盛り場の空地に町の活性化を牽引する語り場=隠れ酒場を建てる

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支援総額

1,003,000

目標金額 650,000円

支援者
73人
募集終了日
2015年12月17日

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2015年12月12日 13:36

15風の物語6___コロンボが愛したチリコンカン



重たげな「物語」が続いたので、今回は少しライトなエピソードを。

アメリカのテレビドラマ「刑事コロンボ」は、日本では僕が中学生の頃、だからかれこれ40年も前にNHKが最初に放送した。

コロンボという名の刑事が活躍する「殺人処方箋」という単発ドラマの評判が良くて、連続ドラマに昇格したのだったと思う。コロンボは警部補になり、最後は警部になったはずだ。

 

 

単発作品当時のコロンボはけっこう気性が荒くて、吹き替えなしに俳優ピータ・フォークの肉声で聞くと、後のキャラクターの印象とはだいぶ違う。

「うちのカミさん」等々、額田やえ子さんの自由な翻訳と小池朝雄さんの名調子で一世を風靡した感があるけれど、それは謂わば輸入国である日本のオリジナルな人物創造であり、吹き替えドラマの有り様としては前代未聞の事件だったかもしれない。



倒叙推理(最初から犯人が分かっている)の方法論を採用しているコロンボに於いては、手を替え品を替え登場する各界のエリートである犯人を、いかに彼が追い詰めていくかが毎回の醍醐味、見どころだった。

 

 

 


ある回の「刑事コロンボ」で(犯人の職業は忘れたけど)、高級レストランで食事する犯人と話すためにコロンボが同席する場面がある。

例のよれよれのレインコートや安葉巻をくわえた無作法なコロンボに、最初からウェイターが露骨に見下した態度をとる。

 

 

 

場違いなコロンボを追い詰めるがごとく、口にしたことも名前も知らないような料理が並ぶメニューを手渡し、さてご注文は?と意地悪な様子だ。



無言の圧力をかけるようにコロンボの横に仁王立ちするウェイターに気おくれしつつ、案の定メニューがチンプンカンプンなコロンボも何をどう頼めばいいか困り果てた挙句、「あのぉ、チリある?」と尋ねたところでウェイターの蔑み、あからさまな侮蔑の態度は頂点に達する。


この時の「チリ」とはメキシコ料理の「チリコンカン」のことと思われる。

 



ウェイターの態度から察するに、それは非常に庶民的な料理であり、その高級レストランに置かれている訳がないばかりか、コロンボの無知、あるいは生活水準を強調、増幅するような食べ物として扱われていたように思う。

四十数年前の僕はむろんチリコンカンなんて知らないし、もしも知っていたならきっと、この犯人とコロンボの住む世界の違いを象徴する場面描写の妙が理解できたに違いない。

 


 

 その代わり僕はチリコンカンという未知の料理に非常なる関心を持った。

とはいえ、簡単にメキシコの(おそらくは)庶民的な料理に出会う機会は得られず、早々にその存在も忘れていたと思う。

大学の終わりか社会人になって間もなくだろうから、二十代前半、つまり三十数年前、ウェンディーズという、マックよりもちょっとリッチな感じのハンバーガーチェーンでチリコンカンに遭遇した。

タバスコをかけてスプーンで食すカップに入った単品と、チリを乗せたバーガーがあったと思う。大好きであるがゆえにコロンボが恥をかいたあれだ!と思って飛びついたのは言うまでもなけれど、その味がまた感動もので、僕は突然チリ好きな青年になった。

 

 

当時はウェンディーズ以外の外食でチリコンカンに会う術を知らなかったので、作り方を調べて自宅で賞味したり、三十過ぎからはキャンプの夜に披露したりした。

 

 

 

 

 

 

 


コロンボはチリコンで蔑まれたけれど、僕にとってはそれまで身近だった洋食とはまた全然違う味覚を知ったようで、えらく世界が広がったような気になったものだ。

 

 

 “無国籍なバル” という発想で提供するメニューを考えた時、チリコンカンは割合にすんなりと、恐らくは一番初めの方に思いついた料理だ。

 

 

 

 

メインドリンクのホッピーなら黒に合うだろうな。オリジナルの「海賊ホッピー」でもいける。もちろん赤ワインにはぴったりだ。

 

 

 


最近では、燗上がりするオリジナル吟醸酒「風の色」のぬる燗に意外やチリコンカンが合う! と、利き酒師でもある某名店寿司屋の女将が発言してくれたこともあって、常連さんの中にはお薦めに従って『チリコンカン&吟醸 風のぬる燗』を実践してくれる人が増えて来た。



そんなこんなで風の定番となったチリコンカン。

 

かの警部コロンボのお口に合うものか叶うなら訊いてみたかった。

 

 

 


 

 

 

リターン

3,000


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お手軽支援コース

・サンクスレター

支援者
11人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2016年2月

10,000


<自宅で風の色コース>

<自宅で風の色コース>

・サンクスレター
・お店に支援者のお名前を記載させていただきます。
・オリジナル吟醸酒 風の色の贈呈(※ 富良野の名店「くまげら」の森本店主との三十年のご縁で生まれた、店主の醸造プロデュースによる、弊店のみで賞味いただける稀少な吟醸酒です)

支援者
29人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2016年2月

10,000


<風の色満喫コース>

<風の色満喫コース>

・サンクスレター
・お店に支援者のお名前を記載させていただきます。
・お店でのご飲食券4,000円分

支援者
19人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2016年2月

30,000


・サンクスレター
・お店に支援者のお名前を記載させていただきます。
・オリジナル吟醸酒 風の色の2本贈呈(※ 富良野の名店「くまげら」の森本店主との三十年のご縁で生まれた、店主の醸造プロデュースによる、弊店のみで賞味いただける稀少な吟醸酒です)

支援者
15人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2016年2月

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