コロナと私と香港と⑯

新界地区の北の方、深圳との境界に近い街・上水に行った時の感想など書く。個人的な感想に過ぎないので偏見が含まれていたら、ごめんなさい。

電車で行ったが、駅を出ると、粉ミルクや紙オムツなどの大量の段ボールとそれを運ぶ、あまり身なりの良くない中国人が大勢いる。ゴミが散乱し、他の香港の駅前とは明らかに雰囲気が違う。駅から線路に沿って伸びる小道にはやはり中国人と思われる人たちが大量の物資を歩道に並べて連なっていた。

 

カメラで写そうとすると、明らかに警戒している様子。何も予備知識なしにこの街に来たが、ある種の異様な雰囲気はすぐわかる。

 

この街は中国からの爆買い客で有名らしい。観光客として香港に入境し、香港で質の良い粉ミルクや紙オムツ・健康食品・化粧品などを限度ギリギリまで購入し、深圳側の元締めに渡して手数料を稼ぐ。交通の便は良いから一日何往復もできる。

 

こうした個人の並行輸入品を水貨、その運び屋を水貨客という。以前は違法な密輸品の受け渡しを船の上でやってたので、その呼び名が付いたらしい。反対語は行貨（正規品）だ。

 

中国では毒入り粉ミルク、毒入り食品など命に関わる事件が度々起きるので、中国製品に対する信頼度は中国人から見ても低い。日本製などの海外製品への信頼は高く、それを香港で買って転売するビジネスには需要がある。

 

日本のドラックストアで中国人が大量購入したり、iPhone新製品発売時に中国人の行列が並ぶのと似ている。知り合いの留学生もアルバイトしたことがあるそうだが、日本でも微信（We chat）で募集をかければ動員は容易だろう。

 

上水の商店街はそうした水貨客向けのドラッグストアや化粧品店がやたらと目につく。歩く人も大きなスーツケースを転がす大陸客が多い。地元の人向けの商店が、大陸客向けに取って代わられ、地元の人が必要な物は買いにくくなる。小売業者は儲かっても地元民の不満はたまる。ごみの散乱など景観上の問題もある。

 

新界地区の別の街・屯門では中国人の女性たちのセクシーダンスが問題になっていた。中国では中高年女性が大音量で踊る広場舞という健康ダンスをよく見るが、屯門公園のそれは妙齢の女性によるセクシーなダンスだ。

 

それを目当てに、香港人の老人が集まり、投げ銭が飛び交いうようになり、風紀上問題が生じた。本来市民の憩いの場の場であったが、中国女性と香港老人の交歓の場になってしまい、子供に見せられないと市民の反発をかった。

 

文化の違いもあるかもしれない。同じ中華圏だというなら、文化成熟度の違いというか…。例えば、中国の田舎では道端での子供の小便くらいに目くじら立てるのはヤボだが、日本や香港でそれをやればNGだ。中国人も「郷にいれば郷に従え」の言葉通りに振舞えば小競り合いは減るはずだが、それがなかなか出来ないのか、色んな場面で小さな反感が積もっているように思える。

 

 

 

 

#光復香港 #五大訴求缺一不可 #香港デモ #香港デモを風化させない