JAXA 「身近な宇宙開発」の実現へ。サポートクルー募集開始。
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寄付総額

4,655,000

目標金額 4,500,000円

寄付者
344人
募集終了日
2019年4月26日

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2019年03月20日 17:13

【インタビュー動画を掲載しました!】開発担当者インタビュー

皆さんこんにちは。国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)研究開発部門です。

本日は、ワイヤレス電力伝送技術の担当者である、研究開発部門第一研究ユニットの嶋田修平研究開発員のインタビューをご紹介します。

▼インタビュー動画を掲載しました(3/28)。

 

――まず、現在担当されている研究をおしえてください

今回のクラウドファンディングの対象となっているワイヤレス電力伝送技術の研究開発のほか、小型衛星や探査機に、地上の小型電池を活用するための研究開発に携わっています。

 

――改めて「ワイヤレス化技術」とは何か、教えてください

よりコンパクトで軽量、かつ高い信頼性を有する宇宙機を実現するため、宇宙機の通信や電力伝送用のハーネスをワイヤレス(無線)化する技術です。

私はその中で、電力伝送のワイヤレス化(ワイヤレス電力伝送技術)を担当しています。

 

――ワイヤレス電力伝送技術を宇宙に適用する際の技術のポイントはどこにあるのでしょうか

地上でもワイヤレス電力伝送技術が実用化されていますが、宇宙機への適用を考える場合、「小型軽量化」「高効率化(排熱対策)」「電磁界放射対策」などの課題をクリアする必要があります。

 

我々のチームでは、伝送効率が高く小型軽量化も可能な「磁界共鳴方式」を研究しています。これはスマートフォンや電動歯ブラシに利用されている電磁誘導方式に共振用のコンデンサを加えたもので、位置ずれに強く、大電力化、高効率化を図った方式です。大型設備が不要で小型軽量化が可能です。

 

宇宙機の内部には電力や通信、姿勢制御など衛星の基本的な機能を担う「バス機器」、通信や地球観測、科学データの収集など衛星のミッションのための「ミッション機器」など様々な機器が詰まっています。これらバス機器、ミッション機器及び宇宙機壁面は金属で構成されていて、ワイヤレス電力伝送で利用する磁界が金属を貫くと伝送効率が低下し、効率低下分は熱に変換されます(IHヒーターと同様の原理)。

 

また、磁界はノイズ源にもなるので、それがバス機器やミッション機器へ影響を与えないようにする必要があります。金属による影響を最小限にして、ほかの機器に影響を及ぼさず、いかに小型で効率よく電力を伝送するか。ここに技術的な難しさがあります。

 ©JAXA

研究中のインバータ/送受電コイル/整流回路 

各部の効率で世界最高レベルを狙う(6.78MHz帯)

  

――現在は衛星内の機器の間はすべて有線でつながっているのですよね。

今は有線で電力や通信を行っています。しかし、有線の場合、ハーネスの設計や製造に時間を要するうえ、断線や接触不良、放電などのリスクもあります。ワイヤレスにすることでこれらの危険性を排除でき、信頼性、安全性向上につながると考えています。

 

しかし、一度打ち上げると故障した機器の修理や交換の難しい宇宙機では、宇宙での使用実績が非常に重視されます。ワイヤレス技術はかねてよりメリットが大きいといわれながらも、新しい技術で宇宙での実績がないことからなかなか実用に踏み切れていません。

宇宙機の技術を刷新するためにも、今回のクラウドファンディングによるご支援で、世界初のワイヤレス電力伝送技術の宇宙実証を目指していきたいと考えています。

 

――今回Int-Ballへの搭載を目指しているとのことですが、Int-Ballへ適用する場合の難しさや工夫点について教えてください

Int-ballはとても小さく、使用可能なスペースが限られているため、従来の平型コイルでなく、壁面に沿うように立体状にコイルを設計する必要があります。

さらにInt-ball壁面には吸気/排気用のスリットがあるのですが、壁面に沿わせたコイルとスリット部分が重なってしまっては吸気/排気の邪魔になってしまうので、スリット部と重ならないようにコイルを湾曲させつつ、電気特性をコントロールするなどの工夫が必要となります。

 

一方でInt-Ballは、宇宙飛行士のそばにいますので、何か不具合等があった場合にも多くの情報を得ることができます。また開発、製造、打ち上げまでプロセスが短期間で進んでいきますので、実証実験の場としては最適だと考えています。

 

 ©JAXA

Int-Ballでの技術実証イメージ

 

――これまで研究をされてきた中で、最もやりがいを感じたことは何ですか

ひとつは、宇宙ステーション補給機「こうのとり」の運用に携ったことです。運用に携わることで、バッテリや電源回路が宇宙機でどのように使用されるか、実感を伴って経験でき、とても楽しく、やりがいを感じました。

 

ふたつ目はワイヤレス電力伝送の研究を行っていることです。JAXAでは、自由な発想で研究テーマを提案できる制度があります。今回の磁界共鳴を利用したワイヤレス電力伝送の研究は、この仕組みのなかで、芽だし研究の一つとして私が提案したのが始まりです。

その後ワイヤレスの通信をやっている方とも一緒に協力してワイヤレス化の研究を進めることになりました。JAXAには、若手でも、「こういう研究がやってみたい」と声を上げれば、その研究を自由にやらせてくれる土壌がありますので、それが大きなモチベーションにつながっています。

 

――嶋田さんの「夢」を教えてください

今回のワイヤレス電力伝送技術は、立ち上げからずっと関わっているので、まずは「世界で初めて宇宙機でのワイヤレス電力伝送技術を実証する」ことが私の夢です。

 

また、将来は、月面の洞窟探査や基地建設等にかかわっていきたいと考えています。重力の小さい月面に基地を作ることで、地球の重力を振り切るために大量の燃料が必要であった大型ロケットが不要になり、火星やほかの天体へ簡単に行けるようになり、月が宇宙への玄関口になる・・・ということを夢見ています。

 

――今回のクラウドファンディングでは多くの方にご支援いただいています。最後にご支援者の皆様にメッセージをお願いします

多くの方にご支援いただき、一つ一つのコメントを読ませていただいて、責任を感じるとともに大変ありがたく思っています。

 

通信も含め、宇宙機のワイヤレス化の研究は進んでいて、あと一歩というところまできています。宇宙機のワイヤレス化をうまく波に乗せるためにもっとも重要なのは、宇宙実証という「実績」です。今回のクラウドファンディングでいただいた資金を大切に活用させていただき研究開発を進め、世界初となる宇宙機でのワイヤレス電力伝送技術の実証を目指します。

 

Int-Ballでワイヤレス電力伝送技術を実証できれば、大きな第一歩となります。そこで得た知見等を踏まえたうえで人工衛星や探査機等にも応用していきたいと考えています。

 

例えばワイヤレス電力伝送技術を応用して月面探査機を高断熱化しより少ない電力で月面での越夜を実現できるようになる可能性があります。また、探査機本体が掃除ロボットのように給電ステーションに戻ってきて充電を行う案もあります。

 

将来は通信も含めたワイヤレス化技術をロボットアーム、ランデブードッキングなどの各種技術と組み合わせることで、軌道上で宇宙機の機器を交換したり、機能拡張のための機器を取り付けたりするなど、新たな可能性も広がってくると考えています。

 

世界初となる宇宙機でのワイヤレス電力伝送技術の実現に向け、ぜひご協力をよろしくお願いいたします。

 ©JAXA

研究開発部門第一研究ユニット 嶋田 修平 研究開発員

宇宙デブリを題材とした漫画「プラネテス」を読んだことをきっかけに宇宙を志す。

大学では電気工学を学び、大学院では太陽電池の研究を行い、2009年にJAXAに入社。

以来、一貫して宇宙機の電源に関する研究開発に従事している。

ギフト

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お気持ちコース

■ お礼のメール

■ ワイヤレス電力伝送技術レポート(PDF)
 
■JAXA HPにお名前掲載(希望者)

■受領書

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【“身近な宇宙開発”の実現へ】応援コース

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・JAXA HPにお名前掲載(希望者)

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申込数
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