皆さまのお陰で特大600着を含む7800着を配布できました!
皆さま、こんにちは。
Ready forへのご協力、応援、ありがとうございます。
プロジェクトの最終版をアップさせていただきます。
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コートが届けられた、カイヤラ・ジェダアキャンプとは
今回、日本の皆さまからご寄付いただいて、衣料支援を実施したキャンプは、「カイヤラ ジェダア キャンプ」と言います。
ニナワ県の南東部、チグリス川の西岸に位置し、町の西20キロのところにあるカイヤラ空軍基地は、モスル奪還作戦のときには空軍の拠点となりました。
ジェダアキャンプは、イラクの中でも最も大きな規模のキャンプの一つです。2016年10月に、東モスルからの避難民1,200世帯を初めて受け入れたのがキャンプのスタートでした。
それから約2年、過激派組織イスラム国とイラク軍との攻防は激しさを増し、ジェダアキャンプが受け入れた避難者の数も増加の一途とたどりました。次々と新しい区域が造成され、現在、計6区で8万人以上が避難生活を送っています。
ジェダアキャンプの位置
今回、コートを配らせていただいたのは、一番新しい6区のジェダア キャンプシックスです。
ジェダアキャンプ・シックスには、2017年の夏に、モスルから逃げてきた3492世帯、約2万1千人の人々が避難していますが、みんな夏服で着の身着のままで逃げてきているので、冬の備えがありませんでした。そのため、優先的にコートの配布先として選ばれました。
今回の現地協力団体について
今回、配布にご協力いただいたのは、ニナワ県を拠点に活動するイラクのNGO、ランブドゥ(RNVDO)さんです。
ランブドゥさんは、政府から委託されジェダアキャンプ全体の管理運営を担っている他、食料や生活必需品の配布、水の供給、トイレや排水路の建設、教育支援、医療支援等を行っています。
スケジュール
1月20日 イラク政府より通行許可を取得
1月21日 トラックへ荷積み
1月22日 ジェダアキャンプへ搬入
1月25-26日 キャンプにて袋詰め
1月27日 1000セット配布
1月28日 900セット配布
1月29日 900セット配布
1月30日 534セット 配布
1月31日 158セット配布
2月8-18日 アンケート調査
いろいろなアクシデントが起こりましたが、
無事、お届けすることができました。
ユニクロさんとの連携で行った、イラクへの衣料支援は今回で5回目
山形県山形市に本部を置くNGOで、2013年IVYは、10月からイラクのクルド自治区エルビル市に事務所を置き、シリアからの難民やイラクの国内避難民への教育支援や越冬支援を行っています。
しかし、越冬支援では、冬服のニーズが高いにも関わらず、支援が集まらないという課題があることがわかり、ユニクロさんに相談してみたところ、冬服をご提供していただけることになったのです。以来、イラクへの衣料支援は今回で5回目になります。また、レディフォーさんで皆さまから寄付を募って行う衣料支援は、今回で2回目になります。
「もっと大きいサイズもほしい」という要望にも応えることに。
前回のクラウドファンディングでは、日本から7500着を送るための空輸費用をまかなうために、皆さまに寄付をお願いしました。
しかし、2017年度は空輸費用もユニクロさんが負担してくださることになったので、IVYは支援をさらに良いものにするために、配布する服のサイズについて改善を図ろうと考えました。2016年の配布した服に対する調査では、服のサイズに対する満足度が、他の満足度に比べ20%も低かったためです。
調べてみると、イラク人の大半がアジア人と比べて大柄なため、配布されたのにサイズが合わず着ることができない人もいたことが原因だったようです。しかし、ユニクロさんが提供してくださる服はサンプル用に作られたもので、サイズはMとLに限られます。そこで、IVYの方で2Lや3Lといった特大サイズの服を現地で調達することになりました。
今回は5回目ということで空輸の手続きもスムーズで、ユニクロさんからの7200着を載せた貨物機は9月29日成田空港を発ちました。「これで、寒くなる前に届く!」と誰もが思っていたのですが・・・
突如立ちはだかった、クルドの独立問題
クルド自治政府でイラクの法律に反し、無断で独立を問う国民投票を行ったことに端を発し、服を載せた飛行機が日本から飛び立ったその日、9月29日にクルド自治区への国際便の発着が禁止となり、荷物は最終経由地のドバイで足止めになってしまいます。そのため、輸送会社の方で、10パックずつ9回に分けてバグダットまで空輸し、エルビルまではトラック便で届けるという方法を考えてくれました。この方法で最後の便がIVYの倉庫に届いたのは11月30日のことでした。
一方、10月12日からイラク軍のクルドへの攻撃が開始されたため、17日に外務省の危険情報による危険レベルが2から3に引き上げられました。そのため、安全の観点から、ジャパン・プラットフォームの事業承認手続きまで止まり、決裁をいただけたのは12月28日のことで、配布手続きの開始にも遅れが生じ、ご協力いただいた皆さまには本当にご心配をおかけしました。

1月下旬、5日間で3492世帯へ、7800着のコート配布が完了しました。
今回、服を配布した全世帯の約1割にあたる350世帯へ、配布した服の質、数、サイズ、配布時期、配布方法等について、聞き取り調査を実施しました。回答結果は以下のとおりでした。
服のサイズについて
今回特に配慮したサイズに配慮し、特大サイズ600枚を買い足した結果、ふつう以上が86%という好結果でした。ただし、まだ14%が、配布された服が小さかったと答えており、今後さらに特大サイズを増やす必要があることがわかりました。
服の品質について
配布された服の品質については、51%が大変良い、良いとの回答でした。
服の枚数について
数は、92%が大変良い、良いとの回答でした。
家族の人数が5人以上の世帯には3枚、4人以下の世帯には2枚と、家族の人数が多い世帯に1枚多く配ったことが良かったようです。一方、ランブドゥさんからは「コートだけでなく、他の冬服のアイテムもセットだともっと良かった」との助言をいただきました。
服の配布時期について
いろいろなアクシデントに見舞われ、配布時期が予定より1か月以上遅くなり、1月27日~31日となりましたが、90%が大変良い、良いという回答でした。
防寒の有効性について
今回のコートの配布が66%の方々に、防寒の役に立ったとの回答いただけました。
モスル奪還作戦は2017年7月に勝利宣言がされ、避難されていた方々の帰還も徐々に進んでいます。しかし、ジェダアキャンプ・シックスの方々が帰還できる日はまだ見えていません。IVYは2018年度もイラクで支援活動を続けます。引き続きご協力をよろしくお願いいたします。
شُكْرًا
シュクラン!
( ありがとう ! )