震災初期を描いた作品の中で、展示にて反響が大きかった描がふたつありました。

 

 

ひとつは私の中で希望を象徴する「いのちの木」(岩手県大船渡市三陸町越喜来)、そして対極の代表作が高さ12.5メートルの防潮堤がなぎたおされた「頂上の崩壊」(岩手県釜石市唐丹町)です。

 

 

 

 

 

この2作を巡るその後の経過も対極で、ひとつはテレビや新聞に取り上げられ同地付近で描いた作品は17枚となったのに対し、あまり取り上げられず、1年半ほどで4枚描いた時点で止まってしまい暫く訪れることがなくなってしまいました。

 

 

 

 

 

3年半ぶりに訪れてみるの、崩壊した巨大防潮堤は倒壊箇所の撤去は既に完了していましたが、残り部分はそのまま放置され、地元住民や漁業関係者の駐車場となっていました。

 

 

 

港には唐丹漁協の真新しい漁業施設が立ち並ぶのに対し防潮堤の反対側は草一つない空き地となり赤土が剥き出しの状況です。

 

 

 

 

 

押し潰された防潮堤の手すりが未だに残っていました。これは津波に流された家がそのままの形状で引っかかっていた痕跡です。

 

 

 

私が最初の絵を描く直前に家は撤去されたのですが、3回目に描いた建物跡がその家があった場所だったことを今回の制作で初めて知りました。

 

 

 

 

 

 

かつては住居を兼ねた商店で年老いた女性がひとりで住んでいたという。

 

 

彼女は津波で流さていく自分の家をすぐ上の高台からなす術なく見つめていたと、通りがかったこの女性の娘さんの話してくれました。

 

 

 

 

 

 復興計画では14.5メートルまで防潮堤をかさ上げする予定となっていますが、現行の防潮堤の上にかさ上げするのかは、今回伺った人たちで知っている人の中にはいませんでした。

 

 

 

 

 

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