【五穀豊穣・家内安全・子孫繁栄】

「日本の文化、文化て言うけど、何が文化なんかっていう。社会のどういう共同体の中で生きていくかという問題です。日本の土着の古代宗教でもそうですけど、必ず昔から我々が願うのは五穀豊穣。やっぱり食べることが大事。その次に食べることと同列に家内安全と子孫繁栄ですわね。それらを護るために地域社会とどうやって関わっていくかですわね。

 

 

ところが、地域社会と繋がらんでもお金を稼ぐ方法はあるさかいに、物流がこれだけ発達すると別に地域社会に帰属しんでもええし、逆に地域社会に帰属してたら金儲けにあずかれへんという時代ですやんか。なんの縁もない国からモノを安い労働工賃の安い国からふうっと持ってきたらこれが利益を生むわけですやん。そういう世の中ですやん、今は。

 

東京は日本の中でどういう位置にいてるんかというたら、パソコンの中でバーっと打ちこんだヴァーチャルなもんを具現化してくれるんは国内やなしに、外国で具現化したものを運んできて全国に売るという仕掛けが東京にあるわけですやん。せやから東京の一極集中で地方が疲弊していくのは、昔は東京は地方と繋がって、地方の産品を東京から全国に売れるように分配装置として仕掛けてくれたわけですやん。その分配装置が日本の国内と違うて海外に地球規模に拡がった。そやから地域社会との関わりなんか持つ必要がないという。

 

そやから、なんかねぇ。アメリカの空爆と一緒ですわ。アメリカの空爆でボンボン爆弾落としとる方は現実感ないわけです。落とされてる側は、はっきり言うて身体が捻じれ飛んだり命まで奪われるわけでしょ?なんでイスラム国みたいなん出て来よんじゃ?と。そりゃ毎日爆弾落とされて、そら怨むで、と。それをずうっと繰り返しているわけでしょ?そのずうっと昔の十字軍とかなんやかんやあるのもそうでしょうけど、突然何のつながりもない奴が来て自分の言うことを聞けと、勝手に線引いて。アフリカなんかそうやないですか、真っ直ぐの国境線引いて。真っ直ぐの線なんかまともな神経なら引かへんやろうて(笑)。」

 

 

【現代の地域社会】

「話逸れましたけど、地域社会とどういう風なかたちで関わっていくかということです。地域社会と関わるということは、日本の場合は四季がありますけど、京都の場合は梅雨をどうやって乗り越えるかということが生存についての物凄い重要なことなんです。祇園祭ありますわね。昔は梅雨と共に疫病が必ずやってくるんです。「夏越し(なごし)」は、どうやって夏を乗り越えて五穀豊穣の実りの秋を迎えるかということで、それが京都で住む上でとても大切な事なんです。せやから祇園祭みたいなもんで町衆が結集して、それに鴨川の氾濫やとかいろんな自分らの生存圏に関することに取り組むわけです。そやけど今は、そんなことはないわけですやん。地域社会が地域社会としての…どういうたらいいんでしょうね。私が思てんのは地域社会に帰属してたら反対に富に与れへんというのが、今の社会なんでしょうな。」

 

(つづく)

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