遺伝性乳がんの“発症前”に寄り添う、検診と予防治療の臨床研究継続へ

遺伝性乳がんの“発症前”に寄り添う、検診と予防治療の臨床研究継続へ

寄付総額

54,255,000

目標金額 15,000,000円

寄付者
530人
募集終了日
2024年4月12日

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プロジェクト本文

 

第三目標達成の御礼と第四目標金額について

 

お陰様でクラウドファンディングは、締め切りまで11日間を残し、当初計画した最終目標の4500万円を達成することができました。ご寄付いただいた皆様、本当に有り難うございます。

 

これまでいただいたご意見から、まだまだお住まいの地域によって遺伝性乳癌に対する診療体制が十分整っていないことが再認識されました。私たちは、医療情報システムを活用することで、この問題の解決と国際共同研究への参画にも取り組んでいきたいと考え、本クラウドファンディングの第四目標を設定することといたします。

 

<資金使途概要>
第四目標金額:5,000万円(第三目標金額+500万円)

・医療情報システムを活用しながら国内の多施設を研究拠点とし、「全国的に」遺伝性乳がんの検診や予防治療を進める基盤づくり・課題解決へ向かうための費用
・クラウドファンディング手数料 など

 

残りの期間はわずかとなりますが、お志をいただければ、上記のように各地の研究拠点・診療拠点を増やしていくことに活用させていただきます。引き続きご寄付のほどよろしくお願い申し上げます。

 

2024年4月1日 追記
昭和大学医学部外科学講座乳腺外科学部門 特任教授
中村 清吾

 

 

はじめに

 

乳がんの患者様は年々増加しており、日本では、1年間に約9万人※1の方が新たに乳がんを発症しており、このうち7〜10%※2は、遺伝が大きく関係している「遺伝性乳がん」といわれています。

 

これまでに、一般社団法人 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)から発出されてきたさまざまな日本人の遺伝性乳がんに関するデータがもととなり、2020年4月には、乳がん、あるいは卵巣がんの既発症の方に「リスク低減卵管卵巣摘出術」、「対側リスク低減乳房切除術」、「年1回の術後乳房MRI検診」等が保険適用となりました。

 

そこで次は、「遺伝子変異(バリアント)があるがん未発症の方」の「乳房MRI」の費用を保険適用にすることを目指しています。

 

バリアントを持つ方は、乳がんや卵巣がんの発症率が通常よりも高くなる可能性があるため定期的な検診が重要ですが、高額な費用負担が発生してしまいます。そのため、中には検診や予防治療を諦めてしまう方がいらっしゃいます。

 

そこで、本プロジェクトではバリアントが確認された乳がん未発症の方に対する「乳房MRI」の一部補助及び、乳がんの再発予防に用いられる抗エストロゲン剤(タモキシフェン)を低用量で服用していただき、その発症予防効果をみる試験を今後も継続していくための資金を皆様からご寄付いただきたいと考えています。

 

遺伝性乳がんの”発症前”から寄り添い、一人でも多くの方が安心して毎日を過ごせるように。皆様からのご寄付をよろしくお願いいたします。

 


 

日本における「遺伝性乳がん」

 

|遺伝性乳がんとは

 

乳がんの患者様は年々増加しており、日本では、1年間に約9万人※1の方が新たに乳がんを発症しています。

 

このうち7〜10%※2は、遺伝が大きく関係している「遺伝性乳がん」といわれています。なかでも、そのうちの58%※3を占めているのが「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)」と呼ばれる遺伝性のがんです。HBOCでは、「BRCA1」または「BRCA2」という遺伝子に「病的な変異(バリアント)」がみられます。
(HBOC:Hereditary Breast and Ovarian Cancer)

 

乳がん患者様ご本人の親・兄弟姉妹・子供は、二分の一の確率で遺伝性乳がんを発症する可能性が高いバリアントを持っています。また、両親の祖父母、叔父叔母、孫は、四分の一の確率で、同じバリアントを持っています(※4)。このバリアントが確認された場合、一般の方に比べて、10倍以上の確率で乳がんを発症しやすくなることがわかっています。

 

 

※1:明石定子. 日本医事新報. 2016; 4817: 3.
※2:Kauff ND. Management of BRCA-Negative Hereditary Breast Cancer Families. Hereditary Breast Cancer. Isaacs C. CRC Press, New York, 2007; 311-318.
※3:Tung N, et al. J Clin Oncol. 2016; 34(13): 1460-1468.

※4:日本乳癌学会(編) 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2019年版

 

|遺伝性乳がん研究のこれまで

 

ここ数年で、日本国内における遺伝性乳がんの認知度は徐々に高くなってきました。

 

しかし、私が米国でがん専門病院として名高いテキサス州にあるMDがんセンターに留学していた1997年、すでに当時のMDアンダーソンがんセンターでは、遺伝性乳がんについて患者さんとそのご家族に十分な情報を与え、落ち着いた環境の中で時間を気にせず遺伝カウンセリングが行える場がありました。


留学からの帰国後、同様のシステムを日本で導入しようと試みましたが、2000年代初頭の日本では、「遺伝性」という言葉を用いることができず、「家族性乳がんクリニック」という形でクリニックを立ち上げました。一般診療と別の場所に設置し、電子カルテとは別の紙カルテで、鍵のかかる収納庫に保管するという制限があり、医療者であっても遺伝に関する情報の共有ができないという状況でした。

 

 

このままでは欧米で急速に進んだ遺伝医療に取り残されると思い、日本乳癌学会の中に、日本における遺伝性乳がんの実態調査を行うための班研究を立ち上げました。そして、日本人の中にも、欧米で報告されているような頻度で遺伝性乳がんが存在することを報告しました。

 

班研究は2年間という期間が限られたものでしたが、データベースの構築作業を続けるために、日本乳癌学会の他に、日本人類遺伝学会、日本産婦人科学会にお声がけし、一般社団法人「日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構」を立ち上げました。

 

この社団法人から発出されてきたさまざまな日本人の遺伝性乳がんに関するデータがもととなり、2020年4月から乳がん、あるいは卵巣がんの既発症の方に「リスク低減卵管卵巣摘出術」、「対側リスク低減乳房切除術」、「年1回の術後乳房MRI検診」等が保険適用となりました。

 

ここ数年で、日本における遺伝性乳がんの研究やその治療法は大きく変化をしています。

 

 

「遺伝性乳がん」の早期発見・治療

 

|なぜ今取り組みを進めるべきなのか

 

私たちは次のステップとして、「バリアントを持っているがん未発症の方」の検診や予防治療の保険適用を目指してまいります。

 

前述した通り、バリアントを持つ方は、乳がんや卵巣がんの発症率が通常よりも高くなる可能性があります。そのため、定期的な検診が重要です。また、ご希望される場合は予防的乳房切除を実施ができることが大事です。

 

 

多くの方がご存知のように、一般の乳がん検診では、40歳から2年に1回の「乳房マンモグラフィ検診」が推奨されており、各自治体が独自の検診プログラムを提供しています。

 

一方で、親から遺伝性乳がんの原因遺伝子のバリアントを受け継いだお子さんは、一般の方に比べて10〜15歳ほど若くして乳がんを発症する可能性が高くなります。したがって、25歳から画像による検診が勧められています。

 

しかし、40歳未満の若い方は脂肪が少なく、乳腺の密度が高いため、マンモグラフィでは高濃度乳房(乳房全体が白く映ること)によって、小さなしこりの影が見落とされてしまう可能性があるのです。そこで、欧米では、小さなしこりでも映し出すことができる「乳房MRI」が勧められています(※6)

 

※6:日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構、遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)診療ガイドライン2021年版

 

乳房MRI検診で発見された4mmトリプルネガティブ非浸潤がん
(右はMRガイド下生検施行時)

 

しかしながら、現時点でこの検診を受診する場合は、とても高額な費用がかかってしまいます。また、予防的乳房切除をご希望する場合は、さらに大きな費用負担が発生してしまいます。

 

中には、費用が原因で検診や治療を諦めてしまう方がいらっしゃいます。

 

救える命を増やしていきたい。遺伝性乳がんにおける大きな変化の流れがきている今だからこそ、今回のプロジェクトの立ち上げに踏み切りました。

 

 

|今回の研究内容について

 

5年ほど前から、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの研究助成をいただいて、乳がん未発症の方に対する「乳房MRI」の補助(1回あたり約35,000円)及び、乳がんの再発予防に用いられる抗エストロゲン剤(タモキシフェン)を低用量で服用していただき、その発症予防効果をみる試験を立案しました。

 


試験期間は、2020年4月から2023年3月末までの3年間でした。しかし、ちょうど新型コロナウイルス感染症の流行時期と重なり、試験計画を承認いただく研究倫理委員会は約6か月開催されず、病気を有さない家人の来院も制限されました。したがって、目標症例の約三分の一の方のご協力が得られるにとどまりました。

 

私たちは、バリアントが確認された乳がん未発症の方の乳房MRIの保険適用を目指し、本研究を完遂するべくクラウドファンディングへの挑戦を決意いたしました。

 

プロジェクトの概要

BRCA2変異陽性が確認された乳がん未発症の女性(20〜70歳)を対象に、タモキシフェンの乳がん発症予防効果と安全性評価を行うため、目標症例数210例に対して、残り150例の登録を目指して研究を継続します。

 

目標金額

第一目標金額:1,500万円
・乳がん未発症の方に対する「乳房MRI」の一部補助費(1回あたり約25,000円)

・クラウドファンディング手数料 など
 

第二目標金額:3,000万円(第一目標金額+1,500万円)

・「乳房MRI」、「リキッドバイオプシー」による早期乳がん発見の有用性の検討に必要な症例数200症例登録に向けて必要な血液解析費用
・臨床試験実施にかかる諸費用(国内の多施設を研究拠点として継続するための費用を含む)

・クラウドファンディング手数料 など

 

なお、クラウドファンディング期間中に上記の第二目標金額を超えてご寄付を賜りました場合には、同じく遺伝性乳がんを対象として現在も進行中のリトアニアとの共同研究(BRCA1/2以外の関連遺伝子についての解析および比較検討)の継続・拡充に活用させていただく予定です。

 

第三目標金額:4,500万円(第二目標金額+1,500万円)
・遺伝性乳がん関連遺伝子27項目の測定費用

・クラウドファンディング手数料 など

 

 

研究スケジュール

2024年〜2029年3月までの5年間を想定しています。

 

 

 

今後のビジョン

 

遺伝子バリアントを保持していることで不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、発症するリスクがあるということがわかっていれば、検診や予防治療で少しでも発症リスクを減らしていくこともできます。

 

遺伝性乳癌の可能性がある遺伝子バリアント(変異)を保持している方に早期乳癌発見のための乳房MRI検査を補助し、新しい検診手法の開発を行ってまいります。

 

少しでも不安なく日々が過ごせるように、皆様からのあたたかいご寄付をどうぞよろしくお願いいたします。

 

中村 清吾

昭和大学医学部外科学講座乳腺外科学部門 特任教授
昭和大学臨床ゲノム研究所 所長

 

 

遺伝性乳癌の可能性がある遺伝子バリアント(変異)を保持している方に早期乳癌発見のための乳房MRI検査を補助し、新しい検診手法の開発を行います。

 

 

免責事項

※遺伝子変異が確認された場合でも生涯乳がんを発症されない方もいらっしゃいます。遺伝学的検査や治療方針については、主治医や医療スタッフ、遺伝カウンセラーにご相談ください。

※がんとがん治療は、個々の患者さんで全く事情が違うものです。ご自身の治療相談は主治医と相談の上決定してください。

 

プロジェクトの留意事項

・ご寄附の前に、利用規約を必ずご一読ください。
・ご寄附確定後(目標金額達成後)の返金やキャンセルは、ご対応致しかねますので、何卒ご了承ください。
・ご寄附完了後のお届け先の変更はできません、お間違いのないようご注意ください。
・ご寄附完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合がございます。あらかじめご承知おきください。
・ご寄附に関するご質問はこちらをご覧ください。

・本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関するギフトの条件詳細については、こちらのページの「●命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。

 

税制上の優遇措置について

昭和大学に対する寄附は、学校法人への寄附として税制上の優遇措置が講じられています。そのため、今回のクラウドファンディングでのご寄附も税制上の優遇になります。詳しくは以下のサイトをご覧くださいませ。

 

https://www.showa-u.ac.jp/about_us/support/exemption.html

 

領収書の発行日はREADYFOR株式会社から昭和大学に入金される6月の日付となり、2024年7月末までに郵送させていただきます。

プロジェクト実行責任者:
中村清吾(昭和大学病院ブレストセンター)
プロジェクト実施完了日:
2029年3月31日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

BRCA2変異陽性が確認された乳がん未発症の女性(20〜70歳)を対象に、タモキシフェンの乳がん発症予防効果と安全性評価を行うための研究のうち、乳がん未発症の方に対する「乳房MRI」の一部補助費(1回あたり約25,000円)、クラウドファンディング手数料 など

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5,000+システム利用料


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5,000円コース

・寄付金領収書
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1万円コース

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3万円コース

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30万円コース

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