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ハンセン病回復者 林さんの本『天使在人間』日本語版を作りたい

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支援総額

226,000

目標金額 1,000,000円

支援者
19人
募集終了日
2014年10月21日

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2014年08月20日 00:34

エボラ出血熱とハンセン病

みなさま

こんばんは。本プロジェクト代表の鄧(トウ)です。

私は一足早く、明日中国へ出発いたします。

林さんに会ったあとは、2009年より活動を続けている海南島のハンセン病回復村へ里帰りをして参ります。

日本への帰国は約2週間後の9月5日となります。

 

さて、本日は少しいつもと違ったお話をしたいと思います。

 

西アフリカでエボラ出血熱が流行し、死者が1,000人を超えていることは連日報道されているので、みなさまご存知かと思います。
現時点ではシエラレオネ、ギニア、リベリア、ナイジェリアの4カ国で感染者・死者が発生し、各国で封じ込めが進められています。

エボラ出血熱は空気感染しないと考えられていて、感染者や感染して死亡された方の体液に接触することで感染すると認識されています。

エボラ出血熱は致死率が50〜80%と高く、近年注目を浴びている鳥インフルエンザ(H5N1亜型)よりも高いです(H5N1亜型の致死率は60%)。
本日の時点では、エボラ出血熱の発症、死者はアフリカ大陸以外では確認されていません。

とはいえ、世界各国はエボラ出血熱の水際作戦を展開し、自国内への侵入を食い止めようと様々な策を打ち出しています。

8月4日、韓国で国連女性機関と徳成女子大が共同開催した「第2回次世代女性グローバルパートナーシップ世界大会」がありましたが、韓国はナイジェリア出身の学生3人の招待を撤回し、入国を拒否しました。
韓国ではアフリカ地域の学生が参加する同大会の開催反対請願運動まで起こっていたことが、招待撤回及び入国拒否の原因になったと考えられます。
入国拒否された学生は、韓国側の検疫を受け感染のおそれがないと判断されながら、このような対応を受けたことに、人権侵害だと国連人権委員会に提訴するそうです。

(中央日報HPより  http://japanese.joins.com/article/533/188533.html)

さて、この韓国で行われた入国拒否騒動について、みなさまはどのようなお考えをお持ちになりますか?

エボラ出血熱の発生地域から訪韓するのだから、韓国民への感染防止のために仕方のない措置である。

致死率が高く治療法も確立されておらず、今は対症療法しかない病気のため、不安要素はできるだけ取り除きたいので、入国拒否は賢明な判断だ。

検疫など医療的手続きを徹底的に受けても問題がなかったのだから、アフリカからの訪韓とはいえ入国を認めないことは過度な措置だ。

感染していると診断したわけでもなく、アフリカから訪韓したというだけで入国拒否することは人権問題だ。


他にも色々な考えを持たれると思います。

 

エボラ出血熱の感染地域からの人の移動を禁止してしまえば、このような問題はなくなると考える方もいるでしょうか。


どうしてそう考えるのでしょうか?

 

エボラ出血熱が感染力が強く、致死率が高く、治療法がない病気の患者・感染のおそれのある人はある程度行動に制限がついても仕方がない考えるからではないでしょうか。

この考えは、「多くの非感染者を病気から守るための当然の処置」という心理から発生していることではないでしょうか。

 

では、逆に伺いたいと思います。

感染者や患者の自由は、非感染者のために制限してもよいのでしょうか?

病院や隔離施設に強制的に閉じ込め、治療を受けさせることは感染者・患者にとって真に良いことでしょうか。

感染者・患者の家を消毒し、場合によっては衣服や持ち物まで消毒ということで焼却することは、非感染者にとっては「安心」かもしれません。

ですが、感染者・患者にとってそれは「安心」ではなく「略奪」かもしれません。

 

大衆のために、少数を犠牲にしてよいのでしょうか。

非感染者のために、感染者・患者を蹂躙してよいのでしょうか。

 

かつて日本ではハンセン病を終身隔離していました。

ひとたびハンセン病を発症したとあれば、たとえ完治していても生涯療養所に閉じ込められたのです。

その理由が「ハンセン病は治療法がなく、感染力も強い病気」だと考えられていたからでした。

1996年に「らい予防法」は廃止され、後に続く「らい予防法違憲国家賠償請求訴訟」において、日本政府はハンセン病患者・回復者にたいする終身隔離は、人権を蹂躙した非人道的な措置だったことを認めました。

 

ハンセン病は感染力も弱く隔離する必要がなかったにもかかわらず、患者・回復者を終身隔離したことで、人権を蹂躙することになったのでしょうか。

 

 

こういう考えをする方がいます。

武田徹 『「隔離」という病い』より引用します。

 

「僕はハンセン病患者達の人権が、隔離が不必要な病気にかかっていたのにもかかわらず、療養所の中に閉じこめられていたから蹂躙されたとは考えない。というのも、その論理の裏側には、感染力が強い病気にかかった患者は強制的に隔離してもしかたがないという論理が貼り付いている。そんな論理が潜在的に生き延びている以上、ハンセン病を巡って多くの問題を孕んだ隔離はなんどでも繰り返される。(前掲書p.70より引用)」

 

 

上述したエボラ出血熱回避のための入国拒否騒動や、今後起きうるおそれのある「過度な措置」に考えを巡らせた時、私たちは武田氏が提起したこの問題を直視しなければならないのではないでしょうか。

 

ハンセン病患者に対して行われた隔離や過度の措置は、長期間行われたから問題なのでしょうか。

短期間であれば、それは問題視する必要はないのでしょうか。

 

ある日突然、憲兵のような人が家にきて家族をさらっていくことを、潔しとできますか?

それが短期間であれば許せるのでしょうか? 長期間だから許せないのでしょうか?

 

 

エボラ出血熱をめぐる問題を考える時、ハンセン病をめぐる問題がそこに垣間見ることができます。

 

今一度、私たちは病気について、ハンセン病をめぐる問題について考える時が来ていると思います。

リターン

3,000


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サンクスレター

支援者
6人
在庫数
制限なし

10,000


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サンクスレター
『天使在人間』の日本語版 1冊
翻訳本にお名前を掲載

支援者
11人
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制限なし

15,000


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サンクスレター
『天使在人間』の日本語版 1冊
翻訳本にお名前を掲載
オリジナルブックマーク 1枚

支援者
2人
在庫数
制限なし

30,000


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サンクスレター
『天使在人間』の日本語版 1冊
翻訳本にお名前を掲載
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林さんからのビデオレター(DVD)

支援者
1人
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