〜　私がプロを決意したきっかけ　〜

都心の絵画教室でお世話になり数ヶ月後、山梨への転勤（子会社への出向）を命ぜられました。せっかくこれからという気持ちが強く山梨でも甲府にある個人が経営されていらっしゃる絵画教室に入りました。アットホームな感じで続ける事ができました。この間約半年。得意先の仕事が縮小するという事でそれに伴い又転勤（出向復帰）となり地元（大阪）での勤務となりました。ネット検索し一日体験コース（写生会）に申し込み講師が何となく波長が合いそうな気がしましたので入会する事にしました。又しても鉛筆デッサンからのスタート。これで３度目正直直ぐにでも着彩したい気持ちでした。そうこうしている内にパステル画・

水彩画・油彩他最初の半年〜１年くらいはとても新鮮で楽しくやれていました。翌年夏のとある日、猛暑で喉が渇き教室の近所に以前より気になっていました瀟洒なイタリアンのレストランに入り「アイスコーヒーだけでもいいですか？」とお店の方に尋ねました。快く「いいですよ」とおっしゃって頂きましたので「それではお願いします」と腰を据えて飲み始めました。しばらく店内を見渡していますと、とても素敵な花の絵が飾ってあることに気付き、終始眺めていました。きっと作家さんは外国の方なんだろうと想像しながら最後は魅入ってしまいました。その日はお勘定を済ませ店を後にしいつも通り教室に行きました。丁度油彩を始めたばかりで花がモチーフでしたので余計に興味を持ちました。それ以来あの花の絵がやたら気になり翌週またお店に観に行きました。そうしますとその店のマスターが「そんなにご興味おありでしたら、この絵を描かれている先生を紹介しますから直接お話ししてみて下さい」と有無を言わせず、私は受話器を受け取らされ、ご本人と話せざるを得ない状況になりました。最終「一度作品を観せに直接来て下さい。」と言う事になり作品を観て頂く事になりました。約束の日時に持参し観て頂きましたが一言「つまらない絵ね！！」面白みが無い。要は絵画としての魅力が備わっていないと仰られました。真面目な性格がその絵をつまらなくしているとの事でした。そんなとこまで見抜かれるのかとその時は内心ゾッとしました。結果的に週1回のペースで教えて頂ける事になりとても感激しました。関西を代表するデザイナーさんの一人にそれも個人的に教えて頂けると事がとても光栄に思えました。指導も的確でこの時期急激に上達した感覚を得ました。次第に趣味では無くプロとしてやって行きたいと思い始める自分がそこにいました。と言いますのも教えて頂きましたデザイナーさんは有名企業の工業製品・化粧品に用いる図柄のオファーを個人的に受注されていらっしゃいましたので余計にいい意味での向上心が湧いて来ました。いつか自分もこんな風になってみたい！その時四十代半ば。常識的に考えれば土台無理な年齢で諦めるところでしょうが何故かその時はあまり先の事は考えずただただ花の絵をひらすら描いている事が楽しかった時期でした。