支援総額
目標金額 2,000,000円
- 支援者
- 274人
- 募集終了日
- 2022年6月13日
いよいよ始まった再審公判!《前編》
先日10月27日(金)、袴田巖さんのやり直しの裁判(再審公判)が静岡地方裁判所で始まりました。今年3月の「再審開始」確定から7ヶ月、ようやく「無罪判決」へのカウントダウンが始まりました。
監督の笠井もその日は静岡地裁に足を運び、裁判の始まりを見届けるべく取材を行いました。
■ 傍聴券を手に、法廷へー
午前8時半、傍聴券の抽選に参加するための整理券配布が始まりました。
報道によれば、26席の一般傍聴席を求めて、10倍以上の280人が列を作ったということです。
▲傍聴希望者の列(静岡地裁にて)
▲裁判所前で待機する報道陣
私も列に並び、整理券番号を貰いました。
すると弁護団や秀子さんが次々と到着し、裁判所の隣にある弁護士会館へと入っていきました。
▲裁判所に到着した秀子さん(午前10時前)
整理券配布からしばらく経った9時45分。裁判所の隣にある駿府公園内に、当選者の番号が掲示されました。
すると、そこには笠井の番号も!!幸運にも、初公判を傍聴する機会に恵まれたのです。
裁判の中でも初公判は、判決言い渡しと結審に次いで、とても重要な期日になります。
最大の理由としては、被告人が罪状認否(罪を犯したかどうかを認める手続き)を行うということがあります。袴田さんの場合は当然ながら、検察側の起訴事実を「否認」した上で、「無罪」を求めることになります。
初公判の傍聴とは、つまり、そうした被告人の意思表明を、直接目撃する機会を得るということを意味します。
▲弁護団の入廷を待つ報道陣
大手のマスコミには1社1席が確保されていて、取材のために必ず傍聴できるよう配慮がされています。
しかし、それ以外のフリーランスの記者たちは、一般の人と同様に抽選に参加するしかありません。
袴田さんの映画を制作をする者として、監督の笠井が傍聴券を引き当てたことは、幸運と言う他ありません。
■ 世紀の瞬間—「袴田事件」再審初公判傍聴記
午前10時半前、弁護団と秀子さんが再び姿を現しました。
多くのメディアのカメラマン達が並ぶ中、秀子さんと弁護団長の西嶋弁護士を先頭に、法廷へと向かいました。
その撮影が終わると、私も急いで裁判所の中へー。
▲裁判所に入る弁護団
正面玄関で、リストバンド式の傍聴券を示すと、裁判所2階の202号法廷へ行くように案内されました。
庁舎内のエレベーターで2階へ。するとそこには、簡易の手荷物預かり所と金属探知機による身体検査の検問が設置されていました。
筆記用具と腕時計など以外は法廷に持ち込むことが許されておらず、ペンケースの中身まで全て出すよう指示され、検査を通過します。
ちょうどそこへ、弁護団がやって来ました。皆さん、いつになく緊張した面持ちで、扉の向こうへ消えて行きました。
法廷の入り口には、すでに検査を終えた傍聴者の列が出来ていましたが、ざっと見た所、一般傍聴席のうちでも10人近くはマスコミの記者達で占められていて、一般の傍聴者は15、6人といった印象でした。
そのまま廊下で待たされ、テレビカメラによる2分間の法廷内撮影が終わると、いよいよ法廷内に入るよう指示されました。
■ 本人のいない法廷で…巖さんは出廷「免除」
「それでは定刻を過ぎましたので、開廷致します。」
午前11時過ぎ、國井恒志(くにい・こうし)裁判長の言葉と同時に、記者達が慌ててバタバタバタっと法廷の外へ駆け出して行きました。
そして入れ替わりで、素早く違う記者達がその席に座ります。マスコミ各社では複数の記者が交代で、長丁場の裁判を取材していきます。
裁判長からは、まず事件の大まかな経過が語られましたが、その声は大きく、とても聞き取りやすく、よく通るいい声だなという印象でした。
ボソボソと聞き取りずらい喋り方をする裁判官もいる中、その点は好感が持てると感じました。
続いて裁判長から、巖さんの出頭を免除した理由について説明がありました。
「45年以上の身体拘束による「拘禁反応」とされていて、自身の立場や法廷での黙秘権のことなど、理解が不可能と判断した」
…ということでした。
被告本人である巖さんの出頭を免除する代わりに、今回は保佐人で姉の秀子さんが巖さんの代わりに裁判に参加することとなりました。
■ 世紀の瞬間の目撃者となったー
続いて、検察側が起訴状を読み上げました。
それはまさに、かつて巖さんを死刑に追いやった時の犯行状況を語るストーリーそのままで、住居侵入と強盗殺人、放火の罪で起訴するという内容でした。
それが終わると、裁判長が秀子さんに対して、陳述を行うようにと促しました。
「ゆっくりで結構です。」
裁判長から秀子さんへの気遣いの言葉もありました。
法廷中央の証言台に歩み出ると、秀子さんは事前に用意した原稿を手に陳述を始めました。
「1966年11月15日。静岡地裁の初公判で、弟・巖は無実を主張しました。
それから57年に渡って、紆余屈折、艱難辛苦がございました。
本日、再審裁判で、再び私も弟・巖に代わりまして、無実を主張致します。
長き裁判で、裁判所、並びに弁護士、および検察庁の皆様には、大変お世話になりました。どうぞ、弟・巖に、真の自由をお与えくださいますよう、お願い申し上げます。」
わずか2分程度の陳述でしたが、その声、その呼吸、そしてその場の空気を感じながら、私は秀子さんの背中を見つめていました。
「無罪を主張致します。」
この言葉を、57年かかって再び、裁判官を前に訴える日がようやく訪れたわけです。私は、その瞬間の目撃者となったのです。
(《後編》へつづく)
リターン
3,000円+システム利用料
映画の完成を見守るコース
・お礼メール
・最新の進捗状況をご報告
※当プロジェクトページの「新着情報」としてお届け致します。
- 支援者
- 80人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2023年3月
10,000円+システム利用料
オンラインで映画を視聴コース
3000円コースのリターンに加え
・完成した映画をオンライン視聴
(完成の1ヶ月後以降・期間限定公開)
※視聴できる日時・期間は未定ですが、映画の完成日が確定する2023年2月頃には決定予定です。
※動画視聴できる高速インターネット環境をご用意下さい。視聴は家庭内鑑賞に限らせていただきます。
- 支援者
- 121人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2023年5月
30,000円+システム利用料
お名前掲載コース
1万円コースのリターンに加え
・エンドロールにお名前掲載
・袴田事件がわかるパンフレット
(お届けは映画完成時の2023年3月末)
- 支援者
- 24人
- 在庫数
- 26
- 発送完了予定月
- 2023年5月
30,000円+システム利用料
監督を応援コース
1万円コースのリターンに加え
・監督直筆のお礼のメッセージカード
(お届けは映画完成時の2023年3月末)
・袴田事件がわかるパンフレット
(お届けは映画完成時の2023年3月末)
- 支援者
- 25人
- 在庫数
- 5
- 発送完了予定月
- 2023年5月
50,000円+システム利用料
完成の喜びをシェアするコース
3万円コース(選択可)のリターンに加え
・完成後最初のオンライン試写会イベントにご招待(完成後1ヶ月内)
※いち早く完成作品を視聴出来るコースです。
※動画視聴できる高速インターネット環境をご用意下さい。視聴は家庭内鑑賞に限らせていただきます。
※イベント内容:監督の笠井からご挨拶、映画上映、Q&Aなど
※開催日時は未定ですが、映画の完成日が確定する2023年2月頃に決定予定です。
- 支援者
- 18人
- 在庫数
- 12
- 発送完了予定月
- 2023年5月
100,000円+システム利用料
映画を上映して応援コース
5万円コースのリターンに加え
・完成した映画の上映会開催権
(開催時期は映画完成から1年内・1回のみ)
※開催場所や上映機材の確保および、それらにかかるレンタル料金の支払いなどは支援者様のご負担となります。
※新型コロナの状況により、1年内の開催が難しくなった場合に限り、別途開催時期をご相談ください。
- 支援者
- 6人
- 在庫数
- 4
- 発送完了予定月
- 2023年5月
300,000円+システム利用料
制作の舞台裏をお披露目コース
5万円コースのリターンに加え
・上映会開催権+監督の笠井による講演
(開催時期は映画完成から1年内・1回のみ)
※開催場所や上映機材の確保および、それにかかるレンタル料金の支払いなどは支援者様のご負担となります。
※監督の交通費が発生した場合は(東京都内〜目的地までの往復分)支援者様でのご負担をお願い致します。
※新型コロナの状況により、1年内の開催が難しくなった場合に限り、別途開催時期をご相談ください。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 5
- 発送完了予定月
- 2023年5月