アフガニスタンで女子教育継続を。学ぶ権利、夢と希望を取り戻すために

プロジェクトも残り1週間、達成率57％となりました。今回は、アフガニスタン人職員の声をお届けします。二人の娘の父親でもある職員のアリさん（仮名）が、父親として直面している苦しみや、このプロジェクトへの自身の切実な思いを語ってくれました。是非最後まで読んでみてください。

Q. 二人の娘を持つ父親として、アフガニスタンの現状をどのように感じていますか？

アフガニスタンは、長い間女性や女の子が多くの困難に直面してきた国です。しかしこの20年間、彼女たちは多くの犠牲を払って必死で闘い、社会の障壁をなくし、基本的な権利や教育、労働、言論の自由を勝ち取ってきました。

これまでにアフガニスタンでは女性の大臣、国会議員、裁判官、弁護士、警察官、パイロットが生まれていました。彼女たちは、男性と肩を並べて働き、国の未来のためにあらゆる分野で前向きな変化をもたらすことができる、ということを証明してきました。

しかし、20年前とは環境が変わり、今のアフガニスタンの女性や女の子は、自分たちが多大な犠牲と努力を払って手に入れてきたあらゆる基本的な権利を奪われることになってしまいました。そんな今の状況で娘たちの将来を考えることは、父親としてとてもつらいことです。

アフガニスタンに生まれた子どもは、他の国に生まれた子どもとは全く異なる人生を歩むこととなります。成長するにつれ、新たな困難が待ち受けているのです。女の子をもつ家庭は、彼女たちが学校に通い続けることができるよう女子教育の制度を変えてほしいと祈り、彼女たちが将来読み書きできない大勢のうちの一人となってしまうのではないかと、日々不安にさいなまれています。

学校に通わせることができない、あるいは、学校に通っていてもいつまで通うことができるのか分からないという娘や姉、妹を持つ数百万人のアフガニスタン人と同じように、私も子どもの将来を悲観せざるを得ません。多くの子どもたちの才能が失われつつあります。

Q.　職員として、父親として、このプロジェクトに対する思いをお聞かせください。

アフガニスタンに対するあらゆる支援、とりわけ女子教育の支援は、守られるべきものです。なぜなら、学校に行きたくても今の制度では行くことができない、極めて弱い立場に置かれた女の子たちを助けることになるからです。かつて教育の機会を奪われ、一世代が読み書きできなくなるという「失われた世代」と呼ばれる世代が生まれています。国を担う人材が失われてしまったのです。

このプロジェクトは二度とこのような危機を生み出さないために、今まさに必要とされている支援です。

残念ながら、私たちだけではどうにもならず、国際社会の教育支援を必要としています。彼女たちは今、学校に行けないだけではなく、過ぎ行く毎日にさえ精神的な苦痛を受け、家に閉じこもっています。

このプロジェクトはそういった女の子に直接教育を届けるというもので、今、アフガニスタンにはこのような支援が本当に必要なのです。

Q. 最後に、この記事をご覧になっている支援者の皆様へのメッセージをお願いします。

まず、この記事をご覧になっている皆様に、改めてお礼申し上げます。苦境にあるアフガニスタンの女の子にお気持ちをお寄せいただいていますが、このお気持ちこそが大切です。

教育は、子どもにとって最初の重要な要素であり、特に教育へのアクセスが絶たれた女の子にとっては、今最も求められているものです。支援があれば、女の子は読み書きができ、教育を受けられるようになります。女子教育支援が今まさに必要とされています。これは、一世代の未来を守ることに繋がります。

最後に、本プロジェクトの実施に携わり、支援してくださった皆様、改めて本当にありがとうございます。

娘をもつ父親としての悲痛な思いを明かしてくれた、アリさん。自分の故郷で自分の娘の未来を描けないという悲しい現実に、胸が痛みます。しかし一方では、本プロジェクトに望みも見出してくれています。

1冊でも、1タイトルでも多くの絵本をアフガニスタンの女の子に届けるために、皆様からの力を貸してください。一人ひとりの気持ちが集まれば、明るい未来は必ずやってくると信じています。引き続き、ご支援と本プロジェクトの拡散を、宜しくお願い致します。

プロジェクト実行者　喜納