11月に実施されたモスクワへの取材報告です。

 

こちらが、数年前から知られているモスクワの「レトロカー博物館」で修復後に、現オーナーであり今回の取材受入窓口でもあるLhen氏の所有となったくろがねです。

ボディー製造メーカーが、我々の個体と違うので、細部にかなりの違いがあることが今回の取材でもハッキリしました。

しかし、レストアが終了して「動く」世界で唯一の前期型です。

まずは、一番の謎であるリアシートの形状から検証。

すると、現在我々の個体に付いている運転席と全く同じではありませんか!

逆に、Lhen氏のくろがねの運転席と助手席は同形状で、背もたれが可倒式になっています。

現地でもかなり熱い討論になったようですが、結論として我々の個体は背もたれのヒンジが破損するなどの理由で使えなくなった運転席の代わりに、普段は使わないリヤシート(背もたれが倒れないだけで、ほぼ同形状)を運転席に移設したものと推定。おそらく、この推定は高確率で正解です。

 

その根拠は、今回モスクワ行きを決断したもう一つの理由でもある、2台の未再生「くろがね四起」前期型もLehn氏のくろがねと同じく運転席の背もたれが可倒式であることが確認できたからです。

 

残念ながら、これら2台のレストア中の「くろがね四起」前期型は、リヤシートが失われておりました。さらに床は抜け落ち、一枚鉄板が溶接されています・・・

 

こちらはLehn氏のくろがねのセンタートンネルカバーの採寸の様子です。

 

ボディー製造メーカーが違うため、参考程度となったのですが、それは残る2台が我々の個体と同じ製造メーカーだった為に判明したの事実です。

 

今回訪問して、実際に検分しなかったならばLehn氏の個体をベースに、誤った形状にレストアしてしまうところでした。

 

 

現在、我々が確認取材した「くろがね四起」前期型は今回の修復個体を含めて4台です。モスクワにある3台の個体のうち、Lehn氏の車両だけがボディー製造メーカーが違います。

 

フロントフェンダーやボディー内部の補強リムの形状や、ドア内側の補強リムの軽目穴の形状(四角と丸)の違いで判別できますが、外観からは非常に見分けが困難です。

 

NPOスタッフがリヤシートに座り、Lehn氏の個体を写真撮影中です。

 

リヤシートは狭くて、足を伸ばして快適に乗車することは難しいと判ります。

写真中央に立っているのは、英語を解さないLehn氏との仲介者であるAksenov氏。

 

こちらは現在レストア中で、我々の個体と同じボディーメーカー製造のセンタートンネルカバーを採寸中です。

 

手前の白い個体は、痛みが酷くて欠品部品だらけです。

 

奥の緑色の個体は、実用本位で幌が架装されたりして、一見程度は悪そうですが、仔細に観察して行くとオリジナル部品が多く残っていました。

 

そのために、我々のレストア作業は緑色の個体をベースに、不明なところは白色の個体とLehn氏の個体を比較しながら進めて行く事になります。

 

これらの取材を通じて、我々の「くろがね四起」のボディーの程度は実は一番オリジナル度が高いことが判明・・・逆に、ロシア側に情報提供をすることになりそうです。

 

お互いに無い情報を交換し、共有しつつモスクワと日本で同時にレストアが進んでいるという、なんとも素晴らしい偶然に驚き、本当に幸運を感じております。

 

次回は引続き、緑色の個体の細部レポートをお届けしたいと思います。

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