子どもの笑顔のために　虐待に至った親たちの回復を支えたい

MY TREEペアレンツ・プログラムはこれまで18年間、数多くの親の回復を支えてきました。

森田ゆり著『虐待・親にもケアを』 (築地書館, 2018)より、プログラム修了生の言葉を抜粋してご紹介します。

======

■ダメな自分だと思って落ち込んでばかりでしたが、何かあたたかい心のよりどころができたような感じで、がんばろう！と自然に考えるようになりました。

■まわりを見れば、他のお母さんたちがみんな充実して見えて、悩みを抱える私はすごく孤独に感じていて、つらかった。でも、ここにきて私一人じゃないんだということを感じることができて、皆それぞれに一生懸命に頑張っている姿を見て、励みになりました。

■同じ年齢の子ができていることが自分の子はできていないとなると不安でたまりませんでした。他と比べて育てることがどんなに子供を傷つけて心を小さくしてしまうことなのかを知ったとき、自分は何て事をしていたんだろうと思いました。

■私は生まれてきてよかったんだな。これからも生きていっていいんだなと思えるようになってきた。先の見えない暗いトンネルの中で、出口が分からず、言ったり来たりしていたけれど、遠くに小さな光を見つけ、手探りで歩き始めた感じです。

■キレなくなった。以前のように怒鳴り散らして怒ったり、めちゃくちゃに叩きまくったりしなくなった。子どもに対しても他の人、物事に対しても、感情をおさえることができるようになった。激しく切り替わるスイッチがなくなった。子どもをかわいい、愛おしいと思える気持ちを取り戻すことができた。私は生まれ変わった……清々しい気持ちでいっぱい。

■今までは地獄でしたけど、今は、何か新鮮な空気が流れているような気がしています。“MY TREE”に来れてなかったら、毎日ドロドロのまんまで、今頃……殺されていたかも？と一瞬思っていたほどでした。今は、ひまわりの種が落ちて、夏になったらまた花を咲かせるようになりたいです。

■楽になりました……。生きるのが楽になりました。息するのも何をするのも楽になりました。

■いつも一人で黙々と頑張ってきましたが、「しんどいですか？」を基準に自分に問いかけて続けるかどうかを決めます。誰かにも相談します。「何を話してもいい」という安心できる場を持てたことは、私に勇気を与え、自信を取り戻し、私自身になれました。

■独り抱える圧倒的な心の隙間は、驚くべきことに光を放つ場所でもあったのですね。最後に、MY TREEペアレンツ・プログラムが、あの頃の私のように崖っぷちに立つ親たち、多くの必要としている親子に届きますよう祈っています。