なぜゴミ問題を取り組むのか？

とうとうReadyforの期間も10日と終了間近になって参りました。ご支援、ご協力を頂きました皆様、誠にありがとうございます！引き続き、皆様のお力添え、何卒宜しくお願い申し上げます。

 

 

さて、本日ですが、「なぜゴミ問題なのか？」をバングラデシュの背景を交えながらご説明させて頂きます。

 

 

 

年々増える人口とゴミ排出量

 

バングラデシュは日本の約三分の一の面積に、日本よりも多い約1.5億人が住んでいます。人口密度も世界トップクラスです。また、人口増加も大きな問題となっています。バングラデシュ政府により人口調整の施策も進められていますが、引き続き高い人口増加率で推移しています。

 

 

（バングラデシュ人口増加のグラフ –ソース：世界銀行）

 

 

人口が増えると、当然ですがゴミ（廃棄物）も増えるのです。JICAの調べによると、首都ダッカの1日のゴミの排出量は2010年で3909トン、2012年に関しては4196トンとなっています。

 

 

廃棄物が増えるのも問題ですが、もっと大きな問題は、この廃棄物達は４〜5割程度しか回収をされておらず、他は不法に投棄されていると言われている現状です。

 

 

つまり、人口増加に伴いゴミの排出量が増えていくにも関わらず、それに伴う廃棄物処理のシステムが機能しているとは言えない状況なのです。首都ダッカでこの状況ですので、農村部では一切手つかずの地域がほとんです。

 

 

 

ポイ捨て当たり前の習慣！

 

バングラデシュで生活をしていると、必ず気付く事があります。それは、ゴミ箱を使う文化がなく、ゴミのポイ捨てが当たり前となっていることです。

 

 

タバコの吸い殻ポイ捨てなんて当たり前で、不必要になったものなら、そこら中へポイっと捨てしまいます。その背景には、もちろんゴミ箱の設置が少ないというのもありますが、ゴミをポイ捨てするのが「当たり前の習慣」となっているからだと思います。

 

 

日本へ訪れた事のあるバングラデシュ人の方から、「何故日本はあんなに綺麗なのか？ なぜ君はゴミをポイ捨てしないのか？ 」と質問をぶつけられた事があります。その場で、質問の答を考え込んでしまいました。

 

 

皆さんならなんと答えるでしょうか？

 

教育のおかげでしょうか？
道徳心でしょうか？
それとも美しい街にしたいからでしょうか？

 

 

一概な答えは無いとは思いますが、日本でポイ捨てをする人が少ないのは「当たり前の習慣であり背景に教育がある」からだと思います。多くの学校では生徒が掃除をする習慣があります。自治体でも市民清掃デーを実施しています。街の至る所に「ポイ捨て禁止！」と張り紙を見かけます。

 

 

ゴミ問題のひとつ、ポイ捨ての習慣を変えるのは容易ではありません。長い時間をかけて、その地域や学校、また人々の価値観や習慣を変える仕組みは決して簡単ではありません。

 

本プロジェクトの目標は「農村の学校を1年綺麗にしたい」ではありません。教育や習慣を根付かせて、農村学校自身がその後も継続をしてもらうよう促進を行いたいです！

 

また、農村部の廃棄物処理は政府からも放置されています。ガイドラインも無ければ、補助金なども一切ありません。

 

このままでは、ゴミが堆積して水質・土壌汚染、また不衛生な環境による病気などの健康被害が増えるリスクが非常に高いです。

 

そんな想いを抱きながらプロジェクトを進めています！
引き続き、ご支援・ご協力のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。

 

2013年6月19日 Dhaka / Bangladesh