ぼくはいじめをやめました

昨日のCAPおとなワークショップで紹介した子どもからの手紙です。

(いろいろなところで紹介している私たちの宝物なので、見たことがある人もいますね）

 

CAPの人へ

ぼくはCAPの話しをきいて、いじめをやめました。

まだ聞いてなかったらやっていました。

 

（聞くという字の門構えが抜けて、耳だけになっていますが）

たぶん、小学校低学年の男の子からの手紙です。

 

小学生向けのCAP（子どもへの暴力防止）プログラムは、

クラス単位で60分程度のワークショップです。

子どもたちに安心して自信をもって自由に生きる権利があることを伝え、

もしその権利が取られそうになった時できることを

寸劇を見せながら子どもたちと考えます。

 

そのCAPの中で、私たちは、決して

「いじめちゃだめだよ」「暴力はいけません」と言った禁止の言葉を使いません。

 

では、なぜこの子は、いじめをやめたと言うのでしょうか？

 

それは、CAPのワークショップに参加して、

自分は権利のある大切な人なんだということを実感することができた時、

自分の周りの友達も、権利のある大切な人なんだと思うことができ、

だから、互いに大切にしあいたいと言うことに気づき、

いじめをやめようと思うことができた。

そして、それを手紙に書くこともできた。

ということではないでしょうか？

 

これが子どもの力です。

 

実は、CAPを受けて、「いじめてたけどやめたいんだ」と話してくる子どもに

何度も出会ってきました。

 

今まで出会ってきた子どもたちから教えてもらったこと・・・

 

それは、暴力をなくしていくために、

「～してはダメ」「～してはいけません」という禁止や

「必ず～しましょう」という行動の制限は要らないということ。

 

その代わりに、

「あなたには、暴力を受けずに生きていく権利がある」

「あなたは大切な人」

「どんな理由があっても暴力を受けていい人はひとりもいない」

という権利を伝えていくことでいいんだと言うこと。

 

・・・権利教育をしていくことで、暴力を防止していくことができる

というエンパワメントかながわの信念となりました。

 

ヘルシーな関係を広げていくためにも、

まずは、「あなたは大切な人」と伝えることから始めるのでよいと思います。