題として、その地域を担当する佐世保海軍司令に会って経緯をすべて直接説明して欲しいとのことでした。早速、佐世保基地へ赴き、司令と面談しました。司令はイズレイ少尉の魂がイントレピットへ帰るというストーリーに感銘を受けておられた様子で、「私の権限で出来ることは何でもする」と話をしてくれました。

2016年3月16日、米海軍の儀仗隊も駆けつける中、返還式典が行われました。式典には、米国福岡領事館、米軍佐世保基地、日本からは外務省など佐伯市の小さな街に集まり、街始まって以来という大きな式典となったようです。
出発式典が無事終了するとエンジンは、日本郵船の輸出申告手続きを終え、ニューヨークへ旅だっていきました。
私たち関係者は、この間ずっと「イズレイ少尉の魂と共にの帰国」話て来ましたが、実はそのお顔写真は一度も見たことはありませんでした。米国太平洋戦争国立博物館の元キューレーター、バーバラ氏が海軍省へ問い合わせをし続けた結果、返還式の前日なって、ついに写真が見つかったと連絡があり、その写真データーで送ってもらいました。
イズレイ少尉の魂と共に米国へ帰還したエンジンのその後の展開は【終章】にてお伝えしたいと思います。(続く・・・)
リターン
3,000円+システム利用料

感謝のメールコース|3,000円
●感謝のメールをお送りします
●米国からの里帰り経過を活動報告でおしらせします
- 申込数
- 321
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年4月
10,000円+システム利用料

修復の様子をお知らせコース|10,000円
●感謝のメールをお送りします
●米国からの里帰り経過を活動報告でおしらせします
●メールマガジンにて修復の様子を随時ご報告いたします
- 申込数
- 411
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年4月
3,000円+システム利用料

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