支援総額
目標金額 888,000円
- 支援者
- 171人
- 募集終了日
- 2015年9月26日
外国にルーツを持つ子どもの日本語教育ー現場で見えた3つの力
外国にルーツを持つ子どもたちの日本語教育については、さまざまな研究がなされていますが、現場ではどのような”専門性”や”適性”が求められているのか、「外国にルーツを持つ子どもの日本語教育を行う専門家」とは、どのような人であるべきなのか、についてはあまり言及されているものがないように感じています。
正解のない問いではありますが、日本語教師ではない現場のマネージメントを行う私が、5年間さまざまな日本語教師(子どもの日本語教育を目指している方もいれば、必ずしもそうではない、という方もいました)の方々と仕事を共にしてきて、「外国にルーツを持つ子どもの日本語教育専門家」とは、こんな人で、こんな力が必要そうだな、と素直(そっちょく)に感じたことをご紹介します。
(写真:教室で使用している教材のほんの一部。年齢、状況、ニーズにあわせて教材を選んでいます)
<その1-適切な教材を選ぶ力>
6,7才が喜んで使える教材は、9,10才の子どもたちが使うにはすでに幼すぎる場合があります。同様に、小学生を念頭に作られた教材やそこに描かれたイラストでは、中学生以上のティーンエイジャーのプライドを損なう場合があります。
一方、成人向けの教材には、「部長」や「名刺」など、子どもの日常にかかわりの薄い単語が頻出したり、「いっぱい飲みに行きましょう」など、少なくともあと数年は使いそうにない表現が登場するため、子どもはもちろん、10代の若者でもその人が目指す方向によっては適切でない場合が多く、成人向け教材は教具、副本なども豊富ではありますが、全面的な使用には適していません。
また、日本で生まれ育ったり幼少期に来日しているお子さんで、耳で聞けばある程度は理解できるけれど、正しい日本語の読み書きや会話はできない、というケースでは、すでに「感覚的」に習得している文法などがあり、1から文法を積み上げていく形式の教科書では、学習意欲を維持・喚起できない場合があり、それぞれのニーズや状況に応じて適切な教材を選び、あるいは組み合わせて使用する必要があり、その見極めができるかどうか、が重要です。
時には子どもの興味関心を引くために、流行のアニメやゲームの話題を取り入れたり、関連した教具を作成することも必要となりますので、子どもの世界へのアンテナやその感度の高さも大切だと思っています。
<その2-”非自発的来日”の子どもたちへの理解>
なぜ適切な教材選びが重要なのか。それは、外国にルーツを持つ子どものたちのほとんどが、「非自発的」に来日しており、ある日突然親の都合によりそれまでの生活のすべてを残して日本に来なくてはならなかった子どもたちであるからです。
中には、「旅行」だと思い来日したら、そのまま日本で暮らすのだと親にいわれた子どももいます。
この、「非自発的」に来日しているということが、自ら望んで日本にやってきた留学生や成人学習者ともっとも大きく異なる点であり、外国にルーツを持つ子どもの日本語教育を行う一番初めの段階で、もっとも注意しなくてはならないポイントです。
自らの意思ではない理由により来日したことで、日本語学習に対する意欲が持ちづらいだけでなく、「なぜ日本語を学ばなくてはならないのか」という怒りにもにた不満が満ちていることがあります。また、自らの気持ちや考えを自由に伝える「言葉」を(一時的に)奪われたことによるストレスや、落ち着きのなさなどが見られる場合も少なくありません。
こうした子どもたちの状況や気持ちを理解し、寄り添いつつ、
「日本語ができてうれしい」「わかって楽しい」
という前向きな気持ちを、適切な教材選びはもちろんのこと、さまざまな働きかけにより引き出していくことが、外国にルーツを持つ子どもの日本語教育を行ううえでもっとも大切なことだと思っています。
<その3-その子の「人としての成長」を支える自覚と知識>
外国にルーツを持つ子どもたちの人生はまだまだスタートしたばかりです。これから人として生き生きと生きていくために、多くのことを経験し、学び、考え成長していかなくてはなりません。
その成長に必要な「ことば」の発達も、まだまだこれからと言った段階です。
世の中の仕組みを理解し、考えるためのことばや、人の喜びや悲しみに共感するためのことば。みずからの心に問いかけ、答えを探すためのことば。
子ども1人1人の日本語の力を伸ばすと共に、彼らの人としての成長を支え得る言語能力の獲得を支える、という点にも注意を払わなくてはなりません。
日本語学習に用いるトピックの選び方や、休み時間などの「こえかけ」、何気ない雑談などのさまざまな場面における日本語での適切な働きかけができること。
何よりも「子どもに寄り添う」(これが難しい!)ことができること。
<まとめー「教師」ではなく・・・>
いろいろと書きつらねましたが、とどのつまり、
『「教師」や「指導者」である以上に、「支援者」として子どもを理解し、寄り添い、時には一緒になって遊び、支えようとする、日本語教育の基礎知識に裏づけされた応用力のある方』
といえるな、と思います。
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(写真:以前、無料だった教室での日本語クラスの様子)
何時間も教材を研究し、子どもが興味を持てる教具(妖怪ウォッチなどアニメやゲームのイラストを利用したり・・・)を手作りし、準備を重ねて、笑顔で子どもたちの前に立ち続ける日本語教師スタッフたち。彼女たちの授業によって、1日、1週間、1ヶ月と時を経るごとに日本語が上達していく子どもたち。
ストレスや不安から学習内容がほとんど頭に入らない日々が続く子どもにも、ていねいに寄り添いつつ、少しでも前進していけるように配慮し授業を運営していて、身内ながら、まさに「専門家」なのだと感心させられます。
専門家による学習機会を提供することは、子どもたちの抱える「日本語ができないことによる苦しみやつらさ」を軽減し、そこから抜け出す(言語習得する)までの期間を1日でも短縮することにつながります。
このプロジェクトで、外国にルーツを持つ子どもたち10名に専門家による無償の支援をプレゼントしてくださいませんか?
みなさんのご支援、ご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。
リターン
3,000円
子どもからのサンクスメッセージをメールにてお送りします。
- 申込数
- 118
- 在庫数
- 制限なし
10,000円
3,000円の引換券に加えて、
①スイーツの名店”カフェ・ドゥ・ジャルダン”オリジナル「アメリカンカステラ5個入り」をお送りします。米軍基地のある福生で生まれた絶品カステラです。
②12月に行われる子どもたちとのイヤー・エンドパーティにご招待します(都内。交通費はご負担ください)
- 申込数
- 65
- 在庫数
- 制限なし
3,000円
子どもからのサンクスメッセージをメールにてお送りします。
- 申込数
- 118
- 在庫数
- 制限なし
10,000円
3,000円の引換券に加えて、
①スイーツの名店”カフェ・ドゥ・ジャルダン”オリジナル「アメリカンカステラ5個入り」をお送りします。米軍基地のある福生で生まれた絶品カステラです。
②12月に行われる子どもたちとのイヤー・エンドパーティにご招待します(都内。交通費はご負担ください)
- 申込数
- 65
- 在庫数
- 制限なし

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- 現在
- 1,554,000円
- 支援者
- 105人
- 残り
- 15日

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#まちづくり
- 現在
- 5,181,000円
- 支援者
- 359人
- 残り
- 1日

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- 2,985人
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- 15日

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- 519,000円
- 支援者
- 51人
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- 46日

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- 現在
- 3,240,000円
- 支援者
- 269人
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- 15日

血液がん治療の地域格差を解消したい!移植治療の環境整備にご支援を

- 現在
- 3,705,000円
- 寄付者
- 112人
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- 29日

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- 2,915,000円
- 支援者
- 117人
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