本プロジェクトの終了報告とお礼
昨年ご支援をお願いしておりました「いろいろな性、いろいろな生き方〜ろう者100人からあなたへの手話メッセージ〜」のプロジェクトによるクラウドファンディングにつきまして、このたび最終的なとりまとめができました。改めまして、ご報告とお礼を申し上げます。
皆様のおかげで最終的に159名の方から目標金額を上回る2,081,000円のご支援をいただきました。たくさんの方々から温かな支援をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。
子どもの頃から自分の性、生き方について悩み続けてきた私や同じように生きづらさを抱えたろう者も含め、「子ども時代の自分がこういったものに出会えていたら」という夢を形にしたくて企画したのが「いろいろな性、いろいろな生き方〜ろう者100人からあなたへの手話メッセージ〜」です。
▲認定NPO法人ReBit主催の「diverseeds」にて
※写真提供 認定NPO法人ReBit
2018年10月から翌年2月まで、認定NPO法人ReBit主催の地域でLGBTの課題に取り組む若手リーダーを応援するプログラム「diverseeds」に参加し、学ぶ中で、全国にいる多様な性をもつろうの子どもたちへ、自分ができることは何かを考えた時、「ありのままの自分でいいんだよ」と伝えるために、ろう者100人のメッセージとインタビューを誰にでも視聴してもらえるようオンライン配信できないだろうか、と思い浮かびました。とはいえ、テーマの持つ繊細さや複雑さを考えると先行きの見えない不安もありましたが、その提案をJSLTIMEの仲間に話したところ快く賛同してもらうことができました。そのおかげで実現へ向けて動き出す決意をし、クラウドファンディングで皆様にご支援をお願いすることになりました。
▲撮影をしている様子
今回、ろう者100人の方々への取材のために北は北海道から南は沖縄まで飛び回り、年齢も国籍も生い立ちもさまざまなろう者と出逢い、話を聞く中で出逢いは勇気につながるのだと確信しました。私たちが感じたこの想いがろうの子ども達にも必ず伝わることを信じています。
▲「いろいろな性、いろいろな生き方」サイト開設
出演者の方々は多忙にもかかわらず、ろうの子どもたちへのメッセージを真摯に考えてくださいました。取材をきっかけにお互いに性や生き方などを尊重し合うためにはどうしたらいいか熱心に話してくださったことも嬉しく思いました。インタビューでは、時間の関係で話してくださった内容すべてを配信することができず、心苦しい限りですが、それぞれのインタビューから視聴者に共感と安心を届けられたらと思います。
▲字幕の勉強会
また、ろう者だけでなく、難聴者にもわかるように日本語字幕をつけました。私たちろう者の第一言語は日本手話であり、日本語とは異なります。そのため字幕用に翻訳するにあたり、プロの講師を招いて勉強会を行ったり、JSLTIMEメンバーやDeaf LGBTQ Centerの山本芙由美さん、外部の方にもお手伝いいただき、時間はかかりましたが、無事に作業を終えることができました。こうしてたくさんの方々のご支援やご協力のもと、2019年5月にろう者100人メッセージをオンライン公開し、6月からはインタビューを、現在に至るまで配信中です。
▲報告会の様子
その中で2019年9月29日に東京都港区のヒューマンプラザにて、報告会を開催しました。
本プロジェクトのオンライン公開後の現状と課題の報告、Deaf LGBTQ Center代表の山本芙由美さんを招いて100人ろう者からのメッセージ動画を活用した自分と相手の違いを知るワークショップ案のプレゼン、トークショーを行いました。
<ろう者100人メッセージを視聴した方々のアンケート調査>
https://drive.google.com/file/d/1sy6EqKVhfA21l2TUlmisLOXvrRa5yan7/view
アンケートでは、オンライン公開を通して「いろいろな性、生き方を知ってよかった」「自分のアイデンティティを考えるようになった」「ろう者も聴者と同じようにいろいろな感じ方があると実感した」など、ろう者に限らずたくさんの方々から感想をいただきました。
報告会の後に行われた出演者やご支援いただいた方々との交流会ではオンラインだけではなく、直接いろいろな性と生き方により深く触れ合えることの大切さや嬉しさを実感することができました。
▲「いろいろな性、いろいろな生き方〜ろう者100人からあなたへの手話メッセージ〜」DVD
※このDVDは、「メッセージ」および「LGBTQって何?」の映像です。
今回のメッセージをDVDにまとめたものを聴覚障害者情報提供施設などに配架のご協力をいただいていますが、まだ在庫がありますので、それらもろう学校などに配架できるよう現在も活動中です。配架のご協力をいただける方、ご紹介いただける方は、ぜひJSLTIMEまでご連絡いただけますと幸いです。
この企画には、認定NPO法人RiBit主催の「diverseeds」プログラムで関わった方々、ろう者によるLGBTQ団体のDeaf LGBTQ Center、Deaf LGBTQ Fukuoka、ろうLGBT東北、TOKYO DEAF LGBT bond、沖縄ろうLGBTQいるまんちゃー、Deaf LGBTQ TOKAIに多大なご協力をいただきました。また、日本手話を日本語へ翻訳するあたりご指導ご協力を快く引き受けてくださったプロの字幕制作の方、出演してくださった方々のご協力、diverseeds研修プログラムのReBit団体からのご支援、そしてクラウドファンディングにご支援いただいた皆様のおかげでこのプロジェクトを達成へと導くことができました。重ねて心よりお礼申し上げます。
今回、一歩踏み出せたことを誇りにこれからもJSLTIME一同、挑戦を続けてまいりたいと思います。今後とも末長いご支援を何卒よろしくお願いいたします。
JSLTIME
代表 今井ミカ