葉っぱから電気！高校生が身近な植物を使った発電実験に挑戦！

　酒田東高等学校二年次理数探究科の佐藤伶です。本日から私たちのプロジェクトが公開となりました。早速たくさんの方からご支援をいただき、とても嬉しく感じています。

　ここでは、「これまでの実験とこれからの計画」と題して、ページ上で紹介しきれなかった、私たちが行ってきた予備実験や今後の予定について紹介させていただきます。

 

1　はじめに

　　私たちは「クロマツ」の葉から葉緑素を抽出・分離し、その成分を色素増感太陽電池の増感剤として用いることで、葉緑素の各成分がどの程度発電効率に寄与しているか調べたいと考えています。

 

2　対象の選定

葉緑素を抽出する対象として「クロマツ」を選びました。私たちの地元には広大な庄内砂丘があります。飛んでくる砂を防ぐために江戸時代から植林が始まり、今ではとても美しいクロマツ林が広がっています。私たちにとってとても大切な、そしてなじみ深いクロマツを使いたいと考えました。庄内砂丘は鳥海山・飛島ジオパークの文化サイトの一つとなっています。

 

3　クロマツの葉から抽出した葉緑素を用いた色素増感太陽電池の作成

色素増感太陽電池の色素として、「クロマツ」の葉から葉緑素を取り出し、そのまま用いることを考えています。先行研究の調査で、別の植物ですが、葉緑素が増感剤として用いることができることを確認しています。

 

4　クロマツの葉から抽出した葉緑素の分離

　クロマツから抽出した葉緑素が増感剤として用いることができることを確認した後、葉緑素を成分に分離し、それぞれの成分がどの程度寄与しているかを確認したいと考えています。

　4-1　薄層クロマトグラフィーによる葉緑素の分離

　　　　この実験は高等学校の教科書にも載っている基本的な実験ですが、我々はまず、薄層クロマトグラフィーでクロマツの葉の葉緑素がその成分に分離できることを確認しました。

 

4-2　カラムクロマトグラフィーによる葉緑素の分離（ここにお金がかかります）

　　　色素増感電池の増感剤として葉緑素の成分を使うには、大量の葉緑素が必要です。カラムクロマトグラフィーによる分離を考えていますが、特に充填剤が高価です。進めるためには多くの資金が必要です。

 

4-3　分離した葉緑素の性質を調べる

　　　分離した葉緑素にどのような性質があるかを調べようと思っています。近隣の山形県立酒田光陵高校の環境技術科に協力していただき、分光光度計（この機器はとても高価で買うことはできません。）を使って吸光度などを調べたりしたいと考えています。私たちの周りにある様々なリソースを活用していきたいと考えています。

 

5　分離した葉緑素を色素増感太陽電池の増感剤として用いる

　　　4-2で分離した葉緑素の成分を増感剤として用い太陽電池を作ることで、その性能を評価しようと考えています。使用する増感剤（分離した葉緑素）の種類と量を変えることを考えています。数種類の成分を様々な量で実験しなければなりませんので何度も行わなければなりません。それにはたくさんの色素増感太陽電池を作成する必要があり、費用もかかります。

　　　均一な電池を作る方法は一緒に課題研究をしている別のチームが研究しています。その成果を利用しながら進めたいと考えています。

 

6　作成した色素増感電池の性能を調べる。

　　　太陽電池の性能を厳密に調べる機器はとても高価なことと、近隣にはないため、私たちができる範囲の精度でその性能を評価したいと考えています。そのためには均一な光源が必要となりますので、購入する予定です。