本クラウドファンディングのリターンに全面協力いただいている「イブラ・ワ・ハイト」。

それは、シリアの紛争で生活基盤のほぼすべてを失ったシリア人女性たちに「針と糸」で収入の道を開く、2013年5月に始動した「自活支援」プロジェクトです。

女性たちが、ひと針ひと針に、「様々な想い」や「願い」 を込めながら、大切に作り上げています。シリアの人びとの生活、そして心の支えとなる、まさに「寄り添う」ご活動。シリアに寄り添うことを目的とするStand with Syria Japanも、イブラ・ワ・ハイトのご活動を心から尊敬し、全面的に賛同しています。

本日は、その「イブラ・ワ・ハイト」の発起人であり、Stand with Syria Japanの賛同人のお一人でもある山崎やよいさんに本プロジェクトへの応援も込めて、現在のシリアへの想いを綴っていただきました。

 

山﨑やよいさんと「イブラ・ワ・ハイト」の刺繍。

 

シリアにおいて考古学の研究を行い、現地に20年以上住まわれた山崎やよいさんの愛と葛藤に満ちたご寄稿。ぜひご一読ください。

 

 

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シリアでの戦いは、先月で8年目に突入した。

 

この間、人の命はあまりにも軽んじられ、自由を求めた人々の声は力で押し殺され、人の尊厳は無視され続けている。

 

世界は「今世紀最大の人道危機。」とシリアの状況を形容し、最近では国連もダマスカス郊外・東グータを「地上の地獄」と呼んだ。

 

しかし、こう言った形容は、シリアの現地で、あるいは難民として国を追われざるを得なくなった人々を救いはしない。

 

戦いの初期、いつの頃であったか、現地にいた主人の甥は悲しげにこんなことを言っていた。「世界はシリアでの戦争を、サッカーを観戦するように見ている。どっちが勝つんだろう、と。」

 

勝者などない。

 

国は、あまりにも荒廃した。現地の勢力図の色分けは、なんの意味を持つのか、その地にいた人々が去ったあと。

 

この勝者のない戦いの中で、それでも人々は表現する。

シリアの破壊された建物の間で。遠く離れた異郷で。

 

人々の尊厳への想い、祖国への慟哭は、爆撃機に消しされるものではない。

あるものは書き、あるものは描き、あるものは歌う。

 

その声を、私たちはまだ聞くことができる。

彼らは、未だに沈黙していない。

 

彼らの声を聞こう。まだ、私たちは、一緒に歩めるはずだ。

 

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山崎やよい

1958年生まれ。考古学者。イブラ・ワ・ハイト発起人。1989年よりシリア第2の都市アレッポをベースに活動を続ける。テル・アバル、テル・コムロック発掘調査、テル・ハディヤ発掘調査、テル・ベイダル発掘調査、アインダーラ神殿遺跡修復事業などに参加し、シリア国立アレッポ大学考古学科講師を歴任。帰国後もシリアについて、メディアやブログで発信を続けている。

[ 山﨑やよいblog ]

 

 

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