おかげさまで、くろがね四起修復プロジェクトも無事に新年を迎え、2年目に入りました。

 

モスクワにて修復作業が進む、2台の「くろがね四起」前期型のうち、今回われわれが修復のお手本にする緑色の個体の詳細レポートをお送ります。

一見程度が悪いように見えますが、当時のまま残っていると考えると、とてもオリジナル度が高い車両です。

 

製造銘板が残っており、昭和15年4月の製造と判ります。同年夏にはフルモデルチェンジした後期型の製造が始まりますので、前期型としては最終の製造モデルとなります。

この個体は、エンジン始動用モーターのカバーが残っており、製造名板も確認できたことが大きな収穫です。メーター類も4個とも当時のオリジナルと推測され、これらの写真をもとに、われわれの車両も部品の再生が行われます。

 

ご覧のように、ドアの補強リムの肉抜き穴が丸形状であり、われわれの個体と同じボディー製造メーカーであることが判ります。

また、後部座席に乗り込む際の、助手席折り畳み機構が良く判ります。

 

こちらは運転席ですが、台座の中を道具箱として利用するために四角く穴が開いていますが、これはオリジナルかどうか不明。この特長は、この緑の個体だけなので慎重に戦後の改造かどうかを調査する必要があります。

注目は、Lehn氏の修復済み車体と同様に、運転席も背もたれが倒れる構造が確認できたことです。前回も記述しましたが、確認した3台とも前部座席は両側とも背もたれが倒れます。

 

われわれの個体のみが、何故にバケットシートとなって、背もたれが倒れないのか?

その答えは、運転席だと思っていたモノが後部座席だったという推測により解決します。実際に、複製品ですがLhen氏の修復済み個体の後部座席は同形状のバケットシートが着いているのです!

 

残念なことに、修復中の2台は後部座席は欠損しており、影も形もないことと、後部の床面は明らかに戦後貼りかえられており参考になりません。

この部分はLhen氏の修復済み車両が、若干の補修はされていますがオリジナルの状態を保っています。しかし、前述したようにわれわれの個体とはボディー製造メーカーが違うために、参考にはなりますが、そのままお手本には出来ません。

 

後部のナンバープレートステーは当時のオリジナルと思われます。

基部の形状は、われわれの個体と同じですが、こちらのモノは改造されて元形状が判らなくなっているので、参考になり助かります。

 

赤いテールレンズは戦後付けられたもの。

 

給油口が、我々が見慣れている角のように飛び出たタイプではないので、戦後の改造かと思うのですが、ボディーの開口部の形状が全く違う時期に修復されたLhen氏の修復済み個体と同形状なので悩みは尽きません・・・

給油口はくろがね四起後期型でも角のように飛び出ているので、この2台はロシアで入手が容易な燃料給油口に付替えた改造タイプということで間違いないと思います。

 

モスクワ取材の情報量はとても多く、なかなか語り尽きません。

 

実際の修復作業の進行に応じて、引続きご報告して参りたいと思います。

 

 

次回は、いよいよモスクワ取材により判明した情報をもとに、加速する実車作業の様子をお届け致します!お楽しみに♪

 

本年も引続きご支援のほど、よろしくお願い致します。

 

実行者:小林 雅彦

新着情報一覧へ