開始のご挨拶｜宇宙科学研究所 副所長 藤本正樹

 

 

JAXA宇宙科学研究所副所長の藤本です。

 

先週は、「はやぶさ２」サンプル帰還カプセルの着陸地であったオーストラリアに出張していました。豪州の関係者の皆様、在オーストラリア日本大使館の皆様に、「はやぶさ２」におけるご協力への御礼を述べること、火星の衛星フォボスからサンプルを持ち帰る、火星衛星探査計画（MMX）においてのご協力もお願いするためでした。

 

その最中の8月５日、フレンドレイジング（仲間作り）をコンセプトとする本クラウドファンディングを開始しました。4日目にして達成率30%を超えるところまできており、多くの方々から早々にご支援いただきましたことを感謝いたします。また、ご支援いただいた多くの方々から応援コメントも同時にいただいています。フレンドレイジングがコンセプトであること、今後の「交流」活動の展開においては参加型の要素も取り入れ、フレンズ（仲間）からのご意見とご協力も反映させていただこうと考えていることから、これは大変嬉しいことです。一つ一つ拝見し、順次お返事を差し上げます。

 

オーストラリア出張であらためて感じたのは、オーストラリアの方々のご理解がない限り「はやぶさ２」は実行することはできなかったということです。何しろ、他所の国に、宇宙からモノを落として（輸入して）、それを開封して中身が何かを見せることなく（秘密だから、ではなく、開けてしまうと地球物質で汚染されてしまうから、なのですが）、すぐに日本に輸出させてくれ、という話。オーストラリアの方々に「良いミッションだからやりなよ」と言っていただけたことは、ものすごく有難く思うべきことだと考えます。

 

日本の皆様からもミッション期間を通じて大きな応援をいただきました。難しい判断を迫られた時には、諦めて安易な方向に流れることなく、より強い方策を考え抜くことを支えていただいたと思います。今後ともより強く応援していただくためには、より深く、現場の人間が感じているワクワクを共有していきたい。そのための新しい“交流のかたち”を探るべく、このクラウドファンディングを立ち上げました。

 

JAXAはお堅いイメージがどうしてもあるのですが、そのままでは皆様がピンとくる「交流」を生み出していけるとは思えません。その殻を破るべくクラウドファンディングという手法を駆使し、同時に、フレンズ作りも行う。フレンズからの意見も反映させながら、宇宙科学・探査のワクワク感をしっかり共有していく仕組みを作ります。

 

応援よろしくお願いいたします！