ここ一週間以上、長崎では雨時々晴れの天気が続いています。

ストランディングは、自分たちで探しに行くこともありますが、地元の方からの通報で発覚することがほとんどです。雨天では海岸まで出かける方も少ないので、通報はあまりありません。

 

ストランディングが無い日でも、研究の作業は多々あります。

今日はその一つをご紹介します。

 

当研究室では、漂着鯨類は可能な限り全身骨格を採るようにしています。骨格はさまざまな情報をもたらしてくれる、もっとも基本的な標本と言えますが、イルカやクジラのような大型動物を標本にするのは容易ではありません。

 

下の写真は、動物の骨格を採取する専用の大型晒骨機です。

海棲哺乳類研究室で使用している晒骨機。
中に入っているのはザトウクジラの背骨。

密閉できるバスタブのような構造で、骨を40度程度で煮つつ、金魚のブクブクのように空気を通し、骨についた肉片や脂肪を分解除去します。

およそ2〜3週間かけ、晒骨機と手作業で余分な軟組織を取り除くと下のような骨格標本となります。

仔ザトウクジラの肋骨と肩甲骨

標本は個別に番号を振り、保管します。

保管されている骨格標本の一部

保管場所も十分とはいえませんが、一室の片隅に場所を作って収納しています。

 

骨格にすることで初めて骨の異常が分かったり、年齢を知るための歯の採取などが可能になります。またこうした標本は、数十数百を収集して注意深く観察していくと、新種や地域固有の群れ(地域個体群)など、重要な発見につながります。
 

骨格標本の作成は、煮込み時間を見計らったり、細かい作業をしたりと経験がものをいう分野でもあります。研究室では研究・教育活動の一環として学生たちで協力し標本作りを行っています。

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