沖永良部島で調査を行いました

日本鳥類保護連盟では、奄美大島の希少な鳥類を中心に、保全のための調査を行っています。中でもアマミヤマシギ、オーストンオオアカゲラ、サシバについては、皆様からのご寄付や、クラウドファンディング、そして助成金など、多くの方々に支えられながら活動を実施しています。

そんな中、2月5日から8日まで、奄美大島や徳之島などで繁殖をしているアマミヤマシギが、さらに南の沖永良部島にもいるのかを調査してきました。以前にアマミヤマシギの目撃情報はあるものの、しっかりと生息調査が行われていない場所です。発見した場合は捕獲をしてGPSタグを装着し移動経路を調査することとなりました。沖永良部島は鹿児島県と言っても沖縄島がすぐ南にある沖縄県に近い場所です。一部に低い丘のような山があり、オリイオオコウモリも見られるような場所でしたが、周辺は耕作地が広がっています。

夜間、山間部や農耕地を車で回り、3日間かけて島全域を調査しましたが、ヤマシギやコミミズク、オリイオオコウモリとは出会うことはできものの、肝心のアマミヤマシギの発見には至りませんでした。

寒波の影響もあるかとは思いますが、3日間かけてもアマミヤマシギを発見できなかったことを考えると、沖永良部島では渡りの途中に立ち寄るか、冬季にたまに飛来する程度なのかもしれません。

今後も周辺の島での生息状況や渡りの経路などの調査を継続していきます。

また、今回の調査ではサシバの観察も行いました。サシバは場所によっては奄美大島に見劣りしないぐらいの密度で越冬していました。ここはじゃがいもの産地としても有名で、耕作地にはジャガイモ畑が広がっています。餌が何かを観察するには至りませんでしたが、ここにもたくさんの餌動物が住んでいるのかと思いました。

南西諸島において、どの島で越冬しているのか、そこはどういう環境なのか、今後も色々な島を調査して、一つずつ確かめていきたいと思います。