フィリピンのマニラに、多くの視覚障害者たちから期待されながら、支えられながら子育てを行っている視覚障害夫婦がいます。二人とも大学までの教育を終えており、二人で生計を立てていけるくらいの稼ぎがあり、外出さえままならないフィリピンにおいて立派に子どもを育てているのは、この国では奇跡に近いです。ではそんな二人は恵まれた家庭の出身なのか…と言うと、けっしてそうではないからこそ、フィリピンの視覚障害者たちの中で期待の星な夫婦なのです。

 

 今は母親となっているジェネリンは、あまり自分のことを話したがりません。ですので私も、詳細までは分からないのですが、一つ確かなのはジェネリンの家族は、彼女の結婚式の時でさえほぼ誰も参加しなかったのです。

 

フィリピンには、障害を理由に生活力もないまま家族から捨てられた人に対して、半年間の職業訓練・生活訓練を行って、就職支援をしている国立施設があります。マニラの視覚障害者たちが最初にジェネリンのことを知ったのは、彼女がその職業訓練センターの訓練生として保護されてきた時なのです。

 

 他の訓練生の中でも、ジェネリンはずば抜けて優秀だったそうです。このまま大学にも行けずに人生を負えさせるのはもったいない、そう思ったフィリピン盲人会連合の会長さんは、自分の家にジェネリンを住まわせることを決め、周囲の視覚障害者たちがお金を出し合って、彼女が大学に4年間通う学費を負担したのです。

 

そうやって何とか助けたい、せっかくの能力を発揮してほしい、活躍を応援したい…、ジェネリンには、周囲にそう思わせる魅力があります。

 

 みんなの支えで大学を卒業したジェネリンは、RBIと言ってフィリピンで1番大きな視覚障害者支援団体に調査員として就職しました。その後、教員採用試験にも合格し、同じRBIにて視覚に障害のある幼稚園児のクラスを担当するようになったのです。

 

 

 

盲学校で勉強する子どもたち

盲学校で勉強する子どもたち

新着情報一覧へ