第1回全日本障がい者立位テニス選手権大会大成功しました
令和元年5月19日(日)、暑くも寒くも眩しくもない絶好のテニス日和の中、第1回全日本障がい者立位テニス選手権大会が予定通り開催できましたことをご報告いたします。
このプロジェクトを通じて、多くの方にご支援や拡散にご協力いただいたお陰で、やりたかった企画を全て盛り込んだ立派な大会にすることができ、言葉に尽くせぬほどの感謝の気持ちでいっぱいです。
直前に朝日新聞に柴谷健や大会紹介の記事を掲載頂いた効果もあって、会場には、信じられないくらい多くのご来場をいただきました。セカンドゴールで得た資金で、パラソル付きのガーデンテーブルセットや椅子をレンタルしましたが、あっという間に埋まってしまい、午後には観覧スペースはまっすぐ歩けないほどの混雑になりました。
想定をはるかに超える盛り上がりで、私たち夫婦はあちこち対応に追われ、もしかしたら支援者の方がお越し頂いていたかもしれませんが、ご挨拶仕切れなかったかもしれません。もしも、失礼がありましたら、ご容赦ください。
大会には、北は北海道、南は奈良県から29名(エントリーは30名でしたが、直前のけがで出場できなかった方が1名いました)の選手が出場し、障がいの度合い別に4つのカテゴリーに別れて戦いました。
選手をサポートするためのケアブース、障がい理解のための義肢装具展示、健常者のための義足体験も行いました。やりたかった「いろんな『手』と握手会」もできました。
午後の誰でも参加可能の無料交流イベントでは、的当てゲーム、ジュニアのテニス体験、出場選手とラリー、千葉県からはマスコットキャラクターのチーバくん、千葉市からは加曽利貝塚PR大使のかそりーぬに参加してもらって撮影会、観戦だけでなく、一緒にコートに立って楽しんで頂きました。
<大会結果報告>
皆様から大会開催資金をご支援頂いたおかげで、今大会は、各カテゴリーの優勝者に条件付きの副賞を用意することができました。一年以内に海外大会にエントリーしたら、一人当たり航空券代10万円を贈呈します。本人の都合でエントリーしなかった場合、権利は準優勝者に移ります。準優勝者も本人の都合でエントリーしなかったら、10万円は、JASTAの強化予算に算入します。一年以内に開催される海外大会に、自分の出場カテゴリーが開催されなくてエントリーできなかった場合は、来年成田市で開催されるTAP JAPAN OPEN 2020にエントリーすれば、宿泊費5万円を贈呈します。残りの5万円はJASTAの強化予算に算入します。今は、この競技ではどの選手も遠征費は全て自己負担です。実力ある選手が海外に挑戦するために何としても、この副賞を用意したいと考えていました。優勝した4選手には、ぜひ、この副賞を活用してさらなる飛躍を遂げて欲しいと願っています。
カテゴリーA1(片腕やひざ下義足、最も障がいによる運動機能への影響が少ない)
優勝は高野健一選手(千葉県)
生まれつき左手の手首から先が欠損しています。子供の頃からテニスを始め、高校時代にはインターハイにも出場経験があります。昨年12月にヒューストンで開催された世界大会の覇者でもあります。
準優勝は高原安浩選手(東京都)
子供の頃の事故のため、左ひざ下で切断となり、義足を履いています。
義肢装具士でもあり、今回の義足体験の準備などにご協力頂きました。
カテゴリーA(片麻痺やひざ上義足)
優勝は岸俊介選手(神奈川県)
バイク事故のため、左ひざ上切断となり、義足を履いています。長野パラリンピックの時のスキーの強化メンバーの一人だったという類稀なる運動神経の持ち主です。
準優勝は内田真成選手(北海道)
交通事故により頸髄を損傷し、左片麻痺があります。大会告知してすぐに出場を決めてくださいました。帰りの飛行機に間に合わせるため、表彰式を待たずに会場を後にしました。
カテゴリーB1(片麻痺、四肢麻痺)
優勝は青木祐成選手(東京都)
自転車転倒事故により頸髄を損傷し、四肢麻痺があります。
受傷後、初めてのシングルスの試合で見事優勝されました。
準優勝は太田詔選手(千葉県)
小学生のお子様が学校から持ち帰ったチラシを見て大会を知って出場してくださいました。先天性の病気のため、下肢障がいがあり、コートでも杖を使っておられます。
カテゴリーB(脳性麻痺、この大会で障がいによる運動機能への影響が最も大きいカテゴリー)
優勝は玉川まさみ選手(東京都)
脳性麻痺と感音性難聴があります。ラインでは、いつもたくさんおしゃべりしています。
本当に努力家で、練習量は人一倍。いつもの交流型のニューミックステニス(障がい者と健常者がペアになって行うテニス)では2バウンドまでOKルールですが、この大会は1バウンドルールで、しかも初めてのシングルスに挑戦。いつもと勝手が違うので、とても頭を使ったそうです。
準優勝は佐藤峰生選手(東京都)
脳性麻痺による右片麻痺があります。
親しみやすい笑顔で実はIT関係という頭脳派です。大会の計画を話したら、一番に出場を決めてくれた選手の一人でもあります。挑戦する姿勢に惜しみない拍手が贈られました。
<大会終始のご報告>
今回の大会では、
収入合計 1,733,000円
内訳
1,216,000円(クラウドファンディング)
87,000円(選手参加費 3,000円/一人 29名)
140,000円(企業4社より協賛金)
130,000円(企業5社よりパンフレットへの広告協賛)
160,000円(ご寄付)
支出合計 1,733,000円
内訳
86,489円(チラシ、ポスター、パンフレット印刷代)
150,000円(印刷物デザイン、版下作成)
150,000円(企画書作成、資料作成)
24,850円(トロフィー、盾)
107,351円(大会バナー、協賛バックボード)
18,224円(カテゴリーB用コート作成備品)
5,200円(カテゴリーB事前練習会コート代)
185,760円(パラソル付きガーデンテーブルセットレンタル費)
42,793円(選手・スタッフ昼食、飲み物代)
22,020円(事務用品費)
11,907円(ポスター、チラシ、資料等の発送費)
18,243円(打ち合わせ用会議費レンタル、喫茶代)
14,810円(打ち合わせ準備の交通費(高速代))
21,071円(設営用備品代)
20,000円(コーナーサイン作成費)
4,600円(イベント保険料)
54,000円(スタッフ交通費補助、1,000円/一人 54名)
256,575円(雑費・ガソリン代、振込手数料、クラウドファンディング手数料)
400,000円(優勝者4名に条件付き副賞 一人100,000円)
139,107円(TAP JAPAN OPN 2020告知費用・2019年5月25日現在まで未清算の一部大会経費を含む)
収入合計 1,733,000円
支出合計 1,733,000円
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差し引き 0円
ということになりました。
ご来場頂いた皆様からも笑顔が溢れ、協賛各社ご担当者さま、取材をしてくださったメディアの記者さまからも、お褒めの言葉を頂戴しました。色々バタバタして、至らぬ点もありましたが、本当にやってよかった、と実感できました。
<リターンについて>
サイン入りパンフレットは、多くの選手(全員ではありませんが)に協力してもらって準備ができました。サインボールは、優勝、準優勝者にサインをもらってご用意ができました。
大会当日に、選手に手紙を書いてもらうには、余裕がありませんでした。個別にメッセージを集めてまとめたいと思いますので、もう少しお時間をください。
動画は玲子が撮影する予定でしたが、想定以上の大混雑で手が回らず、ほとんど撮影ができませんでした。スタッフにお願いして撮って頂いた写真と撮影できた分の動画をまとめようと思いますので、こちらも少しお時間をください。
リターン品が揃いましたら、6月末を目安に発送させていただきます。恐れ入りますが、
もうしばらくお待ちください。
<最後に>
実はクラウドファンディングを始めた時は、本当に資金が調達できるのか、不安でいっぱいでした。やりたい事もやるべき事もはっきりしていましたが、どこへ行っても過去実績を問われ、初めての挑戦には厳しい状況が続いていたからです。藁をもすがる思いで挑戦したこのプロジェクトで、本当に欲しかった開催資金に多くのご支援をいただき、プロジェクトが成立した瞬間は、自然に溢れ出る涙で画面が見えなくなりました。
潤沢な開催資金を得たことで、しっかりした運営の誰が見ても大成功と言っていただける大会が開催できました。この大きな実績を持って、来年主催するTAP JAPAN OPEN2020も、必ずや成功させてみせます。そして、障がい者立位テニスを、もっと多くの皆様に応援してもらえる競技に大事に大事に育てて行きたいと思います。
長い終了報告を最後までお読みいただき、ありがとうございました。どうぞ、皆様がたにおかれましては、ご自愛の上、充実した日々を過ごされますよう、お祈り申し上げます。
また来年、今度は成田市でお会いしましょう!
※ 掲載した写真は、泉仁志さま、日光隆幸さまに撮影頂き、ご提供頂きました。