漫画を通じ聴覚障がい者の生活と聴導犬の役割を知ってもらいたい

「聴導犬」についてお話ししたいと思います。

聴導犬ってなんでしょうか？

音が聞こえない、聞こえにくい人は生活の中の必要な音を知らせます。玄関のチャイム音、ファックス着信音・赤ちゃんの泣き声などを聞き分けて教えます。
「聴導犬」と書かれた表示をつけています。

※「ほじょ犬　もっと知ってBOOK　厚生労働省」から記載

私は現在、聴導犬レオンというパートナーがいます。
聴導犬になって6年。もうすぐ８歳になります。

レオンは生後３か月で埼玉県で捨てられ、埼玉県動物保護センターで保護されていました。

そのあと、埼玉県にある、聴導犬普及協会に引き取られ、レオンは当時、名前は
“秋（しゅう）”とつけられていました。誕生日は７月ごろで、秋頃に協会にきたので
この名前がつけられました。

私にとって、“しゅう” という名前はきこえにくい発音なので、
トレーナーと家族と相談して名前が決まりました。

レオン（獅）です。

怖がり屋ですが、根はとても優しく一途な子です。
 

レオンが我が家にきたときは家の中は荒れていました。

実は私の息子が中学生になってから非行に走るようになり、問題児になっていました。

中学校の先生に何度も呼ばれ、毎日のように先生と話し合い、これ以上悪くならないように私は親として必死でした。息子が私に心を開いてくれるのに時間がかかりました。

中学校側は私と聴導犬レオンのために学校に来やすいように補助犬のマークを

玄関に貼って下さいました。

レオンが来てから、息子は何故か、落ち着きを戻しました。

同様に私の心も落ち着きました。

よく考えてみると、私が落ち着いたから、息子も落ち着いたのかもしれません。

昔から、私は犬と一緒にいる時間が一番落ち着けました。

遠い昔、まったく生まれつき言葉を話すことができなく、お友達と遊ぶよりも一人で遊ぶことが多かった５歳の私に両親はマルチーズの犬を与えてくれました。

その犬の名前が「マミー」です。

家の中ではいつもマミーは私のそばにいました。

マミーが反応する音に私は興味を持つようになり、いつの間しか、音の根源をマミーから教えてもらっていました。

一般の学校に行っていた為、聞こえないことで、いろいろからかわれることが多かったのですが、マミーは、いつも私を慰めてくれました。

「今日のことは忘れよ、明日のためにがんばろ」という気持ちになれました。

私が大学を卒業したあと、父が突然亡くなり、そのあとを追うようにマミーも亡くなりました。

犬というものは不思議なものです。役目がなくなるときがわかっているのです。

犬と人間との絆・・・この絆が一番私にとって、生きる糧というものになっています。

聴導犬ユーザーとして生きて６年になります。

マミーが死んでからレオンに出会うまでの時間は20年も長い年月でしたが、生きることに必死だったような気がします。無理して頑張る必要はないと悟りました。

「頑張る必要はないんだよ、僕がそばにいるんだよ」という犬の気持ちが

私を支えてくれています。

聴導犬レオンに出会ったお陰で、安心して、生きるようになりました。

つまり、不安をなくし、安心させてくれるものを聴導犬は持っているのです！

皆さん、最後まで読んでくださり、ありがとうございます！　

安藤美紀＆聴導犬レオン