
支援総額
目標金額 4,000,000円
- 支援者
- 436人
- 募集終了日
- 2022年1月24日
安藤先生インタビュー #5「ヨーロッパから学ぶ茅葺きの役割」
筑波大学大学院生による、
安藤邦廣先生(筑波大学名誉教授、里山建築研究所主宰、日本茅葺き文化協会代表理事)へのインタビュー連載の5回目をお届けします!
本日は「ヨーロッパの茅葺きから学ぶ茅葺きの役割」というテーマ(上記のタイトルは字数制限があるため変更し掲載しました)でお送りします。
実は日本よりヨーロッパの方が茅葺きが進んでいる・・・?!
それでは第5回「ヨーロッパの茅葺きから学ぶ茅葺きの役割」です。
お楽しみください!

――日本の茅葺きについて海外の茅葺きと比べて独自性はあるのでしょうか。
安藤先生 基本的にはあんまり変わりはないね。
屋根に葺く限り材料はススキか葦、あとは小麦藁、この三つであることにそんな違いはない。
ただヨーロッパはススキはないんです。そんなにね。
だから水辺の葦か、小麦藁だ。
イギリスなんてほぼ小麦藁。パンの文化だからね。
あとはオランダとかデンマークとか北欧ってのはほとんど水辺なんだよね。
圧倒的に葦が生えてるよ。
急勾配の柔らかい屋根っていうことは大きく見れば普遍的で、世界中変わりはないよ。
だけど今見るとヨーロッパとかアフリカの屋根っていうのは非常に現代的に進化してる。
円形だったり窓がいっぱいついてたり、あるいはビルのような四角い建物を葺いたり、多様化している。
これは現代建築が非常に多様化してることによって形が自由になってるね。
形態や構造が非常に現代的に進化してるところに茅葺きが葺かれてる。
日本は現代建築に茅葺きはまだ使ってない。
茅葺きは伝統的な建築で、きわめて昔の形のものだから昔通りだ。

(以前の茅葺き長屋門 年代不明)
でも、ヨーロッパから(前述の)こんな風な屋根が茅葺きになってるから。
これは新しい現代建築だ。それにオランダとか南アフリカは現代建築が、非常に今進化してファッションなんだよ。ひとつのスタイル。
つまりだね、鉄板とか瓦で葺いた屋根はもうむしろ過去のものなんだよ。
未来建築は茅葺きだっていうおしゃれだよと同時に持続可能な社会とか、
その低炭素社会とかいうこと考えた時に石油を使うってことはやっぱり生産過程から含めて非常に炭素を排出するでしょ、
茅葺きは二酸化炭素の排出ゼロです。
例えば、自然博物館とか学校とかそういうことに対してこうプレゼンテーションする、我々は持続可能な社会を実現したい、SDGsを支持します、そういう人達の家とか施設は茅葺きで葺くっていうことが表現なんだ。
建築って昔から機能的であると同時に表現なんだよ。お城だって戦うためのものだけど、ものすごく美しいじゃない。
俺、美しいもの作るくらいセンスいいんだよって。俺が天下とったらみんな美しく幸せになるよってことを表現している。

(1960年ごろ 茅葺き長屋門前で撮影 濱田庄司と妻和枝)
今、茅葺き屋根はヨーロッパでは未来を表現する屋根として注目されてるってことなんでオランダでそれだけ茅葺きがきたかっていうと・・・
今一番すごいよ。オランダが。
オランダはネーデルランド。つまり国土の50%が標高海抜0以下だから、みんなダムで守られてる。
アムステルダム、ロッテルダムはダムが都市を作ってる。ダムが決壊したら全部水没するわけだ。
そのなかでも水辺の汚染がすごく深刻なわけよ。それを守ってるのが霞ケ浦と同じ葦原。葦があらゆるものを浄化して窒素とか富栄養物を全部吸収して、それを全部刈り取り屋根に使うことでとそれは全部回収されて水が浄化される。それをオランダの人たちは長年やってるわけだ。
茅葺き屋根っていうのは水の浄化と一体であることは国民がみんな理解してるから、
茅葺きで葺くことは当然なんだ。だから日本人が何で茅葺きで葺くんですかって言われたら、何で茅葺きで葺かないんですかって。
なぜ茅葺きにしない、美しいでしょうって、当たり前じゃん。
こんな美しい屋根はないでしょうって、ああそうですねって。
それぐらい理由はない。水辺とオランダっていうのはまあ運命共同体だ。
日本だってほとんどが海抜ゼロに近いとこに住んでるから、東京湾でも淀川でも利根川でも水辺の葦原がすごい浄化力を果たしてるけど今とにかく琵琶湖も水質汚染の危機だし、霞ヶ浦もラムサール条約で最も汚染のひどい湖だ。
葦原がなくなったからだよ。
もう、霞ケ浦の葦原は1%も残ってないんだよ。琵琶湖まで40%に残って今なんとか再生してる。霞ケ浦は1%。これを戻さないと永遠に水辺はきれいにならない。水産資源もどんどん低下するし、環境悪化はひどい。
(2020年9月撮影 霞ケ浦)
だから茅葺きっていうのは水辺の浄化にも大いに役割を果たしてたんだよ。
やっぱり水辺の保全は今、国際的な課題だよね。
最も環境破壊は大きい。その葦で屋根を葺くことができれば自動的に解消される。
だから茅葺きは未来の環境保全のシンボルだよ。
持続可能な社会のシンボル、そういうふうに考えていくことが大事かな。
(次回以降につづく)
いかがだったでしょうか。
ヨーロッパでは茅葺き屋根がメッセージ性をもって、今の時代に葺かれていることにたいへん驚きました!
次回以降も興味深い内容になっているので、また読んでいただけると嬉しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
共に茅葺き長屋門を残し、育てていきましょう!
引き続き本プロジェクトへのご支援・ご声援よろしくお願いいたします。
益子濱田窯 × 筑波大学大学院生 有志チーム
リターン
3,000円

返礼品なし① 【You can support even if you don't live in Japan.】
●サンクスレター・限定ムービー付き
●お名前を建物に掲示いたします
※海外在住の方でも支援できます
You can support even if you don't live in Japan.
- 申込数
- 79
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年2月
5,000円

【益子で体験】濱田庄司記念益子参考館入館券 選べるドリンクとお菓子付
●濱田庄司記念益子参考館入館券(デジタル)をメールにてお送りいたします。
<濱田庄司記念益子参考館>
場所:栃木県芳賀郡益子町益子3388
営業時間:9時半から17時
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日休館)
詳しくは濱田庄司記念益子参考館ホームページ(https://mashiko-sankokan.net/)をご確認ください。
※有効期限:2022年12月まで。
ただし2022年2月1日~18日は休館となります。
※参考館入口にて「選べるドリンクとお菓子チケット」をお渡しします。
●サンクスレター・限定ムービー付き
●お名前を建物に掲示いたします
------------------------------------------------------------
You can't choose if you live outside of Japan.
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- 43
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