「世界は変えられるんだ！」一歩を踏み出す勇気を、この一冊で。

みなさん、こんにちは。白木朋子です。

 

突然ですが、11月20日が何の日か知っていますか？

正解は・・・「世界子どもの日」です！

 

●「世界子どもの日」とは？

1954年に世界の子どもたちの福祉を増進させる活動の日に当てるために、国連で制定されました。この日は1989年に「子どもの権利条約」が国連総会で採択された日でもあり、世界中で子どもの権利を推進する日でもあります。

 

条約で54条にわたって定められている子どもの権利は、「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」の大きく4つに分類されています。中でも「参加する権利」*は、子どもの権利の実現にとって、とても重要であると私たちは考えています。（*「意見を表明する権利」（第12条）、「表現の自由」（第13条）、「思想・良心・宗教の自由」（第14条）、「結社・集会の自由」（第15条）などが、これに含まれます。）

 

●世界の子どもたちが声を上げた ”グローバルマーチ”

この、子どもたちの参加する権利を実現したのが、私たちが20年前に参加した「児童労働に反対するグローバルマーチ（Global March against Child Labour）」という世界的なムーブメントでした。「児童労働に反対！」の意思を込めて、子どもとおとなが一緒に立ち上がり、声を上げました。

 

1998年1月にマニラ（フィリピン）をスタートし、ユーラシア大陸を横断するルート、アメリカ大陸、アフリカ大陸それぞれを縦断するルート、ヨーロッパ域内を回るルートの4つが最後には合流し、ゴールであるスイスのジュネーブをめざすという壮大なもの。

 

世界中の100以上のNGOや労働組合が参加して実現しましたが、日本ではマーチを受け入れる団体がなく、残念ながら日本はアジアを横断するルートにも含まれていませんでした。というわけで、それを知った岩附が一晩で趣意書を書き上げ、当時学生として児童労働のことを学んでいた私たちがACEを立ち上げ、グローバルマーチを日本で自主的に開催することになったのです。子どもがテーマなのだから、5月5日の子どもの日に東京でマーチをすることは、はじめから決めていました。

 

日本でマーチをする前には、岩附、小林、白木の3人でインドのマーチに参加し、岩附はゴールのジュネーブにも赴き、グローバルマーチを最後まで見届けました。

 

▼そのマーチの映像がこちらです。

 

マーチの先頭には、フィリピン、インドネシア、カンボジア、ホンジュラスなど、世界各地から集まってきた、児童労働経験者の子どもたち10名ほど（コアマーチャーと呼ばれていました）が立ち、大きな声で「児童労働反対！子どもには教育を！」と呼びかけました。（このコアマーチャーの子どもたちは、スタートのマニラからゴールのジュネーブまでずっとマーチに参加した子どもたちです。）

 

各国の各都市でマーチ（デモ行進）を行いリレー形式で結ぶというこのマーチ。5大陸、8万キロにも及ぶこの壮大なマーチを、当時はインターネットもまだ普及していないような時代に実現したのが、カイラシュ・サティヤルティさんですが、本当にすごいとしかいいようがありません（その後、2014年にノーベル平和賞を受賞しますが、このグローバルマーチも評価されたことのひとつでした）。

 

●インドのマーチでは

現地で配布されたTシャツを着ていたら、私はネパールから来た児童労働者とまちがわれ、一緒に歩いていた小林くんはその子どもに付き添ってきたソーシャルワーカーとまちがわれた、とのいうのはよい思い出です(笑)。

 

●大阪のマーチでは

国際子ども権利センターやセーブ・ザ・チルドレンの方々、岩附の大学院の仲間が協力してくださり、みんなで風船を持ちながら、歌を歌いながら御堂筋のあたりを歩きました。

 

●東京のマーチでは

竹下公園（当時）からスタートし、表参道を横切って明治通りにかけて歩きました。プラッサという子どもの権利を取り扱う雑誌を作っていた小池彰さんの紹介で来てくれた下郷さとみさんが、浅草のサンバチームを呼んでくれて、マーチ本隊の後ろをサンバチームが歩いて、太鼓をどんどん鳴らしながら、踊りながら歩くことができ、休日の渋谷の街を歩く人々やビルの中からのぞき込む人もいて、注目を集めるのに成功したと思います。事前告知が新聞にも掲載されて、それを見た方が静岡から参加してくれたり、たくさんの方が共感してくれて、本当にうれしかったです。マーチのバナーをもって先頭を歩いてくれたり写真を撮ったりしてくれたのは、私の明治学院大学の仲間たち。それも本当に心強かった。

 

 

●ジュネーブのマーチでは

カイラシュさんや、カナダでフリー・ザ・チルドレンを12歳で立ち上げたクレイグ・キールバーガーさんの姿も映っています。最後に、1998年6月当時、「最悪の形態の児童労働に関する国際条約」について審議していた国際労働機関（ILO）の会議場にグローバルマーチの一行が入り、カイラシュさんがスピーチをしたり、コアマーチャーの子どもたちが歌を歌うなど、条約に対してアピールしました。

 

この時のこうした努力が一つの実を結び、この時「最悪の形態の児童労働条約」が採択され、今では、181の国が批准するに至りました。（※批准国の数を訂正しました11/21）

 

●誰かと力を合わせれば、一歩を踏み出せば…

私自身は、大学時代に特別なボランティア活動をした経験もなく（単発のをいくつかだけ）、たまたま岩附に出会ったことでこのグローバルマーチに関わったわけですが、日本でマーチを実施することを通じて、「自分たちには必ずしも力がなくても、誰かと力を合わせれば、一歩を踏み出せば、何かしらやり遂げることはできるんだ」ということを実感する大きな経験になりました。

 

インドのグローバルマーチでは、世界中から集まってきていた、児童労働の厳しい体験をしてきた子どもたちや、その子どもを支える活動家の人たちと会うことができ、「自分がどうにかしたいと思っている児童労働という問題に対して、一生懸命立ち上がっている人たちがこれだけいるんだ、自分ひとりじゃないんだ」という感覚を持つことができたと思います。この世界とつながっている感覚が、この20年間活動を続けてくることができた大きな原動力となっているように思います。

 

●みなさん、一緒に声をあげていきましょう！

児童労働をはじめとして、世界や日本の子どもを取り巻く状況は、まだまだ厳しい状況にあると思います。その大きさを考えると私も時々気がめいってしまうようなこともあります。しかし、問題の大きさにひるんで何もできないとしたら、何も変わることはないでしょう。今までも、多くの人たち、子どもたちが声を上げてきたように、私たちはこれからもあきらめずに声を上げ続けていきます。

 

そして、みなさんにとって今日11月20日「世界子どもの日」が、世界の子ども達のことを考え、想いを馳せ、行動を起こすはじまりの日になれば、とても嬉しいですし、とても心強く感じます！まずは小さな一歩でも、それが大きな一歩のはじまりです。

 

あと28日間で、1,419,000円。

引き続き、目標達成に向けて頑張っていきます！

 

ご支援、応援、SNSでのシェアなど、どうぞよろしくお願いいたします！

 

白木朋子

 

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