安井浩美さん寄稿「タリバン政権下だからこそ女子教育の支援を。将来を担う子どもたちのために」

 

本プロジェクトも、残すところあと2週間となりました。現時点で、本プロジェクトには130人を超える方々に参加いただいております。

 

今回、ジャーナリストの安井浩美さんから、アフガニスタンの今と女子教育の重要性を伝えていただきました。安井さんは、2001年のアメリカ同時多発テロをきっかけにアフガニスタンに入り、現在、共同通信社のカブール支局で通信員として働いていらっしゃいます。また、女性の生活支援のために立ち上げた会社「シルクロード・バーミヤン・ハンディクラフト」の代表も務めていらっしゃいます。

 

 

「タリバン政権下だからこそ女子教育の支援を。

将来を担う子どもたちのために」

 

アフガニスタンの首都カブール郊外には、男子も含め子どもたちを学校に通わせる習慣のない地区がある。まさかいまだにそんな地区が、それも首都カブールのある地区にあること自体に驚いた。そこは、タリバンとの戦闘で故郷を追われカブールに流れ着いた人々が暮らす地区だった。

 

　タリバン政権以降、国内の貧困は９割にも達したと言われる状況下、タリバンは女性の就労を一時禁止した。そのために貧困が蔓延するこの地区も、国際ＮＧＯの女性栄養管理士が栄養失調の子どもたちへの治療を１か月ほど停止せざるを得なかった。その１か月ほどの間に数百人の子どもたちが栄養失調やそれによる肺炎の併発により命を落とした。「そんな事あるはずないでしょ」と思いながら６つある墓地のひとつに向かった。地区を見下ろす小高い丘の斜面にある墓地には、ざっと数えただけで１００以上の小さな墓があった。昨日埋葬されたばかりの墓も目についた。

 

　タリバン政権下、女子の中等教育を認めない昨今の状況は、少女の夢も希望も奪ってしまっていることは否めない。さらに女性の教育が停止されることでどれだけ多くの子どもたちが今後も犠牲になるのか考えるだけで恐ろしい。

 

安井浩美

 

 

 

安井さんの言葉は、女子教育や女性の就労が禁じられた国の末路がいかなるものかを改めて教えてくれました。女性たちの権利が認められなければ、女性たち自身が生きる希望を失うだけでなく、その国の子どもたち、ひいてはその国の未来が奪われることとなります。

 

あまりに厳しい現実ですが、それでも子どもたち、女の子たちが学ぶ場を作り、教育を、絵本を届けようとしています。皆様のお気持ちが、活動の原動力となっています。まだまだ皆様のお力が必要です。是非お力を貸していただき、本プロジェクトを周りの方に広げていただきたいです。最後まで、よろしくお願いします。

 

また、シャンティのクラフトエイドでは、安井さんが立ち上げたハンディクラフト会社「シルクロード・バーミヤン・ハンディクラフト」の商品を取り扱っています。クラフトエイドのアフガニスタンの商品ページでご覧いただけます。

 

プロジェクト実行者　喜納