道路の水が少し収まった8月半ばのある日、私とフィリピン人との友達で、食良品を手に入れるため近くのショッピングモールに出かけたことがあります。

 

家からそのショッピングモールまでは、ジプニーという乗り合いジープで片道20分ほどです。外は相変わらずの雨なので、ビーサンに半ズボンという出で立ちで、ジプニーに乗りこみ、ショッピングモールについて買い物したところまではよかったんです。

 

外に出ると、また嵐になっていて…。

ジプニー乗り場まで歩く際道路を横断したのですが、車道の端っこ、歩道との境目のところはまるで川のように10センチほど水が貯まっていて、危うくビーサンを流されそうになりました。さらに…、道路が浸水し始めたので、帰りのジプニーが待っても待っても来ないのです。

 

風雨が激しく傘なんて開けない状況なので、上からも下からも濡れるしかありません。

 

雨の降り始めは一気に気温が下がります。常夏のフィリピンとは言え、その時の気温は20度を下回っていたと思います。とにかく寒くて、体温が奪われて行くのを感じながら、震えながらジプニーを待ちます。

 

ジプニーは結局待っても来なくて、車道が浸水し歩ける状況では無いなか、ようやく見つけたのが1代のトライスクルでした。

トライスクルというのは、バイクの右側に、2人乗りの座席が付いた短距離用のタクシーのような物です。トライスクルの座席部分には申し訳程度の屋根が付いているので、上から濡れることはありません。

 

ただし、乗り場の高さが地上から20センチほどなので、途中で座席の下から水が入ってきて、もはやボートに乗ってるかのような気分になってきます。なるべく浅い場所を選びながらなので家までの道のりもいつもより時間がかかり、雨に濡れ始めてから30分以上が経過すると、体はすっかり冷え切って、私も友達も口数が少なくなります。

 

ようやく家に食べ物を持って帰った私たちは、体中濡れていない場所は無いくらいずぶぬれでした。家に帰ると、ホストマザーからすぐシャワーを浴びるよう言われました。フィリピンの水たまりは、いろいろ有害な物が溶け込んでいるので、少しでも水たまりに入ってしまって濡れた時はすぐ水道水で洗い流さないと病気になると、この国の人たちは言います。

 

これでも、中流階級の家にホームステイしていた私は、そんなに台風の被害を受けていないほうです。やはり、毎年浸水したり甚大な被害を受けると分かっている地域は土地代が安く、生活が苦しい人々が毎年苦労しているのです。

 

マニラの町中で走るトライスクル
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