『念願の美術スクールとの出会いによって、人生が変わった』

 

ハイ・チューンは、手洗いの洗濯屋を営む母子家庭の末っ子として極貧家庭に育ちました。 雨季には雨漏りする藁葺き屋根、床下は泥水になる粗末な小屋のような家で雨露をしのぐ生活でした。幼い頃から身体が弱かったのですが、絵を描く事は好きで成長するまで描き続けました。高校生になると中国画を模写する等をして独学で絵を学ぶようになりましたが、この頃同級生に絵の才能を認められ、バイクに張るステッカーのデザインの制作を依頼されるようになり、これを売って学費を稼いでいたそうです。自分の美術能力を高めたいと思いましたが、画材にかけるお金も無く周りには指導してくれる美術教師もいませんでした。

 

 高校3年のときに、同じ高校に通う友人の紹介で「小さな美術スクール」の存在を聞かされました。居ても立っても居られなくなり、友人と共に学校を訪問し、笠原と出会いました。美術学校として整備された環境で、見たこともなかった日本や海外からの豊富な画材を無料で使わせてもらえると言われ、生徒として受け入れられた時は興奮がおさまらなかったそうです。

 

『自らの表現世界を追求する』

 

 家族や親戚からは、アンコールワット遺跡などの風景を描いた「売れる絵」を描くことを求められていましたが、自分が描きたいのとは違っていました。美術スクールに通い始めてからは、笠原に「自分が描きたいもの」を追求するように言われ、初めて、自分が探し求めていた場所が見つかったのだと喜びました。その後、カンボジアのクメール・ルージュ時代をテーマにした鉛筆画やアプサラ(天女)、切り絵と水彩を合わせたゾウの絵など、独創的な世界を広げていきました。(下記写真) 外国人にも高く評価されるようになり、シェムリアップのホテルでの展示会や制作依頼なども入るようになっています。

 

 また、生徒の人数増加に伴って、小さな美術スクールでの授業助手が必要となったために、現在はスタッフとして雇用され、生徒達の指導にあたり、村の小学校への出張授業などにも同行しています。笠原の支援もあり、崩壊寸前だった家を改築し、大学にも入学し、豊かな表現力で制作活動にも励んでいます。

 

ハイ・チューンの絵画作品は、こちらからご覧いただけます。Hay Art

 

受賞歴:

2011年アーリー・インターナショナル(アメリカ)入選 

2011年giz デザインコンテスト(ドイツ)2位入賞 

2012年メキシコアートコンテスト入選 

2013年日本国際切り絵コンテスト入選 

2013年KDDI財団チャリティーコンサートポスターデザイン提供

2014年アンコール国際映画祭ポスターデザイン提供

2016年KDDI財団チャリティーコンサートポスターデザイン提供

 

学歴:Build Bright University 建築学科(夜間)在学中

 

 

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