現地に入られた花岡記者のルポです。

イスラエル軍が14日、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの軍事部門「カッサム旅団」トップの司令官を殺害したのを契機に緊張が高まるガザ地区に15日、入った。

 ハマスがイスラエル南部に向けて断続的にロケット弾を放ち、それをイスラエル軍が正確に捕捉して空中で迎撃する。ガザの空には、ロケット弾がはじけるパンパンという乾いた音が響き続けていた。

 15日早朝、エルサレム中心部からガザに入る検問所に向かった。イスラエルの当局者は外国人ジャーナリストにのみ入域を許可。約30人に対し、イスラエル軍による攻撃でガザ地区内で負傷した場合、軍の免責を認める宣誓書に署名するよう求めた。

 ガザに入ると、普段は人混みで渋滞する道も、スムーズに流れていた。街頭の人出もいつもより少ないが、買い物客や子供がぶらぶらと道を歩く姿も見えた。食料店には行列さえできている。

 ハマス側のロケット弾攻撃を迎撃する一方で、イスラエル軍はハマスの軍事施設などを目標にミサイルを打ち込む。ドカン、ドカンと腹に響く爆発音が響く。落下地点と見られる付近からは、黒煙が立ち上った。時折、戦闘機が空を引き裂くように上空を通過する。

 ガザ市中心部で友人数人とたむろしていたアドナン・ジャバルさん(14)は爆音が響いた直後、「記者さん怖いの? おれ怖くないよ」と話しかけてきた。「イスラエルは俺たちを殺したのだから、ハマスは彼らを攻撃しなければいけない」。少年はそう言って、報復を支持した。

 AFP通信によると、14日からの戦闘でイスラエル側は市民3人が死亡、16人が負傷した。パレスチナ側では15日、イスラエル軍による攻撃で新たに7人が死亡した。

 イスラエルのネタニヤフ首相は15日、記者会見で「(市民を守るため)必要なことはどんなことでもやる」と断言。ハマス側の対応次第では、地上作戦への突入も辞さない姿勢を改めて示した

 

【ガザ(パレスチナ自治区)花岡洋二】毎日新聞

 
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